製品の国内シェア90%!知られざる優良企業が川崎ブレイブサンダースのユニフォームスポンサーになった理由

川崎ブレイブサンダース
チーム・協会

【©KAWASAKI BRAVE THUNDERS】

川崎ブレイブサンダースの「グローバルトップパートナー」として、ユニフォームにロゴが掲出されることになった株式会社ミツトヨ(以下、「ミツトヨ」)。
初めて社名を聞いたという方も多いのではないでしょうか。それもそのはず、ミツトヨの製品は、マイクロメータ、ノギスなどの精密測定機器。主に工場で使用される機器なので、一般の人の目に触れることはほとんどないのです。
「試合会場や中継で多くの人の目に触れることで商品の売上アップ!」とはすぐにはいかなさそうですが、なぜ、川崎ブレイブサンダースを応援することを決めたのでしょうか。
上席執行役員営業本部長山口秀和さん、営業本部副本部長兼販売促進部長の加藤大輔さんに、お話を聞きました。
川崎市の溝の口に本社のあるミツトヨは、1934年創業。1937年に日本で初めてマイクロメータの国産化に成功しました。
製品の品質に対するこだわりは当時からたいへん強いものがありました。創業者の沼田恵範(ぬまた えはん)氏は、最初に生産した100個のマイクロメータのうち、完全な品質の17個だけを残しました。「検査を妥協して品質・性能に妥協はしない」という決意で、使用に問題ないものの自分たちの目標とする性能に届かなかった83個は工場の床下に埋めたのだそうです。
現在では、マイクロメータ、ノギス、形状測定機、画像測定機、三次元測定機など1/1000mµm〜1/1,000,000mm(1ナノメートル)単位の精密測定機器のリーディングカンパニーとなり、5500種類以上の製品を世に送り出しています。その製品は航空機や自動車からスマートフォン、ペットボトル、ボールペンまで、様々なモノを正確な大きさ、形で製造することに役立っており、業界の世界シェア30%以上、マイクロメータ、ノギスの国内シェアは90%にものぼります。

主力商品のマイクロメータ 【株式会社ミツトヨ】

ミツトヨは、1963年にアメリカに販売拠点を設立したのにはじまり、日本含む世界31か国に拠点を、60か国以上に代理店ネットワークを持っています。
山口さんは、「海外工場は現在2か所ありますが、ほとんどの製品は日本で製造しています。世界のどこへでもメイド・イン・ジャパンで同じ品質の製品を提供できることを目指しています。国内生産の割合が多かったことにより、新型コロナウイルスの流行が拡大した際にも製品を供給し続けることができました」といいます。品質のために「メイド・イン・ジャパン」にこだわったことにより、製品供給を止めないことでもお客様の信頼を得るのにつながったようです。

上席執行役員営業本部長山口秀和さん 【©KAWASAKI BRAVE THUNDERS】

このように安定した企業活動を行っているミツトヨですが、実は、精密測定機器というのは狭い業界なのだそうです。
そこで、既存の製品を提供するだけでなく、「まだ形のないニーズを汲み取り、お客様が想像もしなかったようなソリューションを提案する」ことに力を注いでいます。
いま会社が向かおうとしている方向について、加藤さんが教えてくれました。社長がここ数年ずっと仰っているのは『殻を破りたい』ということです。測定だけでなく、検査の分野にも手を広げ、お客様の工場全体の生産性を高める会社になりたいと考えています」。
山口さんも、「今までの企業活動では限界が来ます。新しいことに取り組んでいかないと」と力を込めます。

販売促進部のメンバー 【©KAWASAKI BRAVE THUNDERS】

会社が新しいことに取り組むのに不可欠なのが、人の力。採用活動にプラスになるよう会社の認知度が上がること、社員の誇りややりがい、さらには取引先とのコミュニケーションへのプラスの効果は、ブレイブサンダースとの取組みにおいて大いに期待するところです。

2020年1月からオフィシャルスポンサーとしてセンターハングビジョン上部看板にロゴを掲出してきたことで、取引先から「バスケットボールの試合でロゴが出てるね」と言われたり、問合せを受けることが増えたのだそう。また、ポスターや広告を街中で見かけるクラブを自社がスポンサードしている、ということを大変喜んでいるといいます。

2020年1月からセンターハングビジョン看板にロゴを掲出 【©KAWASKI BRAVE THUNDERS】

このような効果を目の当たりにして、2020-21シーズンを迎えるにあたり、「川崎にミツトヨあり」とわかってもらえる取組みを、と、ユニフォームへロゴを掲出することを含む「グローバルトップパートナー」として1歩踏み込むことにしました。
新型コロナウイルスの影響を受け、世界経済が思わしくない状況の中で契約に踏み切ることは、大きな決断だったといいます。
山口さんは「しかしながら、このような時だからこそ同じ川崎で戦う、川崎ブレイブサンダースに活動いただくための力になれれば、と決断をしました。ミツトヨとしても新しい境地に入っていきますのでワクワクしています」といいます。

新シーズンの川崎ブレイブサンダースとの取組みでは、「地元・川崎の子どもたちに、世界への視野を広げてほしい」という思いから、地域の親子をホームゲームに招待し日本トップレベルのバスケットボールを観戦できるプログラムを実施するほか、地域の皆様がバスケットボールを通じて英語や海外を身近に感じることができる企画を検討しています。

本日お披露目された新ユニフォーム 【©KAWASKI BRAVE THUNDERS】

ミツトヨでは、今回のグローバルトップパートナー契約の発表に合わせてwebサイトをリニューアルしました。「元々は来年を予定していたのですが、グローバルトップパートナーになったというニュースが出たら、たくさんの人がwebサイトを訪れてくれるでしょう。どんな会社なのかきちんと知ってもらえるようなサイトにしておかないと、と、リニューアルを前倒しました」と、山口さん。
川崎ブレイブサンダースとのパートナーシップを、会社が変わる1つの大きなきっかけと考えているミツトヨと、「アジアNo.1クラブ」を目指すブレイブサンダースがともに踏み出す新たな1歩が始まります。
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著者プロフィール

川崎ブレイブサンダースは、1950年のクラブ創設以降70年以上にわたり川崎市をホームタウンとして活動する「B.LEAGUE」所属のプロバスケットボールクラブです。前身の東芝バスケットボール部時代を含めてリーグ優勝4回、天皇杯では2021年・2022年の連覇を達成、クラブ史上と天皇杯でクラブ史上初・5回目の優勝となる連覇を達成しました。 2021‐22シーズンにキャプテンを務めた藤井祐眞選手は3年連続のリーグ個人賞3冠を受賞、2021-22シーズンには初めてレギュラーシーズン最優秀選手賞(MVP)を受賞。2021年11月に行われた2023年W杯予選では日本代表にも選出されました。 その他篠山竜青選手、2018年に帰化したニック・ファジーカス選手をはじめ日本代表経験のある選手も在籍しています。

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