【フットサル日本代表/WEB取材】リーグ中断や外出自粛……。未曾有の困難の中、清水和也の原動力になるものとは。「守らなければいけない人ができたのはすごくモチベーションになる」

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【軍記ひろし】

5カ月ぶりに、フットサル日本代表の活動が再開された。

7月20日から25日まで、茨城県内で行われているトレーニングキャンプの代表候補メンバーに、スペインのコルドバ・パトリモニオに所属する清水和也も選ばれた。新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で清水がプレーするスペインリーグは中断。日本に帰国してからも、オンライントレーニングでしかコンディションの維持ができなかったという。

今でこそ元の状態に戻ったが、外で高い強度のトレーニングをこなせないため筋肉が衰え、脚も細くなりコンディションが下がってしまうこともあった。そんな中で代表活動が再開し、今、どんな感情を抱いているのか。6月に入籍が発表され、生涯の伴侶を得て何か意識は変わったか。

また、伊藤圭汰や石田健太郎、内田隼太といったかつてU-20日本代表でともに戦ったメンバーとA代表で再会を果たした清水は何を感じているのだろうか。

3日目の午後トレーニングを前に、オンラインで現在の若きエースの心境に迫った。

同世代の彼らと一緒に日本フットサル界を変えていきたい

──新型コロナウイルスによる異常な状況がを経て、この代表合宿を迎えていますがどんな思いですか?

全世界が新型コロナウイルスの影響で大変な中、日本に帰ってきて素晴らしい場所で合宿ができて嬉しく思います。また、この合宿の開催にあたってご協力いただいた皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。そのおかげで僕たちは何不自由なくトレーニングキャンプをできている状況で、非常に手応えも感じています。ただやはり、コロナで中断していた期間は選手としても難しい期間でした。それぞれ(練習してきた)環境も違う中で、集まったときに問題なく過ごせてすごくいいなと感じています。

──中段期間中は難しかったとのことでしたが、どんなスケジュールでどんなトレーニングをしていたのでしょうか?

僕自身、3月中旬から5月の最初まではスペインに滞在していました。ですがリーグ戦が途中から中断してしまい、外もろくに出歩けない状況の中過ごしていました。その期間、チームは体育館でのトレーニングはできずに、オンライントレーニングをして過ごしていました。そのとき、自分の体の状態や筋肉が衰えて、脚の細さを見て「今はすごく難しい状況なんだな」と噛み締めてわかった。そういったことで、個人的には心配な部分もありましたが日本に帰ってきてからはフウガドールすみだの協力もあって、しっかりとプレーできる状態に戻せた。この期間は大変な状況でしたが、自分にとってはいい期間だったとも思います。

──オンライントレーニングはフットサルに限らず多くのアスリートがするようになった。新しい感覚もあったと思いますし、モチベーションをどう保つかも難しさがあったのでは。

コロナの状況次第でしたが、いつリーグ戦が再開してもいいように体の調子を整えるための体幹トレーニングや家の中でできる筋力トレーニングをやっていました。実際、リーグが中止になって日本に帰ることになっても、代表としてのAFCフットサル選手権がいつ行われるか分からない状況下でした。そこに立てるように常にいい準備をしなければいけないと思っていたので、目標設定がぶれなかったおかげでしっかりとトレーニングができていたと思います。

──先月、入籍されたことが発表されました。そこもプラスアルファのモチベーションになっているのではないでしょうか?

1人で生活しているのと奥さんがいるのは改めて違うなと思いました。一人の人間として守らなければいけない人ができたのはすごくモチベーションになる。自分自身、フットサルで結果を残していきたいと強く思いますし、家族を守るためにも、この先も結果を残して活躍していきたいです。

──これまで最年少でしたが、若い同じ年代の選手が増えつつあります。もう一度、伊藤圭汰、石田健太郎、内田隼太選手といったU-20代表で一緒に試合に出た選手とここに来れたことの思い。そして、W杯の1年延期は若手にとってチャンスが広がっていると思いますが、その辺りはお互いに何か話していますか?

個人的な意見を言うと、再会がちょっと遅かったなと感じています。僕らはU-20(AFC U-20フットサル選手権)で優勝できなくて、ベスト8で敗退したときからA代表で再開する約束をしていましたが、自分が想像していたよりも集まるのが遅かった。各選手、あの大会で、チームで活躍して自分のポジションを勝ち取ってFリーグの中で欠かせない選手になってきたのは、結果を見ればわかる。ここで再会できたことは意味があること。自分たちは若さを前面に出して、食い込んでいきたい。下の選手も出てきたことで、自分自身もすごくモチベーションが上がっているので、彼らと一緒に日本フットサル界を変えていけるように頑張りたいと思います。

──若手でありながら若手ではないのが清水選手の立ち位置だと思います。スペインでの経験をどう日本代表に生かしていきたいと思いますか?

個人的には「ここが伸びたぞ」とは自分では感じていない。ただ、総合的に見て2年前と今を比較すると明らかに違う。そこを前面出していきたいと思っています。自分としては、チームに勢いもたらすゴールだったり、ディフェンスが求められている。まずはそこを出して、チームの勢いを出していければと思います。

──総合的な変化と言われた中でも、どういったところが変わりましたか?

日本にいた頃は、勢いで押し切っていた部分がありましたが、向こうに行ってからはちょっとした部分での変化がすごくありました。自分で行くところもそうですが、周りを使うところなど状況の見え方が変わった。最近は皆さんの前でプレーを見せられる機会がなくて自分の成長がどこまで伝わっているかわからない。ですがここからAFCに向けて、しっかりと自分のプレーを出せるように頑張っていきたい。是非、僕がメンバーに選ばれた際は僕のプレーに注目してもらいたいと思います。
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