ロッテ井口監督「こんな時だからこそ明るい話題を提供できるチームでありたい」。仕切り直しも気持ちを切らさず

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【千葉ロッテマリーンズ井口資仁監督】

 マリーンズが目標としていた開幕は新型コロナウィルス感染予防の観点から延期となった。当初、予定されていた3月20日のホークス戦(PayPayドーム)が3月9日に中止が決まり、次の目安としていた4月10日のファイターズ戦(札幌ドーム)も3月23日に中止となった。現在の照準は4月24日のホークス戦(PayPayドーム)。それも未だ流動的だ。

 本来は本拠地開幕戦が行われる予定だった3月24日。ZOZOマリンスタジアムでは全体練習が行われた。雲一つない空を見て誰もが無念の想いを抱かざるを得なかった。練習前に全員が集まった。その中心で井口資仁監督が切り出した。

 「もう一回、やり直しになるけど、気持ちを入れ直そう。もう一回、開幕に向けてみんなで作り直そう。もう一回、ミニキャンプをやるようなイメージで練習に取り組んで欲しい。一年間、戦う体と体力をつけられるようにしっかりと体を動かしていこう」

 2月の石垣キャンプから3月20日の開幕に照準を絞って体を作ってきた。全員で気持ちを一つにし、超満員に膨れ上がったスタンドで最高のパフォーマンスを見せるべく努力を重ね戦術を練り上げてきた。それだけに選手たちに戸惑いはある。オープン戦はすべて無観客で行われ、球場は新型コロナウィルス対策として様々な予防策がとられるなど厳重態勢となった。そして相次ぐ開幕延期。3月28日、29日の練習は中止が決まり不要不急の外出は控え自宅待機をすることになった。桜は咲けども球春は到来しない。選手たちの苦しい胸の内を誰よりも理解しているからこそ鼓舞するように力強く言葉を並べた。

 もちろんファンサービスを大事にする指揮官はファンの気持ちも察している。だから、次のようなコメントをメディアに向けて発信した。

 「安全面を考慮しての決断ですので、仕方がないとしかいいようがありません。開幕が延期となるのは非常に残念ですが、我々は気持ちを切らさず、新たに設定されることになる開幕日に向けて備えていくだけです。こういう時だからこそプロ野球は明るい話題をファンの皆様に提供しなくてはいけないと思いますので、開幕した時には最高のパフォーマンスをお見せできるように選手、スタッフと一丸となって頑張っていきます」。

 井口監督らしいメッセージだった。

 閉塞感の漂う日々が続いている。しかし、だからこそプロ野球は、そして千葉ロッテマリーンズは明るい話題を提供しなくてはいけない。今は行えることは限られているが一番大事なのは開幕した時にファンを喜ばせる最高のパフォーマンスを見せること。そのために気持ちを切らさない。誰もいないスタジアムの中。そして自宅待機の中でもファンが応援していることを感じながら黙々と体を磨いているマリーンズ選手たち。2020年、必ず勝つ。開幕をした時にはその気持ちをグラウンド所狭しと爆発させる。

文 千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章
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