豪華メンバーが揃う宝塚記念を占う!

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【2019/1/13 京都11R 日経新春杯(G2) 1着 2番 グローリーヴェイズ】

今週は、上半期の中央競馬を締めくくる宝塚記念が行われる。今年はサートゥルナーリアらを中心にG1馬が多数エントリー。もし無事に全頭が出走できれば、同レース史上最多・G1馬8頭による戦いになる。非常に楽しみなこの大一番をデータで分析して占っていきたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年の宝塚記念で3着以内に好走した馬

■表1 【過去10年の宝塚記念で3着以内に好走した馬(2019年〜2015年)】

■表1 【過去10年の宝塚記念で3着以内に好走した馬(2014年〜2010年)】

表1は過去10年の宝塚記念で3着以内に好走した馬の一覧。2019年はリスグラシューが2番手追走から抜け出し、2着に3馬身もの差をつけて完勝した。同馬はその後、オーストラリアのG1・コックスプレートを制し、年末には有馬記念も勝利した。有馬記念は圧倒的人気を集めたアーモンドアイが9着に沈んだことも驚きだったが、リスグラシューのあまりの強さに衝撃を受けたファンも多かったことだろう。

宝塚記念はジェンティルドンナやブエナビスタといった名牝でも勝ち切れなかったレース。それだけに、16年マリアライトも含め非常に価値ある勝利だったように思う。

リスグラシューは前走クイーンエリザベス2世C(香港)に出走して3着という成績だった。同じように前走海外のレースを使っていた馬は多く、同じ年3着のスワーヴリチャードは前走ドバイシーマクラシックに出走して3着だった。海外遠征による疲れや、帰国後の調整の難しさが心配されるところだが、この点はあまり気にする必要はなさそうだ

前走JRAのレースに出走した馬に目を移すと、まず天皇賞(春)組が最も多いことがわかる。13年と14年で連覇を達成したゴールドシップら、のべ8頭が好走を果たした。ゴールドシップは前走天皇賞(春)で1番人気5着(13年)、2番人気7着(14年)と上位人気に支持されながら4着以下に敗れていた。12年1着のオルフェーヴルも前走天皇賞(春)は1番人気だったが、まさかの11着に敗れていた。このように天皇賞(春)では人気を裏切ったが、宝塚記念で巻き返すというパターンが多い。特に、過去G1レースを勝っている地力上位馬は軽視しない方がいいだろう。

前走G1組としてはヴィクトリアマイルも数が多い。今年の出走予定馬にはいないので詳しくは触れないが、もしいれば要注意だった。あとは17年にG1へ昇格した大阪杯組もチェックしておきたい。17年はサトノクラウンが優勝。19年はキセキが2着に入っており、今後も有力になるだろう。

前走G2以下のレースに出走していた馬もみていく。鳴尾記念組が4回、目黒記念組が2回、金鯱賞組が2回、そしてメトロポリタンS組が1回と合計9回好走している。マリアライト(16年)やラブリーデイ(15年)など、勝ち馬は4頭出ている。18年はノーブルマーズが12番人気で3着、13年はダノンバラードが5番人気で2着に食い込んだ。過去にG1勝利の実績がなくても、勢いや調子の良さで頑張ることもできる

今年の宝塚記念出走予定馬

■表2 【今年の宝塚記念出走予定馬】

それでは今年の宝塚記念を占っていくことにする。出走予定馬は表2の通りだ。

【結論】

G1馬が8頭エントリーしたことで、有力馬も多い印象だ。まず前走天皇賞(春)組は6頭いる。同レースで最先着を果たしたのはスティッフェリオ(2着)。しかし、過去にG1を勝っていないので続けて好走できるかは微妙なところだ。過去に菊花賞を勝利しているキセキの巻き返しの方が、期待できるかもしれない。

前走海外組はグローリーヴェイズ1頭。前走は香港ヴァーズに出走し、見事にG1初制覇を飾った。本来は春にドバイ国際競走を使う予定だった。ローテーションに大きな狂いが生じたが、データ的には有力と考えたい。

前走大阪杯組は5頭いる。まずは優勝したラッキーライラックを1番手で推奨したい。前年にエリザベス女王杯を勝利している点が大きなポイント。16年1着のマリアライトや19年1着のリスグラシューと同じパターンをイメージできる。大阪杯は僅差の2着だったクロノジェネシスも有望だろう。昨年の秋華賞に続くG1・2勝目を狙えるかもしれない。あとは大阪杯が4着以下でも、過去にG1を勝っているブラストワンピース(有馬記念)とワグネリアン(日本ダービー)は見限れない。どこまで巻き返せるかに注目だ。

前走G2以下の組で注目はやはりサートゥルナーリアになるだろう。前走金鯱賞を快勝し、大阪杯ではなく宝塚記念に照準を合わせてきた。すでにG1を2勝するなど、実績・地力ともに上位は間違いない。あとは前走新潟大賞典を勝利したトーセンスーリヤと、前走鳴尾記念3着のレッドジェニアルも一応マーク。過去10年の好走パターンを考えると、むしろ格下の馬の方が侮れない。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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