阪急ブレーブスもオリックス・ブルーウェーブも!「プレイバックORIX」で球史にふれる

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【ⓒORIX Buffaloes】

 オリックスは球団公式YouTubeチャンネル「BsTV」にて、関西テレビ協力のもと、過去のアーカイブ映像「プレイバックORIX」を配信している。公開中の内容に沿って阪急そしてオリックスの歴史を振り返ってみたい。

リーグ優勝10回、日本一3回の古豪・阪急ブレーブス

 「阪急」の創立は1936年1月23日。創始者は阪急電鉄や宝塚歌劇団と同じ小林一三氏である。1リーグ時代の阪急は41年と49年の2位が最高で優勝はならず。47年にチーム名を「阪急ブレーブス」とし、50年よりパ・リーグに加盟した。

 50年代も頂点に立つことはなく、長らくくすぶっていた阪急だったが、ついに歓喜のときが訪れる。67年、スタートダッシュに成功した阪急は、5月中旬から首位の座を守り抜き、最終的には2位の西鉄ライオンズに9.0ゲーム差をつけて球団初のパ・リーグ優勝。打線はリーグダントツの143本塁打を放ち、投手ではサブマリン・足立光宏投手が最優秀防御率1.75でMVPを獲得した。「プレイバックORIX」では、胴上げされる西本幸雄監督や、観客が客席からなだれ込んで歓喜するという今では考えられないシーン、西宮に戻ってビールかけをする選手たちが見られる。

 西本監督率いる阪急は初優勝からリーグ3連覇を成し遂げた。67年の足立投手から、米田哲也投手、長池徳二選手とMVPを3年連続で輩出し、一気に常勝軍団へ変貌。1968年の最終戦でリーグ優勝を決めるサヨナラ本塁打を放った矢野清選手の姿は「プレイバックORIX」で。

 71年からV2、さらに75年からは4連覇と黄金期に突入する。特に72年は2位の近鉄に14.0ゲーム差の独走。福本豊選手が106盗塁という当時の世界記録を打ち立て、MVPと盗塁王の二冠に輝く。そして長池徳二選手は41本で本塁打王、プロ4年目のサブマリン・山田久志投手も最多勝となる20勝を挙げた。

 74年シーズンから西本監督に代わってコーチだった上田利治監督が指揮を執る。就任時37歳だった青年監督のもと、チームは日本シリーズ3連覇、そして4年連続のリーグ優勝と隆盛を極めた。75年には広島を4勝2分で圧倒して球団創設40年目で初の日本一に輝くと、76年と77年にはこれまで日本一の壁となっていた巨人をついに倒す。

 この頃のチームは加藤秀司選手、福本選手、山田投手、通算代打本塁打27本という未だ破られぬ記録を持つ高井保弘選手など、前監督・西本氏の薫陶を受けたメンバーが実力を発揮。それに加え、ルーキーイヤーの75年に日本シリーズMVPと新人王を獲得し、剛速球で名を轟かせた山口高志投手、中日から移籍した77年に17勝6敗で最高勝率を獲得した稲葉光雄投手、75年の来日から強打で貢献した二塁手のマルカーノ選手、78年に打率.307、61盗塁を記録した簑田浩二選手といった面々も阪急ブレーブス黄金期の原動力となった。

 6年ぶり10度目のリーグ優勝を決めた84年は、投手では21勝9敗、防御率2.93の今井雄太郎投手と17勝を挙げた佐藤義則投手が牽引。そして、来日2年目のブーマー選手が打率.355、37本塁打、130打点の三冠王という見事な打ちっぷり。グラウンド外では球団マスコット「ブレービー」が81年から西宮球場に登場。ますます西宮の人たちに愛されていった阪急ブレーブスに転機が訪れる。88年10月に阪急からオリエント・リースへの球団譲渡が決まり、球団名も「オリックス・ブレーブス」へ変更された。

「がんばろうKOBE」で結束したオリックス・ブルーウェーブ

 オリックス・ブレーブスは初年度から2年連続2位に食い込み、新球団として上々の滑り出し。すると、91年シーズンよりチーム名は「オリックス・ブルーウェーブ」に、本拠地は西宮から神戸へ、マスコットもブレービーから「ネッピー」に変更。オリックス・ブルーウェーブとして再出航したチームは、94年の仰木彬監督の就任をきっかけにパ・リーグに新風を巻き起こす存在となっていく。

 「仰木マジック」は就任1年目から炸裂。シーズン順位は2位だったが、レギュラーに抜擢されたイチロー選手がプロ野球初のシーズン200安打達成、打率.385で当時のパ・リーグ新記録を樹立。あらたなスター誕生にオリックスファンの胸が高鳴った。

 ところが、1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生。「がんばろうKOBE」というスローガンをユニフォームの右袖に記した選手たちは、当初の予定通り本拠地・グリーンスタジアム神戸でシーズンを戦った。結果はオリックスとなって初めてのパ・リーグ優勝。復興の灯火となった。

 96年も3万人のファンが集結した神戸で開幕戦を迎えたオリックスは、星野伸之投手が4安打無失点の完封。藤井康雄選手の適時打による1点を守りきった。

 春先からなんとか上位に食らいついていたが、5月下旬からは2位をキープ。シーズン後半に入ると、それまで1番だったイチロー選手が3番、代わって田口壮選手が3番から1番打者を務めるようになり、順位も8月下旬に首位浮上。9月1日から7連勝し、頂点目指して突き進んだ。そして9月23日の日本ハム戦、延長戦にもつれながらも、最後はイチロー選手がサヨナラ打。2年連続優勝を大観衆が詰めかけた神戸で決めた。日本シリーズは巨人を4勝1敗で倒し、19年ぶり4度目の日本一となっている。

 「プレイバックORIX」では96年優勝シーンのほか、星野投手、ブレイザー投手、高田誠選手、藤井選手、田口選手、イチロー選手らが登場する、オリックス・ブルーウェーブ編を公開中だ。

「プレイバックORIX」で名場面を懐かしむ!

 黄金時代を鮮烈に記憶しているあなたも、あの頃の記憶が薄れつつあるあなたも、当時を全く知らないあなたも「プレイバックORIX」で温故知新。名場面を目に焼き付けてオリックスへの熱意をさらに高めてほしい。

文・菊地綾子
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