【新日本プロレス】大阪城決戦目前コラム!「見え見えのラスボス、二冠王・内藤哲也」
【野中大三さん】
第20回 見え見えのラスボス、二冠王・内藤哲也
【野中大三さん】
株式会社カプコンでゲームプロデューサーをしている野中です。
『NEW JAPAN CUP 2020』、めっちゃくちゃ盛り上がってますね〜!
個人的には過去最高の『NEW JAPAN CUP』だと思います!
新型コロナウイルスの影響でカード変更が多発しましたが、その結果、どのカードも瓢箪から駒とも言える好カードばかりでした。
普段見られない組み合わせが意外な激闘、意外な表情をたくさん生み出してくれました。
3ヵ月以上の空白期間を経て再開した新日本プロレスは、怒涛のスピードで我々プロレスファンのたまりにたまったプロレス欲求を爆発させてくれました。
無観客は一体どんな雰囲気なのか、正直不安がありましたが、実際観てみるといつもと変わらない新日本プロレスの風景、そしていつもより激しいファイトで期待以上に熱くさせてもらいました!
さて、次はついに有観客試合の再開、大阪城ホール2連戦です。
両日のメインイベントは以下に決定しました。
7.11大阪城ホール大会
『NEW JAPAN CUP 2020』決勝戦
オカダ・カズチカ選手 vs EVIL選手
【新日本プロレスリング株式会社】
IWGPヘビー級&IWGPインターコンチネンタル ダブル選手権
内藤哲也選手vs『NEW JAPAN CUP 2020』覇者
【新日本プロレスリング株式会社】
3月に優勝決定戦を行い、優勝した選手がリング上でどのベルトに挑戦するかを宣言し、4月にタイトルマッチが開催、というのが例年の流れでした。
挑戦する側は優勝するまでどのベルトを狙っているのかを言わず、タイトルマッチまでの準備期間も一ヶ月ありました。
今年はこの一連の流れが例年と大きく違います。
内藤選手が二冠王になったことで、狙われるのは自動的に内藤選手に絞られるのは予想できましたが、タイトルマッチが優勝決定戦の翌日というのは予想外でした。
選ぶ時間はもちろん、準備する時間すらない。それが今年のNEW JAPAN CUPからタイトルマッチへの流れなのです。
このシチュエーションをゲーム的に論ずると、「内藤選手は見え見えのラスボス」と言えます。
ゲームをプレイされる方なら経験あると思います。
そろそろゲームクリアかな、と感じるときに
「この敵が本当にラスボスなのか? この先に本当のラスボスがいるパターンじゃないのか?」
といった疑念を抱くことが多々あります。
今回の大阪城ホール2連戦はまさにこのシチュエーションであり、しかもラスボスが見え見えなのです。
オカダ選手とEVIL選手にとっては、7.11に勝てば内藤選手との二冠戦になることが確定しているので、ばっちり準備をしてくることでしょう。
迎え撃つ内藤選手はどちらが相手になるのかタイトルマッチ前日までわからない、という状況になります。
この構図だけだと内藤選手が圧倒的不利に見えますが、ぼくはそう見ていません。
内藤選手はすでに十分な準備、対策をしてこの二冠戦の臨んでいると見ています。
だからこそ内藤選手を「ラスボス」と呼んだのです。
内藤選手が今回「ラスボス」と呼ぶにふさわしいこと、それは2つあります。
1つ目は「俯瞰で見る目を持っていること」です。
【新日本プロレスリング株式会社】
ここまでは内藤選手の優勝予想がバッチリ的中なのです。
つまり、かなり綿密なシミュレーションをしていた、と言えるのではないでしょうか。
内藤選手は普段から他選手の試合のチェックをしています。他選手の試合を分析することは内藤選手の得意分野なのです。試合だけではなく試合後インタビューまでも逃さずチェックをしていることでしょう。
再開後の9大会を俯瞰で確認した内藤選手は観察、研究は十分果たせているとみるべきでしょう。
オカダ選手が来たときの戦法、EVIL選手が来たときの戦法のどちらも入念に作っていると思われます。
2つ目は開幕から「すでに“仕掛け”をはじめていること」です。
6.15の第6試合のことです。6人タッグマッチで内藤選手はYOH選手に背後からの飛び付き式前方回転DDTを仕掛けています。見たことのない新技でした。
【新日本プロレスリング株式会社】
内藤選手も進化を止めていない、『NEW JAPAN CUP』の裏でもっと手ごわくなっているぞ、というけん制なのです。しかもこのけん制を開幕前日から仕掛ける計画性が内藤選手がバッチリ準備できているという証拠と言えるでしょう。
さて、いよいよ迫ってきた大阪城ホール二連戦。最後に2本のベルトを巻いているのは、勢いに乗る挑戦者か、待ち受けるラスボス・内藤選手か?
楽しみでなりませんね。
■野中大三(のなかだいぞう)
株式会社カプコン プロデューサー
『ロックマン』シリーズ、『めがみめぐり』などゲームタイトルのプロデュースを行っている。プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに36年。
Twitter:@daizonnonaka
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