【フットサル】植松晃都、中島孝、刈込真人、湘南ベルマーレで引退する3人のレジェンドからのラストメッセージ

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【軍記ひろし】

湘南ベルマーレは28日、文章などを投稿できるウェブサービス「note」のクラブ公式ページを通して、植松晃都、中島孝、刈込真人の「ラストメッセージ」を掲載。今シーズン限りの引退を発表していた3選手が、ファン・サポーターなどに向けてインタビュー形式で最後の言葉を残した。

「怪我のせいにしている自分が情けなくて」(植松晃都)

3選手は、3月に開催される全日本選手権を戦う予定だったが、新型コロナウイルスの影響が広がるなかで大会は中止となり、1月のFリーグ最終節がラストマッチとなっていた。突然のシーズン終了=現役引退となったことで、ピッチ上で最後の雄志を見せる機会を失ってしまったこともあり、改めてそも思いを口にした。

現在22歳の植松は、兄の影響から4歳の頃にP.S.T.C. LONDRINAスクールに通い始めて以来、湘南ベルマーレの一員としてプレーしてきた。17歳でマークしたFリーグ最年少ゴールや、日本代表選出など、未来を嘱望された「湘南の申し子」だったが、大学卒業という節目に、現役引退を決断するにいたったという。

「もっとやりたいって気持ちもあったのは正直なところなんですが、昨シーズンから自分の思ったプレーができなくなっていて、もっと自分は出来るはずなのになっていうモヤモヤがあって、悩みつつあるときに足を痛めてしまったんですね。もともとプレーがうまくいっていないのに、怪我のせいにしている自分が情けなくて許せなくて。こんな状態でフットサルやってて良いのかと思ったのが決断した1つの要因でした」

noteのインタビューではさらに、「仕事としてのフットサルをしたくないという思いがあって、フットサルが好きだからこそ、お金を稼ぐということにはフットサルではない道を選びたかった」と続けた。

「信頼できる後輩たちに自分の枠を空ける」(中島孝)

中島は、今シーズン途中から加入したベテラン選手。バルドラール浦安のレジェンド選手でありながら、昨シーズンは育成組織に降格し、そのまま引退することを選ばず再チャレンジの場所に湘南を選んだ。22年という競技生活で培ったノウハウやメンタリティをチームに還元する姿はチームメートに大きな影響を与え、鍛代元気や奥村敬人監督も、ことあるごとに中島への感謝を口にしてきていた。

「自分の中でしっかりと覚悟を持って加入させてもらった、その覚悟というのは年齢的な部分もそうなんですが、このチームに何が残せるか、どういった形で貢献できるのかということにすごくシビアな線を引いていました。その自分で(線を)引いたチームへの貢献という部分でなかなか思うようにできなかったというのが1つ目の理由です」

もう一つの理由としてはコンディションを挙げた。「これ以上選手としての自分へ時間を投資することは、今の生活を考えると難しいと感じました。例えばもう1年やったとしてもこれ以上のコンディションが上がるかというとなかなか難しいのではないかと思って。信頼できる後輩たちに自分の枠を空けてあげることでチームにポジティブな状況を与えられるのではないかと考えついたのです」と2つの決断理由を話した。

「誤魔化し切れなくなった」(刈込真人)

刈込は、サテライトで4年、トップチームで8年間プレーした選手。昨シーズンは初めてキャプテンマークを巻いてチームを鼓舞した。静岡学園高校出身であり、テクニックには定評があった彼は「湘南のマジシャン」と呼ばれてきたが、湘南で見せる姿は、技術以上に闘志あふれるプレーが大部分をしめた。本来であれば、日本代表を狙えるポテンシャルを備えていたが、ケガに泣いた選手でもあった。

「引退を決断した大きな理由は膝です。19歳の時に前十字靭帯を断裂してしまって手術をしました。その手術の時に神経を傷つけてしまって、脳からの伝達が前よりうまくいかなくなってしまって、それが年を重ねる内にだんだんと左足の一瞬のスピードとか、瞬発力というのがここ数年で落ちていることをすごく感じていて、なんか誤魔化し切れなくなったなと。一瞬で相手を抜けていたのが、だんだんと一瞬でズラすことはできるけど、そこからもう1個いけることがなかなか無くなってきて、自分のイメージと自分のプレーが合わなくなってしまった」

長い間、左膝を常にガチガチにサポーターやテーピングで固めてプレーしてきたが、30歳という区切りで第一線から身を引くことを決めたという。

三者三様のレジェンドの引退理由と、湘南への思い。フットサルを愛するすべての人に見てもらいたい偉大なラストメッセージだ。続きは、ぜひnoteで読んでいただきたい。
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