インスタライブで練習試合や紅白戦を配信した理由。『サポーターが一番見たいのはサッカーだと思った』

水戸ホーリーホック
チーム・協会

【©︎MITOHOLLYHOCK】

サポーターが一番見たいのは何かを考えた

新型コロナウイルス拡大防止のためにJリーグは中断中ですが、この期間中、水戸ホーリーホックは積極的にSNSを利用して情報を発信し続けています。中でも新たなトライとして行っているのが、インスタグラムでのライブ配信。3月11日に行われた浦和レッズとの練習試合、そして3月22日の紅白戦をライブでの配信を実施。浦和戦は約3,000人が視聴し、2週間でフォロワーが約1,400人も増えるなど大きな反響があったそうです。

新型コロナウイルス感染拡大防止のためにリーグが中断しているだけでなく、練習も一般公開できない状況にあります。それは水戸だけでなく、全Jクラブが同じ状況。その中でもサポーターに少しでも情報を届けようと各クラブとも様々な取り組みを行っており、特にSNSを利用した情報発信に力を入れているのです。

中でも多く行われているのは選手同士でのトークやサポーターからの質問に答えるなどオフザピッチの選手の姿を配信するというもの。今までなかなか見ることのできなかった選手の表情を見せてサポーターを楽しませています。各クラブが趣向を凝らした配信を行う中、水戸の広報グループでは何を発信していくかについて、議論が行われたそうです。Twitterでアンケートを取るなどして、サポーターからの意見を聞くこともありました。

そこで広報グループは原点に戻って考え直したといいます。広報の加藤健一氏は振り返ります。「サポーターはもちろんオフの選手の姿も見たいと思います。でも、一番見たいのは何なのかを考えると、やはりサッカーを見たいんだと思ったんです」。そう考えた矢先、浦和から練習試合のインスタライブの提案があったのです。今まで未経験でしたが、「いい機会だと思った」という加藤氏はクラブ初となるインスタライブ配信を決断。そして、浦和とともにインスタで練習試合を生配信したのでした。

理解のある監督のおかげで配信を実施

そして、3月22日に紅白戦を行うという情報を聞いた加藤氏はその模様をライブ配信できないかを考えたそうです。とはいえ、練習試合や紅白戦を配信するということは、情報漏洩にもつながってしまいます。テクノロジーの進化により、分析力が高まっている現状の中、どの監督もチームの戦術や手の内がばれてしまうような情報発信は避けたいと思いがち。それゆえ、加藤氏は秋葉忠宏監督が配信を許してくれるかどうかを心配していました。

しかし、杞憂に終わりました。監督に打診してみると、二つ返事で「どうぞ、どうぞ! どんどんやってくれ」という答えが返ってきたのです。「理解のある監督のおかげです」と加藤氏は感謝の念を口にします。そして、紅白戦をインスタライブで配信することとなりました。

当日、クラブハウスのネット環境の問題で何度も配信が止まってしまうというアクシデントがありましたが、30分×2本の練習試合をすべて配信。ハーフタイムには秋葉監督が自ら出演して盛り上げ、さらに試合後には冨田大介CRCと選手たちでトークを行うなど、普段の試合中継とは異なる魅力が詰まった配信となりました。「サポーターにサッカーを見せたい」というクラブ側の思いは伝わったのではないでしょうか。

また、オフザピッチの情報については、通常のSNSやオウンドメディア「ホーリーデジタル」で日々配信中。ピッチ内外の選手たちの姿を発信して、試合を見られないサポーターの心に潤いを与えようとしています。

リーグ再開が予定されている5月2日までまだ1カ月以上の期間があります。「これからも機会があれば、インスタライブで配信していきたい」と加藤氏は意欲を示します。見通しのつかない状況が続く今だからこそできることを全力で。サッカーに飢えたサポーターを楽しませる仕掛けを続け、リーグ再開に向けて気持ちを高ぶらせていってくれることでしょう。

(佐藤拓也)
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著者プロフィール

Jリーグ所属の水戸ホーリーホックの公式アカウントです。 1994年にサッカークラブFC水戸として発足。1997年にプリマハムFC土浦と合併し、チーム名を水戸ホーリーホックと改称。2000年にJリーグ入会を果たした。ホーリーホックとは、英語で「葵」を意味。徳川御三家の一つである水戸藩の家紋(葵)から引用したもので、誰からも愛され親しまれ、そして強固な意志を持ったチームになることを目標にしている。

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