多種多様な馬が集まり、見どころが多い桜花賞を展望する
【2020/1/12 京都11R シンザン記念(G3) 1着 1番 サンクテュエール】
人気別成績
■表1 【人気別成績】
枠番別成績
■表2 【枠番別成績】
敗戦数別成績
■表3 【敗戦数別成績】
無敗馬の1着がないことを除けば、基本的には敗戦数が少ない馬ほど高い好走率を記録している。好走例があるのは4敗までで、桜花賞までに5敗以上していた馬が3着以内に入ったケースは過去10年には存在しない。
芝1600m実績の有無
■表4 【芝1600m実績の有無】
芝レース上がり1位1着実績の有無
■表5 【芝レース上がり1位1着実績の有無】
前走レース別成績
■表6 【前走レース別成績】
関東馬もチューリップ賞組が最多の好走4回を記録。なお、10年1着アパパネと13年1着アユサンの勝ち馬2頭について、チューリップ賞後は栗東トレセンに滞在して桜花賞に臨んだことを付記しておくべきだろう。また、18年1着のアーモンドアイは前走シンザン記念、19年1着のグランアレグリアは前走朝日杯FSからそれぞれ直行して制したが、これは遠征が必要な関東馬ゆえに効果的だった可能性もあるのかもしれない。ほかにクイーンC組では11年2着のホエールキャプチャ、フィリーズレビュー組では12年3着のアイムユアーズがそれぞれ唯一の好走馬。アイムユアーズも阪神JFで2着に入っているので、これは東西を問わずフィリーズレビュー組には欠かせない実績となっている。なお、関東のトライアルであるアネモネS組は東西合わせて20頭が出走も好走例はなく、表6の掲載外となった。
前走チューリップ賞出走馬・前走着順別成績
■表7 【前走チューリップ賞出走馬・前走着順別成績】
種牡馬別成績
■表8 【種牡馬別成績】
2020年桜花賞登録馬
■表9 【2020年桜花賞登録馬】
【結論】
過去2年の桜花賞馬と同様に休み明けで出走する馬から見ていこう。シンザン記念1着以来となるサンクテュエールは先輩2頭と同じ関東馬。リアアメリアは、1番人気6着と期待を裏切ってしまった阪神JF以来のローテで巻き返しを図る。両馬ともに父はディープインパクト。前者はシンザン記念、後者もアルテミスSという芝1600m重賞を上がり1位で制しており、きっちり仕上がっていれば戴冠の資格は備えていそうだ。
最有力トライアルであるチューリップ賞組では、1番人気3着のレシステンシアが捲土重来を狙っている。前走で初めて土がついたが、チューリップ賞組の関西馬は4着までなら大丈夫だし、無敗馬でなくなったことは桜花賞1着を狙ううえでは好材料になりうる。加えて、多少なりとも人気が落ちるのであれば、桜花賞で穴馬の好走が多いダイワメジャー産駒の傾向にも合う。こう考えると、前走の負けを本番で活かすことは十分に可能ではないか。
チューリップ賞1着のマルターズディオサは関東馬。過去10年に限らず、本番で勝ったことがないパターンではあるのだが、前走後も栗東トレセンに滞在しての調整が伝えられているのは前向きに考えられる材料だ。同2着のクラヴァシュドールは、チューリップ賞でちょっと負けた関西馬で、桜花賞で怖いタイプ。同6着のウーマンズハートと合わせて、このハーツクライ産駒2頭も虎視眈々と狙っている。
フィリーズレビュー組は阪神JFで掲示板に載っていたことが条件だった。今年該当するのは2着のヤマカツマーメイドで、阪神JFでは5着に入っている。いかんせん、すでに5敗を喫し、上がり1位1着の実績もない点は大きな減点材料になるが、可能性があるとすればこの馬ではないか。
クイーンCで1、2着に入ったミヤマザクラとマジックキャッスルはいずれもディープインパクト産駒で、芝1600mと上がり1位1着の実績も満たす。そして最後に、エルフィンSを圧勝して2戦2勝のデアリングタクトにも触れておきたい。表3の項で述べたように、過去10年で無敗の桜花賞馬は誕生しておらず、2、3着に入った無敗馬4頭には阪神JFかチューリップ賞で1着の実績があった。しかし、この馬はこの条件を満たしておらず、今回のデータ分析では厳しめのジャッジを下さざるをえないだろう。
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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