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©法政大学体育会サッカー部

【第4回】Jリーガーが考える!大学サッカーで集客をするには…?

ブラウブリッツ秋田

今シーズンからブラウブリッツ秋田に入団した法政大学出身、ミッドフィルダーの下澤悠太です。

前回は早慶クラシコから大学サッカーに応用できそうな取り組みを明確にして、その後に大学サッカーは集客に特化した組織を作った方がいいんじゃないか?というお話しさせていただきました。今回は1.集客する試合を設定し、2.ターゲットを絞るという内容で次回から始まる具体的な施策に繋がる内容ではあると思うのでぜひ読んでみてください!

2-1集客する試合を設定する

ここまでいろいろと調べてみて、今の大学サッカーの現状を考えると全ての試合で観客動員数を増やすのはまだ難しいと考えました。その事実として大学サッカーの中でも圧倒的集客数を誇る早慶クラシコでは2018年度に17,872人もの観客を呼べることに成功していますが、普段のリーグ戦での早慶戦を観てみると私が大学サッカーに関わった4年間の中でリーグ戦行われた早慶戦2試合の平均観客動員数は1,133人なのです。この数字は大学サッカーの他の試合の観客動員数と比べると良い数字であることは間違いないのですがそれでも約16倍もの差があります。

高校サッカーでも同様で高校年代の最高峰のリーグのプレミアリーグと、高校サッカー選手権での観客動員数の違いもかなり大きいのです。先日行われた
第98回高校サッカー選手権決勝の観客動員数は56,025人でしたが、その大会で準優勝だった青森山田高校のプレミアリーグでの観客動員数の平均は全18試合で572人で、一番入った試合でも1,218人でした。

これだけ差が生まれるのはメディアによる広告といった様々な要因があるからだと思いますが、このような事実を見た時に大学サッカーもまずは一つの大会や試合に絞ることが観客を増やす上での得策だと思いました。

流れとしては以下のような感じです。

特定の大会や試合に的を絞る
⇒そこで様々な施策を仕掛けて多くの人に会場に足を運んでいただく
⇒大学サッカーに対する興味を深めてもらう
⇒また観に行きたいと思ってもらい大学サッカー全体の観客動員数の向上に繋げる

そして、個人的にはもし大会や試合を絞るのであれば全日本大学サッカー選手権(インカレ)にピックアップしてもいいのでは思っています。理由としてはその時期にプロ内定者が多くリリースされていることや人が集められそうな時期ということが挙げられます。

実際に次の章ではインカレをベースにお客さんを集める施策を書いていきたいと思いますが、1つの大会や試合に絞る時に重要な要素になってくるのが"特別感"を持たせることだと思っています。

それこそ昨年の法大が参加した天皇杯では普段の大学リーグとは違う特別な試合でした。ガンバ大阪との試合では4,905人もの方が会場に足を運んでいて、今まで西が丘で行われた試合の中でチケットが完売して会場に入ることができない人がいる光景を初めて見ました。

それだけ人が集まった理由は「そもそも天皇杯が注目されているのか」、「大学生がプロチームに勝つジャイアントキリングというドラマが観たいのか」、「普段は見れない有名なプロサッカー選手が観たくて足を運んだのか」というようなどの動機で足を運んでくれたのかは分かりませんが、少なからず普段の大学のリーグ戦でプロvs大学生という構図は絶対に観ることができない光景なので特別感があったのだと思います。また、その特別感は高校サッカー選手権や箱根駅伝の場合も同じで、高校サッカー選手権は普段の高校のリーグでは考えられないぐらいメディアに取り上げられ多くの人が会場に足を運んでいるという特別感があると思います。

普段は味わえない特別感があるからこそ人が集まるし盛り上がる。そしてその特別感を体感した人から口コミなどが広がり、また別の人が人が集まっている=何かある・価値があると感じて「たくさん人が集まってるな。高校サッカーってそんなに面白いのかな?」という興味が湧く動機にもなるだろうし、「みんな高校サッカー選手権を観に行っているな!やっぱり楽しそうだな!俺もいつか行ってみたいな!」というような足を運ぶキッカケにもなるかもしれません。つまりは特別感を作り出すことによって人が人を呼ぶ連鎖も生み出すこともできるかもしれないというわけですね。

今の時代はSNSの普及もあり、人の投稿にいいねを押すより自分が投稿した内容に「いいね」をもらいたい、バズりたいという発信するニーズが高まっていると思います。だからこそ。試合に特別感を演出することが重要だと思っていて、それができれば「面白かった!この取り組みすごい!」とお客さんが自らSNSなどを通して告知してくれる可能性が高まり、勝手に興味の輪が広がり新しいお客さんの獲得にも繋がる可能性が高いと思います。(ではどうやって特別感を演出するのか。という話は集客のパートでするのでそちらをお楽しみに)

また、事前に投稿したブログを読んでくれた兄がこういう人もいそうじゃない?ということを伝えてくれまして、それはまさに人が人を呼ぶ連鎖ではないですけど、「高校サッカーの決勝を観に行く動機の一つとして、周りの人が行ってて楽しそうだから!というように周りに流されていっている人もいるのではないか?」ということを言っていました。

実際データがないのでどれだけの人が「みんなが行ってるから俺もいきたい!」という動機で会場に足を運んでいるかは分かりませんが、1つの事実として、私の兄はラグビーには興味はなかったけど、日本代表の頑張りや周りに行っている人の影響をうけて実際に会場に足を運んだそうです。要するに少なからず一定数は周りに流されて会場に足を運ぶ人がいるかもしれないわけですね。

