あの笑顔が再び 渋野日向子ー即断即決の誓い

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【LPGA】

 あれから1年が経った。今週の資生堂 アネッサ レディスオープンが新型コロナウイルス感染症のため開催中止。10日、ディフェンディンクチャンピオンの渋野日向子がリモート会見を行った。

 渋野日向子は、いつになく神妙な表情。同時にコロナウイルス感染症が1日も早く終息してほしいーという気持ちを込め、「(大会が)中止になったことは本当に残念です。でも、(開催へ向け)最後まで準備を進めてくださった関係者の皆さま、ありがとうございます。ギャラリーの皆さまにも、いいプレーをお見せしたかった」と心境を語った。

 その上で、昨年の大会を振り返る。「去年は全英女子オープン出場が決定した直後の大会。とても気持ちが前向きでした。もちろん、プレーオフの内容も鮮明に覚えている。まさか、最終日で(首位へ)追いつくとは思っていなかった。プレーオフが決まった瞬間、負ける気がしなかった。15、17番でバーディーをとって、ちょっと(流れが)来たかなぁ、という感じです」。弾みがついて、勢いをそのままに、全英女子オープン制覇を成し遂げたのだからなおさらだ。

 一方で、やはり気になるのは前週の予選落ちだろう。「プレーが終わった直後、オフがムダになったと発言しました。でも、再考したら、そんなにあせらなくてもいいかなぁと考え直している。オフの成果は、これから先に出せればいい。心を改め、また頑張ろうと思った」と前置きし、「私は間違っていないと思います。いろいろなご意見があるでしょうけど、スタンスなど大幅に変えたという意識はしていなかった。大きく変わっていたことは、アプローチのバリエーションを増やしたことで、クラブ選択に時間がかかっていたことでしょう。いろいろなクラブを試合で試したい。そんな気持ちがあった。パッと決断する私らしくない。(予選落ちでショックを受けたことは)2罰打の悔しさより、第2日のパー5で4オーバー。もっと何とかなったはずだから、後悔した」と、即断ができなかったーと、要因を分析。

 ただ、新たな一面を発見するチャンスにもつながった。「27日は寝ていようと思ったけど、朝起きた瞬間、練習に行きたい。練習です。練習はもちろん、ゴルフが好きなのでしょうね」。しみじみと話した。というわけで連日、練習を重ねている。「試合の後のラウンドではパッと状況をみて、脳裏へ浮かんだクラブを使ったら、うまくいった」。やはり、勝負に迷いは禁物だ。さらに、復活Vを遂げた渡邉彩香について、「感動しました。不調があったりして、5年ぶりですね。ライブ中継を見ながら、いろいろと考えることが多かった。鈴木愛さんも、しっかりと結果を残している。すごいと思った」という。

 そして、ギャラリーについても言及した。「全国のファンをゴルフで笑顔にできるように、私は頑張らなくてはいけませんね」と新たな誓いを立て8月20日、開幕予定の全英女子オープン(スコットランド・ロイヤルトルーンGC)挑戦へ意欲がみなぎる。「全英女子、開催してほしいと思います。やってほしい。連覇のチャンスは私だけです。去年、リンクスは自信がないとかお話したけど、今はリンクス挑戦が楽しみ。前向きです」。あの笑顔が帰ってきた。 (中山 亜子)
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