【サーフィン】カイ・レニー&ジャスティン・デュポンが優勝!『Nazare Tow Surfing Challenge』

チーム・協会

【© WSL/Poullenot】

ビッグウェーブサーフィンの究極の世界を世界中のWSLファンが楽しめるように大改革が行われたビッグウェーブツアー(BWT)の2019/2020シーズン

2019年12月12日に開催されたマウイ島・JAWSでの『cbdMD Jaws Big Wave Championship』はビリー・ケンパー、ペイジ・アームの二人のロコが優勝。

そして、今シーズンからジェットスキーで牽引するトーインを採用した二人一組のチーム戦となった『Nazare Tow Surfing Challenge』が現地時間2月11日に開催。

50ftはあるだろうポルトガルのナザレで6時間に渡るコンテストが行われた。

選手リスト

【PHOTO: © WSL/Masurel】

新フォーマットの『Nazare Tow Surfing Challenge』では二人のサーファーが交互にジェットスキーとサーフィンをするチーム戦となり、1時間1ヒートで各チームが3ヒート行う。

勝者の決め方も独特で、まずジャッジがビデオ審査で最大で最高の波を乗ったチームを評価。
夜に行われた授賞式でアスリート自身がジャッジと共にノミネートされたライディングを見てメンズ、ウィメンズのトップ、チームチャンピオンと特別賞をカテゴリー別に投票して勝者を決定。
通常のコンテストとスケールが格段に違い、6時間、エクスプレッション・セッションのような形式で進行するこのコンテストで公平性を図るための理想的なシステムに変更された。

参加した選手は以下の通り。

グループ A:ヒート1,3,5

1. チームオーストラリア(Yellow): Axier Muniain (EUK; Regular) Mick Corbett (AUS; Regular)
2. チームワールド(White): Sebastian Steudtner (DEU; Goofy) Maya Gabeira (BRA; Goofy)
3. チームアトランティック(Brown): Grant Baker (ZAF; Regular) João De Macedo (PRT; Goofy)
4. チームヨーロッパ(Purple): Nic von Rupp (PRT; Goofy) Francisco Porcella (ITA;Goofy)
5. チームフランス(Powder): Benjamin Sanchis (FRA; Regular) Eric Rebiere (FRA; Goofy)

グループB:ヒート2,4,6

1. チームヤングブル(Blue): Lucas Chianca (BRA; Goofy) Kai Lenny(HAW; Regular)
2. チームポルトガル(Black): Alex Botelho (PRT; Regular) Hugo Vau (PRT; Goofy)
3. チームジャスティン(Pink): Justine Dupont (FRA; Regular) surfer only/Fred David driver only
4. チームブラジル (Green): Rodrigo Koxa (BRA; Goofy) Pedro Scooby (BRA; Goofy)
5. チームイギリス (Red): Andrew Cotton (GBR; Regular) Tom Butler (GBR; Goofy)

リスクと背中合わせの戦い

ナザレでのビッグウェーブサーフィンは常にリスクと背中合わせであり、それはコンテストでも同様。

『Nazare Tow Surfing Challenge』のチャレンジの裏でポルトガルチームのアレックス・ボッテロが一時意識を失って病院送りになり、イタリアのフランシスコ・ポルセラが鼓膜を破った。
ジェットスキーも巻き込んだアレックスの事故は深刻であり、一時騒然となったが、イベント開催中に無事を確認。
誰一人命を奪われることはなかったのは、万全に整えられられたウォーターセーフティーチームの体制によるものが大きかったと言える。

参加した各チームにそれぞれレスキュー担当者を置き、更にもう一つのレスキューを用意。
ビーチや沖のボートでの医療対応の準備と予測不可能なコンディションにも対応出来るチームを構築していた。

授賞式ではこのウォーターセーフティーチームに特別賞の「Jogos Santa Casa Commitment Award」が与えられた。

【Photo: WSL】

『Nazare Tow Surfing Challenge』の新たなチャンピオンが誕生

ジャスティン・デュポン 【PHOTO:© WSL/Poullenot】

ジャスティン・デュポン 【PHOTO:© WSL/Poullenot】

ナザレがBWTイベントに加わり、今回で4度目の開催となる。

2016年はオージーのジェイミー・ミッチェル、2018年はブラジリアンのチャンボことルーカス・チアンカ、翌シーズンは南アフリカのグラント・ベーカーが優勝。

新フォーマットになった今シーズンは68ftのナザレでギネス世界記録を達成したマヤ・ガベイラ、その記録を上回る可能性があるジャスティン・デュポンの2名がウィメンズとして初めてイベントに参加。

唯一ジェットスキーのドライバーとして参加したるフレッド・デヴィッドとタッグを組んだジャスティンが巨大なレフトの波をメイクして記念すべきナザレでのウィメンズ初優勝!

「ヒートの序盤に良い波に乗れてラッキーだったし、気持ちも落ち着いたわ。本当に嬉しい。フレッドとは良いリズムだったし、波に乗り終わった後も最高のタイミングで迎えに来てくれたわ。過去一年のトレーニングが成果を上げた。最大ではなかったものの、何本かは本当に大きな波だったわね。コンテストには完璧なコンディションだった」
ジャスティン・デュポン

カイ&チャンボ 【PHOTO:© WSL/Poullenot】

カイ・レニー 【PHOTO: © WSL/Masurel】

今シーズンのナザレで最強のチームと謳われていたカイ・レニーと2018年のチャンピオン、チャンボの「Team Young Bulls」

チームでの優勝に加え、個人ではフルローテーションチョップホップや、エンドセクションでのエアーなど革新的なアプローチで圧倒したカイが優勝。
マウイ島の若き天才ウォーターマンがビッグウェーブの常識を超え、BWTでは2017年の『Puerto Escondido Challenge』以来の優勝を成し遂げた。

「ルーカスなしでこの波に乗ることは出来なかった。だから彼も優勝と同等だよ。これがトーインサーフィンの素晴らしいところ。過去数年間、パドリングのイベントで彼と争ってきたけど、ようやく仲間とチームを組んで戦うことが出来た。彼はライトの波に乗るように引っ張ってきたけど、’ウェッジ’のようになり、予想以上に大きな波になったのさ」
カイ・レニー

同じサーフィンでもオリンピックやCTとは違うビッグウェーブの世界。
命さえ簡単に奪ってしまうような大自然と人間との究極の調和。
ライブ中継を見逃した方は公式サイトでリプレイをしてみては?

執筆:THE SURF NEWS編集部
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