個人的にこの状況というのは心理学でいう、人間は多数の人が行っていることが正しいと思いがちという社会的証明というものが関係しているのかなと思っています。つまりは会場に足を運んでいる人の母数を増やすことができれば、「今日はみんな大学サッカーの試合を観に行ってるのか、俺もこの流れに乗っかって観に行ってみようかな!」とか「みんな大学サッカーの試合を1度は経験していることなのに、まだ足を運んだことがない私って変なのかな?とりあえず行ってみようかしら。」みたいな感じで周りに流されるような人が出てくるかもしれないってわけですね。

2-2 ターゲットの再設定

 

ターゲットを絞ることは集客をする上でかなり重要なことだと思っていて、ターゲットを明確に決めずに万人に向けて「試合を観に来てください!」と呼び掛けても誰の心にも刺さらず行動に起こしてくれないと思います。その事実として今の大学サッカーの観客席は空席だらけです。

また、前回も少し書きましたが「ターゲットを絞ると顧客が減ってしまう」と心配されがちですが、決してそんなことはなく、むしろ正しくターゲットを絞った方が顧客は減らずに増えていきます。さらにもう一つ重要なのがターゲットを絞っただけで終わらずにその人たちのニーズにあった取り組みをしなくてはいけないということです。

大切なのは自分たちが伝えたいことを発信するのではなく、受け手のニーズを理解して発信をすることです。そうしないと人の心は動かないしいつまで経っても足を運びたいと思わせることができない気がします。

それこそ上記で挙げた天皇杯のようにすでに認知もされ興味も持たれている特別な試合であれば、ターゲットも絞らずに「是非見に来てください!」、「応援よろしくお願いします!」という広告だけでも人は集まると思います。仮に私がサッカー部ではなかったとしても、自分の大学がJリーグのチームと戦うということになれば試合の結果はとても気になります。しかし、普段の大学サッカーはどうかというと別に特別感はないしそもそも興味すら持たれていないのが現状で、ターゲットを絞って広告を出さなければ、見向きをされない可能性がものすごく高いと思います。

広告をする時にはターゲットによって使う言葉遣いや貼る画像なども変わってくると思います。例えば、子持ちの親御さんがターゲットだった場合。「リーグ戦にお子さんと一緒にくればチケット代とグッズ全品半額になります!」というルールを作ってその文字を大きくして広告したり。高校生以下の方々をターゲットにした場合は、実は高校生以下はチケットが無料なのでその部分を全面的に押し出した広告の方がいいかなと思います。ただ、そもそも部活をやっている高校生以下の選手たちは週末は部活などで忙しいと思うので、普段のリーグ戦での高校生以下の集客はあまり期待できないと思っています。

じゃあそこでどうするかと言ったら高校生が休みの時期を狙って集客するわけですね。それがインカレの時期だと個人的には思っているんですが、個人的には改善するべきことがあると思っていて、これは2章でも少し書いたんですけど、2019年度のインカレの決勝日は12月22日だったんですね。この日はまだ部活もあるだろうし、仕事で働いている人もいてクリスマスムードで忙しいと思います。もし開催日を移動できるならクリスマス後の12月26日〜29日あたりが狙い目だと思っていて、この時期に活動している選手は選手権に出るような一握りの選手だと思いますし、私の勝手な偏見ですけどこの26〜29日あたりであればクリスマス前よりは余裕がある人が多いイメージなので、ここでターゲット別に興味性を出した広告を出したり、インカレに向けて普段の日常からファンを増やす取り組みができていればそれなりに集客は狙えるのではないかと思います。

誰を集客のターゲットにするかは各大学によるとは思いますが、個人的には前回の記事でも書いたように大学サッカーは絶対に地域貢献で勝負した方がいいと思っているので、長期的な集客を考えても地域住民の方をターゲットにした施策を継続的にやり続けていった方がいいと思っています。

ただ、くれぐれも誤解いただきたくないのが、ターゲットを絞ると聞いて「大学サッカーは20代男性をターゲットにしてその人以外は特に集めるつもりはない」みたいな方針を決めることではなく、告知に限ってはという話です。サッカーというのはエンターテイメントなので、老若男女問わず愛される可能性があるものだと思います。だからこそ、大学生だけでなく子持ちの親御さんや高齢者の方など誰でもターゲットになり得るわけです。

私が言いたいことはその時にもし高齢者の方をターゲットにするなら、高齢者の方が求めているものを理解してそれを告知に繋げていこうね!ということです。

というところで今回は、集客を行う試合を設定すること、告知の際にはターゲットをきちんと絞る重要性について述べさせていただきました。

次回はどうすれば大学サッカーを知ってもらい、興味を持ってもらうのかという内容です。私なりにいくつか施策を考えてみましたので、盛りだくさんでお届けする予定です。ぜひ次回もお読みいただければ幸いです。

【著者プロフィール】

下澤悠太(シモザワ ユウタ)
■所属:ブラウブリッツ秋田
■背番号:10
■ポジション:MF
■1997年9月4日生まれ
■170cm/68kg
■経歴 FC PROUD-柏レイソルU-18-法政大学
■2019年に天皇杯で東京ヴェルディやガンバ大阪を破った法政大学より新加入のミッドフィルダー。クラブからの期待も高く背番号10番を背負い、攻撃陣を牽引する。

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