スポンサーインタビュー『互いに感動体験を生み出す企業を目指して』(後編)
【(写真提供)株式会社小野写真館】
インプレッションが10倍。「#水戸ホーリーホック」の拡散力
当社はB to Cの商売なので、特に驚いたのがSNSでの反響でした。
昨年、猛威を振るった台風19号の被災時、ホーリーホックのスポンサー契約を結んだことをただ単に報告するつもりで、私個人のTwitterでつぶやいたんです。
そしたら「こんな大変な時に、スポンサーになっていただいて有難うございます」と多くのサポーターの方がコメントしてくれて、何十リツイートといいねが付いた。個人のTwitterではそんなに反響があったのは初めてのことでした。
クラブの懐事情を重々承知していることもあるのでしょうが、感謝の言葉までいただいて、「こりゃ、やりがいあるな」と初日から感動したのです。
ホーリーホックはおらが街のクラブとして愛されていて、私達の既存のお客様の中にサポーターがたくさんいる事にも気付かされました。
当社は店舗が20あって、ソーシャルアカウントが30ぐらいあります。その店舗毎にホーリーホックのタグを使えるのですが、投稿する度にどんどん多方面へ拡散されていく。「#水戸ホーリーホック」をつけるだけで、インプレッションは以前に比べて10倍にもなりました。正直、SNSだけでも、スポンサーになった価値があると驚きました。当社はホーリーホックを200%使い倒していますね。経営者仲間にはそのような実体験を踏まえながら、ホーリーホックのスポンサーになる価値を伝えています。
金も人もない中でのジャイアントキリング。それはフロントとGMの力
最後は全て社長が責任を取る覚悟をされているから、みんなが伸び伸びとやれていると感じています。
小島は先陣を切って、ビジネスをガンガン回している。その下に専門性の高い優秀なスタッフが入ってきて、参考にしたくなる程、非常にいい組織になっている。こちらもお客様からいただいた大事な資金をホーリーホックに投資しています。ですので、注意深くクラブのことを見ていますが、「もっと早くパートナーになっておけば良かった」と思うぐらいです。
中長期で見ると、フロントの強化は非常に大きい。
今のホーリーホックの強さは、私が心から尊敬する西村卓朗GMの功績。
西村さんは元Jリーガーですから、独自セミナーの「Make Value Project(MVP)」で能力や技術の講習に比重を置くのかと思いきや、ビジョンや考え方、想い、セカンドキャリアなど、表面的でない部分まで選手に学ばせている。その点に非常に感銘を受けましたし、この会社は伸びると思いました。
GMやフロントの力はチームに必ず現れてくる。私はそこにも期待しています。
チームはガラッと変わるけれども、ホーリーホックはJクラブの中でもしっかりブランディングされている。「水戸に来れば成長する」というブランドです。
今年で言えば、横浜Fマリノスから来ている山田康太選手や山谷侑士選手、名古屋グランパスから深堀隼平選手など、将来はクラブの顔、日本代表レベルになる可能性を秘めた選手がやって来ています。
もし自分が他クラブのGMだったなら、水戸に有望選手を送っておけば、戦略的にも面白いと考えることでしょう。
活躍をして、元のクラブに帰っていってしまう選手が多いのは寂しいことですが、現状では正しいブランディング戦略。今ある経営資源の中で、最適なやり方をしている。これだけチームが変わっても、上位争いを繰り広げる。金もない、人もない中でのジャイアントキリング。それはフロントの力、GMの力です。小島は「チームには一切、口出ししない。西村GMを信頼している」と話していました。
任せたら、任せ切る。
その信頼関係も共感できる部分ですね。チームが明らかにいい方向に行っていると思います。
ホーリーホックは同士であり、ライバル。
サッカーはJ1昇格、アジアチャンピオン、世界王者とわかりやすい世界。
何故、それを目標にしたいのか。地域の皆さんが元気に明るくなって欲しい。どんな時でも誇りに思えるような存在になりたいから。だから、J1昇格したい。
そんなビジョンであって欲しいと願っています。
今はJ2クラブの中で一番低い予算ながらも上位争いを繰り広げられるようになっていますが、それではJ1に居続けられない。
J2にいるのが当たり前になっているけれども、いつ落ちてもおかしくない予算規模。15億あっても普通ではないレベルです。
いずれは30億ぐらいの予算を持って、J1に昇格して欲しいと思います。
今の戦略を10年後もやっていたら、それは成長ではない。その時に30億円の予算を組める企業になるために、ゴリゴリとビジネスをやるべきです。
J1に昇格して、鹿島アントラーズと戦うことを考えると、ワクワクするじゃないですか?
あんな70億とかあるクラブと同じ土俵でゲームをする。壮大なストーリーがありますよね。
当社も大企業を相手にチャレンジしている。お金や人がなくても、スピードや想い、ベンチャー精神があれば、きっと組み込んでいける。
もしもホーリーホックがアジアチャンピオンズリーグに行って、そのユニフォームの胸に小野写真館が入っていたら、もう死んでもいいかなって。
それには億単位の資金が必要で、今のままでは無理だけれども、それまでに成長していれば、他の夢も叶っているはずですし、そこにポンッと出せる会社になっているかもしれない。
胸スポンサーを支払える企業になっていれば、ホーリーホックと共に、もっと世の中に「感動体験」を与えられる企業になっている。
夢物語ではありますが、考えると胸が高鳴ります。
ホーリーホックは同士であり、ライバル。
小野写真館もビジネス界のJ1を目指してやっていきたいです。
株式会社小野写真館
茨城県ひたちなか市を拠点に、フォトスタジオ、ブライダル、成人振袖ショップ、結婚式場、茨城美少女図鑑などの多角的な経営ビジネスに取り組んでいる企業。
https://ono-group.jp/
(米村優子)
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