さらば、アドゥリス。アスレティックとラ・リーガのレジェンドが引退

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ラ・リーガで最もリスペクトされ、愛されたストライカーの一人が現役引退を表明。20年以上に渡り、200ゴール以上を積み重ねてきたキャリアに幕を下ろした。

今週、ビルバオとスペイン中のフットボールファンが悲しみに暮れた。アスレティック・クルブのアリツ・アドゥリスが現役引退を表明したからだ。

「残念ながら、体がここまでだと訴えてきた」

アドゥリスは5月20日、「時が来た」とSNSに綴り、医師から腰の手術を勧められたことを明かした。

39歳のベテランストライカーは、2019/20シーズン終了後にピッチを離れる意向を公言していた。だが新型コロナウイルスの感染拡大による中断により、6月の再開を目指すラ・リーガ、何より史上初のバスクダービーが実現したコパデルレイ決勝を戦わずして、体が限界を迎えてしまった。

稀有なキャリアを送ってきた彼にとって、その時は不意に訪れた。最後にプレーしたのは古巣バジャドリーを4ー1で破った3月8日。トップリーグデビューを果たした2002年9月のバルセロナ戦から、17年5ヶ月23日後のことだった。

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アドゥリスは年齢を重ねるごとに進化しきた選手だ。

サンセバスティアンで生まれ、アンティグオコ、アウレーラといったクラブを経てアスレティックの下部組織に入団。若き日の彼はトップチーム定着が叶わず3部ブルゴスから出直すことになるが、2部でゴールを量産したバジャドリーでの活躍が目に留まり、2005年12月にアスレティック復帰を果たした。

2008年には再び移籍を強いられたが、コンスタントにゴールを積み重ねたマジョルカ、バレンシアでの活躍は再びサン・マメスの扉を開いた。2012年夏、アドゥリスはクラブの価値観を具現化する選手としての評価を確立し、3度目のアスレティック入団を実現することになった。

この時既に31歳だったが、キャリアのピークはその後に訪れた。それまで2部バジャドリー時代のシーズン16ゴールが自己ベストだった彼は、以降18ゴール、18ゴール、26ゴール、37ゴール、25ゴール、20ゴールと、6シーズン連続で18ゴール以上を記録。国内外で得点王を争うストライカーに進化していった。

2015年夏、バルセロナを5ー1で破ったスーペルコパ・デ・エスパーニャでは一人で4ゴールを挙げ、クラブに30年以上も遠ざかっていたタイトルをもたらした。ホームのファーストレグでハットトリックを実現すると、カンプノウでも1ゴールを獲得。その活躍に、ビルバオの町は歓喜するファンで溢れかえった。

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大ベテランの域に達した2018年以降は怪我に苦しむようになったが、いくつもの特別なシーンを残してきた。

2018年1月のエイバル戦では、ペナルティーエリア内で倒れた直後にファウルがなかったこと自ら申し出たフェアプレー精神が評価され、ラ・リーガの月間MVPに選出。昨シーズンのバジャドリー戦では、軸足をボールの横に置いた状態から助走なしでPKを蹴り、相手GKの虚を突いた。バルセロナを1ー0で破った今季の開幕戦ではゲーム終盤に途中出場し、終了直前に芸術的なオーバヘッドキックで決勝ゴールを決めている。

アドゥリスは21世紀においてダビ・ビジャに次ぐ158ゴールを積み重ねてきたスペイン人ストライカーだ。アスレティックが誇る真のレジェンドとして、そのキャリアはラ・リーガの歴史に名を刻んできた偉大なるストライカーたちの仲間入りを果たすに相応しいものだ。

スペインとヨーロッパ、何よりビルバオのファンたちは喪失感に暮れることだろう。そして彼のことをクラブ史上有数のストライカーとしてだけでなく、自分たちと同じ一人の仲間として、いつまでも記憶に留めておくはずだ。
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