稲葉篤紀監督特別インタビュー【第1回】「理想のチーム」で掴んだ世界一奪還

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※本記事は2020年1月に侍ジャパン公式サイトに掲載されたものです。

稲葉篤紀監督が侍ジャパントップチームを率いて3年目となった2019年。「“試す”という意味では最後の場」としたメキシコ戦を経て、「2020年東京五輪の前哨戦」として優勝を絶対目標として臨んだ11月の第2回プレミア12を見事に制した。
 新春特別インタビュー第1回となる今回は、2009年の第2回WBC以来10年ぶりとなる世界一奪還に至るまでの過程やチームの成熟、その要因などを聞いた。
――2017年に侍ジャパントップチームの監督に就任してから2年以上が経ちましたが、これまではあっという間だったでしょうか?それとも長く感じたでしょうか?
「いろんなことがありましたからね。終わってみればあっという間ですし、やっている時は長いなあと感じますし、その時々によって様々な思いがありました」

――侍ジャパンとして継続して強化活動をして、成熟を感じる部分はどのようなところでしょうか?
「プレミア12が始まるまでに、いろんな選手が私の下でユニフォームを着て戦ってくれていましたので、今回集まってくれた選手たちの気持ちというのは一つになっていました。これまで頻繁に“結束力”という言葉を使ってきましたが、そういう意味では非常に結束したチームを作れたのではないかと感じました」

――代表経験のある主力選手の働きは、どのように感じましたか?
「やはりそういった選手たちはチームの先頭に立って動いてくれました。今回は特に(坂本)勇人、キク(=菊池涼介)、マッチ(=松田宣浩)、プレミア12の大会前に負傷離脱はしましたけど、(秋山)翔吾も毎試合球場まで来てくれました。代表経験のある選手たちがチームを牽引してくれましたね。投手がどちらかというと若い、経験のあまりない選手が多かったので、その部分でも大きかったですね。捕手陣も(會澤)翼、(甲斐)拓也、コバ(=小林誠司)の3人が若い投手たちをしっかりと引っ張ってくれました」

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――若手がのびのびとプレーをできたことも優勝の要因だったように思います。
「いかに選手たちが、自らのパフォーマンスを遠慮なく発揮できるかということは、私自身が非常に気を遣ったところではあります。でも、それ以上に選手たちがそういう雰囲気を作ってくれたということですね」

――選手から自ずとそうした役割をしてくれたのですね。
「そうですね。選手それぞれが役割を分かってくれていました。当然(NPBのレギュラーシーズンよりも)コーチが少ないということも理解してくれて、選手同士でいろいろと話し合いながらチームを作っていくことは、私の理想でもありました。プレミア12ではそうしたことを選手同士がしっかりやってくれましたので、非常にチームはまとまっていました」

――そうして結束力を持って戦った結果、プレミア12の優勝が果たされ、その瞬間に涙を流されていましたが、やはり感慨深いものがあったのでしょうか?
「あれはもう、やはり日の丸を背負って戦うプレッシャーは・・・、凄いのでね。ただ、これは私ではなく、選手です。とにかく選手たちはシーズンオフにもかかわらず、侍ジャパンのために1か月集まってくれました。そんな選手を勝たせてあげたいという思いの中で、選手たちが努力している姿も見てきていましたから。そういった選手たちがこうして勝てたということに、ホッとした気持ちがありましたから、その嬉しさ、選手の頑張りに対して自然と涙が出てきました」

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