再び輝きはじめた快速ドリブラー、ビニシウス

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ビニシウス・ジュニオールはレアル・マドリー史上初めてラ・リーガ・サンタンデールでプレーした21世紀生まれの選手だ。昨季にわずか18歳で強烈なインパクトを残した彼は、再開後のラ・リーガで再び輝きを放ちはじめている。


本名はビニシウス・ジョゼ・パイション・デ・オリベイラ・ジュニオール。2000年7月にリオデジャネイロ州サンゴンサロで生まれ、10歳でリオの強豪フラメンゴに入団した。ほどなく類稀なる才能を発揮し、2015年12月のUー15南米選手権では6ゴールを挙げて優勝に貢献。16歳で出場した2017年3月のUー17南米選手権でも得点王と大会MVPに輝く活躍でブラジルにタイトルをもたらした。

この頃はもう国内外のスカウトに注目される存在となり、フラメンゴのトップチームデビューを果たしたばかりの2017年5月にはレアル・マドリー移籍が決定。その後はレンタル移籍の形でフラメンゴに残り、18歳の誕生日を迎えた2018年7月よりレアル・マドリーのプレシーズンに合流することになった。

レアル・マドリーの入団会見で、ビニシウスは次のように語っている。

「フットボーラーにとってこれ以上大きなチャンスはない。これが自分に相応しいチャンスであることを証明すべく、この身を捧げたい。自分は貧しい家庭で生まれ育った。家族が自分のためにやってきてくれたこと、教えてくれた価値観を誇りに思っている。今自分はフットボール界の頂点、レアル・マドリーにいるんだ」

昨季のアトレティコ戦でラ・リーガデビュー 【(C)LaLiga】

レアル・マドリーでのデビュー戦はプレシーズンのインターナショナルチャンピオンズカップで訪れた。マイアミで行われたマンチェスター・ユナイテッドとの一戦で、彼はそれまでクラブのレジェンド、クリスティアーノ・ロナウドの定位置だった左FWを任されている。

迎えた2018/19シーズンはトレーニングをトップチームで行いながら、週末はBチームのカスティージャで試合に出る日々が続いた。カスティージャが所属するセグンダB(3部相当)のプレー環境にはすぐに適応し、開幕からの4試合で3ゴールを記録。これを見たジュレン・ロペテギ監督はさっそく彼をトップチームに招集し、第7節アトレティコ・マドリー戦にてラ・リーガ・サンタンデールでのデビューを果たした。

ロペテギの指揮下では出場機会を増やせなかったが、サンティアゴ・ソラーリに監督が代わると立場が急変する。指揮官の初陣となったコパデルレイのメリージャ戦ではフル出場して2アシストの活躍。3日後のバジャドリー戦では途中出場から10分足らずで先制ゴールを決めた。その後もソラーリの下では左サイドのファーストチョイスとして定着したが、アヤックスに敗れたチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦で足首を負傷し、残る試合のほとんどを棒に振ってしまう。

3月1日のクラシコでは貴重な先制点を決めた 【(C)LaLiga】

正式にトップチームの一員となった今季はエデン・アザールの加入やロドリゴ・ゴエスの台頭もあり、ベンチを温める試合が増えていた。それでも3月のエル・クラシコでは持ち前のスピードを生かして左サイドを何度も切り裂き、重要な先制点を獲得。ほどなくリーグ中断を迎えたが、再開後も好調を維持してチームの快進撃を支えている。

守備意識の低さやフィニッシュの雑さなど未解決の課題も多いが、その才能に疑いの余地はない。まだまだ大きな伸びしろを残しているだけに、今後どこまで化けるか楽しみだ。

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