牲川歩見が見せた『1』へのこだわり
【©?MITO HOLLYHOCK】
「もったいなかった」第1節。
悔やまれるのは、なんといっても24分の失点だろう。左サイドを突破されてクロスを上げられたものの、力のないボールはGKの正面へ転がり、何事もなくセーブするかと思われた。しかし、「目の前でボールが弾んだ」ことにより、牲川歩見がまさかのファンブル。カバーに入った岸田翔平の足に当たり、ボールはゴールへと吸い込まれていった。その1点が最後まで重く響いた。
「自分のミスで失点してしまいました」
試合終了間際、ペナルティエリア内右サイドで守備の対応が緩くなった隙を突かれ、大宮の奥抜侃志にループシュートを狙われてしまった。コースを狙いすました一撃に失点の予感が漂った。だが、牲川は集中力を切らすことなく、シュートに反応。自慢のリーチの長さを生かして、シュートをはじき出してみせた。もし、先制点で気持ちを落としていたら、反応することはできなかっただろう。しかし、牲川は最後まで集中してゴールを死守し続けたのだった。
「1」にこだわった ビッグセーブ
シーズンが終わった時、「終了間際のあのセーブがあったから」と言える時が来るかもしれない。そして、痛恨のミスをしても気持ちを落とすことなくプレーし続けた牲川の不屈のメンタリティーはチームに大きな力をもたらしてくれるに違いない。牲川のこれからに期待せずにはいられない。
(佐藤拓也)
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