アトレティコ・マドリーが発掘した新たなブラジルの才能。デビュー1年目から輝きを放つレナン・ロディ
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まだ22歳ながら、ロディはワンダ・メトロポリターノでプレーする最初のシーズンから驚くべきパフォーマンスを見せてきた。驚くべきアスリート能力と戦術理解力、ブラジル人らしいテクニックを併せ持つ彼は、所属クラブと代表チームの双方で今後10数年に渡って足跡を残せるだけの条件を兼ね備えている。
ロディは1998年4月、サンパウロ近郊に生まれた。14歳でクリチーバへ移住し、アトレチコ・パラナエンセのユースチームに加入。当初はFWでプレーすることも多かったが、最終的には左サイドバックに落ち着き2016年10月のグレミオ戦でデビューを果たした。
ヨーロッパの主要クラブの注目を集めたのはコパ・リベルタドーレス2019における活躍で、ボリビアのホルヘ・ウィルステルマンとのアウェー戦では1ゴール1アシストを記録している。それでも同年夏のアトレティコ移籍がさほど大きく取り上げられなかったのは、同時期にポルトガルの新星ジョアン・フェリックスやイングランド代表のキーラン・トリッピアーが加入したからだろう。
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それでも復帰直後の試合ではアトレティコが獲得した理由の1つである精神的なたくましさを発揮。ラ・リーガでの初アシストを記録し、0ー2から3ー2に覆す逆転勝利の立役者となってみせた。
不運なデビューを乗り越えた後は試合を重ねるごとに存在感を増し、メンバーを刷新した今季のチームにおいて右サイドバックのトリッピアーと共に戦術上欠かせない役割を担うようになった。9月には4戦連続の完封に貢献し、チーム内の月間MVPにも選出されている。
ラ・リーガにおける初ゴールは11月に訪れた。エクトル・エレーラのスルーパスを受け、相手GKの股下を通して流し込んだグラナダ戦の先制弾だ。12月にはホームのレバンテ戦でフェリペの頭にクロスを合わせ、決勝点をアシストしている。
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彼ほど卓越したテクニック、プレービジョンやパスセンスを持つ選手がディフェンダーとしてプレーするのは珍しいことだ。だがラ・リーガではレアル・マドリーのマルセロ、セビージャとバルセロナでプレーしたダニ・アウベスといった同様のタレントを持つブラジル人サイドバックが過去10数年に渡って活躍してきた。
ロディもまた彼らのように、ラ・リーガのタイトルを何度も手にする素晴らしいキャリアを築いていくはずだ。今やアトレティコとブラジルのファンの多くがそう信じている。
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