波乱続きのハンデ戦! 函館記念を分析する

JRA-VAN
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【2020/2/2 京都10R 飛鳥ステークス 1着 3番 バイオスパーク】

今週日曜は中京競馬場で芝1600mの中京記念、函館競馬場で函館記念と、ハンデ重賞が2鞍組まれている。今回のデータde出〜たでは、函館記念をピックアップ。人気薄の激走が目立ち、近5年では昨年を除く4年で3連単10万円以上の配当が出るなど波乱傾向の強い一戦となっている。今回は2015年以降・近5年のデータから馬券的に狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

函館記念 近5年の3着以内馬一覧

■表1 【函館記念 近5年の3着以内馬一覧】

まず表1は近5年の函館記念3着以内馬一覧。勝ちタイムを見ると、重馬場で行われた17年以外はすべて2分を切る決着となっている。前半のペースにかかわらず、1分59秒台で決まっており、今年も良〜稍重ならば例年通りの時計で決着するだろう

3着以内馬の4コーナー通過順では、16年3着ツクバアズマオー以外の14頭はいずれも5番手以内につけていた。中団・後方からの差し・追い込みでは厳しい。また、上がり3ハロンも34秒台が18年1・2着の2頭のみで、13頭は35秒〜36秒台となっている。瞬発力に優れたタイプよりも逃げ・先行馬でなだれ込める持久力タイプが好走している。

最後に人気順を見ると、1番人気【1.0.0.4】、2番人気【0.0.0.5】と不振傾向にある。3番人気馬が【2.0.1.2】で連対率・複勝率でトップタイ。勝ち馬は上位5番人気以内から出ているものの、2着馬は5頭すべて7番人気以下、3着馬も4頭が7番人気以下と人気薄の激走が目立つ。毎年9番人気以下が1頭は好走しており、3連単では昨年の5万2140円以外はすべて10万円以上と波乱傾向が強い一戦だ。

函館記念 近5年の枠番別成績

■表2 【函館記念 近5年の枠番別成績】

表2は枠番別成績。内めの2〜4枠に入った馬から勝ち馬4頭が出ており、連対馬10頭中8頭を占めている。また、7枠・8枠の複勝回収率が高いことにも注目。これらの枠から3着以内に入った計3頭はいずれも7番人気以下だった。

函館記念 近5年の年齢別成績

■表3 【函館記念 近5年の年齢別成績】

表3は年齢別成績。4歳馬は勝ち馬こそ出ていないものの、複勝率33.3%と優秀だ。昨年は2・3着馬が該当しており、複勝回収率も100%を超えている。5歳馬は昨年のマイスタイルら2勝をあげ、3着以内馬も5頭と最多。出走数最多の6歳馬は17年ルミナスウォリアーら2勝も、複勝率は4・5歳馬に比べて落ちる。7歳馬は一昨年エアアンセムが勝利し、連対率では4歳馬に迫っている。なお、8歳以上からは好走馬が出ていない。

函館記念 近5年の前走レース別成績

■表4 【函館記念 近5年の前走レース別成績】

表4は前走レース別成績。エプソムC組が16年マイネルミラノ、一昨年エアアンセムと2勝をあげている。出走数が抜けて多い巴賞組は昨年マイスタイルの1勝のみで、連対率・複勝率はやや低い。他では目黒記念組、金鯱賞組が1勝ずつをあげている。

他では天皇賞・春組や日経賞組からも好走馬が出ており、これら今回距離短縮組はのべ【1.2.1.9】で複勝率30.8%と高い

巴賞組の前走着順別成績(近5年)

■表5 【巴賞組の前走着順別成績(近5年)】

表5は巴賞組の前走着順別成績。前走連対した馬がのべ9頭出走して、すべて馬券圏外に敗れている。対して、函館記念で連対した3頭はいずれも前走6着以下だった。前哨戦となる巴賞の結果がまったく直結しないことも波乱となっている大きな要因だ。

函館記念 近5年の前走からの斤量増減別成績

■表6 【函館記念 近5年の前走からの斤量増減別成績】

表6は前走からの斤量増減別成績。連対率・複勝率が最も高いのが今回斤量減となる馬で、昨年のマイスタイルら近3年続けて勝ち馬が出ており、3着以内馬も10頭と多い。昨年は1・2着馬が該当しており、近4年は毎年2頭以上3着以内に入っている。

斤量増減なしの馬は16年マイネルミラノら2勝も、近3年は3着以内馬が出ておらず、複勝率は最も低い。今回斤量増の馬は出走数こそ少ないが、近2年好走馬が出ており、複勝率22.2%と斤量減の馬に迫っている。

函館記念 近5年の前走競馬場別成績

■表7 【函館記念 近5年の前走競馬場別成績】

最後に表7は前走競馬場別成績。黄色で強調した東京・中京・京都・阪神の複勝率が高い。特に左回りの東京・中京・新潟だった馬は計【4.1.1.14】で4勝をあげており、複勝率30%と優秀だ。また、前走京都、阪神だった馬からは勝ち馬こそ出ていないものの、それぞれ1頭ずつ10番人気以下の人気薄が激走しており、複勝回収率が200%以上と高い。

今年の函館記念の出走予定馬(7/15時点)

■表8 【今年の函館記念の出走予定馬(7/15時点)】

今年の出走予定馬は表8のとおり。

上位人気が予想されるのは表の上位2頭、トーラスジェミニとレイエンダ。しかし、トーラスジェミニは苦戦傾向が続く巴賞1着馬。レイエンダは前走東京のエプソムC組は良いものの、前走から斤量据え置きは割引材料だ。

<結論>

これまでのデータから推奨したいのがバイオスパークマイネルファンロンの2頭。バイオスパークは5歳馬で、前走から斤量1キロ減。前走都大路Sは道中3番手からレースを進めて2着に入っている。未勝利から徐々に力をつけてきた馬で、前走からの上積みもありそうだ。マイネルファンロンは昨年の函館記念で2着と好走。成績にムラがある馬だが、すんなりと先行できるとしぶとい。前走は先行できずに大敗したが、一変に期待したい。

他ではベストアプローチ。前走長期休養明けの巴賞で6着。表5で示した巴賞組6着以下に該当している。一叩きした効果がありそうで、変わり身に注目。また、巴賞着外組から穴でレッドサイオン、ドゥオーモもチェックしておきたい。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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著者プロフィール

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