【フットサル日本代表/記者会見】「35分は狙いとするゲームができて、5分は自分たちが望まない展開を許してしまった」(ブルーノ・ガルシア監督)

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【軍記ひろし】

2月19日(水)、日本代表はパラグアイ代表との国際親善試合を北海道・北海きたえーるで戦い、2-3で敗戦。序盤に2点を先行される展開のなかで後半に同点に追いついたが、残り0秒、パワープレー返しからの勝ち越しゴールを許してしまった。試合後、ブルーノ・ガルシア監督が記者会見に臨んだ。

南米の強豪を相手に収穫を得られた

ブルーノ・ガルシア監督(日本代表)

──今日の試合を振り返って。

こんばんは。今日は35分間は私たちの狙いとするゲームができて、5分は、自分たちが望まない展開を許してしまいました。よくないゲームです。開始早々のところで2失点を喫してしまいました。それをすると国際経験豊かな強豪チームは許してくれません。展開が苦しくなったところから這い上がることを狙い、後半はシュート数も増えて、フットサルのスペクタクルな面や魅力的な展開、大きなチャンスを作って進めることができました。同点まで持っていき、勝ち切ろうとパワープレーを導入しましたが、それが不運な勝ち越しを許す結果となってしまいました。相手は勝利に値するチームでしたが、私たちも35分は、どんな相手であっても引けを取らない戦いができました。

──昨年の予選前後からメンバーは中軸が7、8割で構成されていると話してきました。そこからメンバーがかなり変化しています。今日の戦いも、セットの組み合わせがかなり多彩で、どちらかというと試行錯誤している印象を受けました。チーム作りはどの段階にあるか?

まずは、ゲームプランで言うと、勝利を目指しながらも、戦い方はいろんな考えがでできます。いろんなセットでリズムを変えながらやることも、古典的なセットで、絞ったメンバーで戦うこともあります。バリエーションはありえるシナリオでしたし、今回はこの形がふさわしいということで選びました。その背景には、アジア選手権の準備段階という位置づけがあります。

16名の選手がいますが、そこには清水和也も入る予定でした。彼は日程の変更などで帯同できませんでしたし、西谷良介もキャンプ中のケガで出場できない状況でした。ゲームプランはその都度、目的に応じて組んでいくものです。「段階」ということでは、16名プラス清水のなから14名がアジア選手権に行くということです。

──スペインでいい結果が出て、そこから今日の試合で加えたかったことは?

実際にスペイン遠征は、蓄積や情報など、実りあるものでした。特に清水、平田ネトアントニオマサノリ、逸見勝利ラファエルの3人が久しぶりにそろって、一緒にトレーニングをできたこと。さらに、3試合ができて、そのうち2試合はスペインリーグ1部のトップクラブとできたこと。しかも結果がともなったので、ポジティブでした。そこをさらに生かそうというのが今回のパラグアイ戦です。(W杯出場権獲得に向けた)第2フェーズと位置付けているもので、本番のアジア選手権に向けて、シンクロ、同調の強化、あるいは細かなコンビネーションの洗練。その辺を、強豪相手に高めることを考えながら臨みました。

パラグアイは、何度も話していますが、南米のW杯予選をすでに勝ち上がっているチームです。その大会で3位でしたが、優勝したアルゼンチンに準決勝で接戦しました。チラベルト監督は10年も指揮を執っていて、確固たるスタイルを築き上げています。自分も2016年のW杯で対戦して、その強さを目の当たりにしました。そのチームが、昨今の社会情勢、コロナウイルスの風評などもあるなかで来てくれたことに、感謝とリスペクトを持って迎えました。この試合で、強豪を相手にできたことともできなかったこともありますが、この後のさらなる強化のために収穫を得られました。

──延期となったアジア選手権の情報のその後は公式アナウンスされていませんが、今後の強化のスケジューリングなどはどう考えているのか。

まずはスケジュールですが、私たちが知り得ているものも同じで、ノーアイデア。全く把握できていない不明確な状況を過ごしています。話では、3月のAFCの会議で、方向性や目安が出ると聞いていますが、それをきっかけに再プランニング、新しいシナリオを描くことが最善だと思います。

延期を発表されて以来、話してきたことですが、私たちがコントロールできるものに終始、注力する。強くなるための努力、取り組みに尽きます。そのマインドをベースに、新しい情報が来たら最善を考えます。

──安藤良平はほぼ出場がなく、代わりに星龍太が出ていました。序列が変わったのか、メッセージなのか。

安藤だけではなく、今日は田口元気も出場していません。起用については、勝負に勝つための最適なものを考えているので、試合のたびに違うものです。今日は西谷がケガでしたが、GKの2名を入れて15名、その全員を使うのは非常に多いですし、ゲームを作るのが難しくなることも背景にはあります。そのなかで、出場機会を与えられなかったことは、ここで明確には話さないですが、当然の狙い、暗黙のメッセージはあります。「出場するためにどうすべきか」があると思います。起用の背景はそういうところです。勝負に勝つことを目指した結果の起用という総括ができます。
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