2020ルーキー特集 第20回 石井理緒

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 2020年シーズンが、もうすぐスタートする。とりわけ、今年1月1日からJLPGA会員になった92期生は、期待に胸をふくらませていることだろう。記録の残るツアー制度施行後の1988年以降、もっとも厳しい戦いを勝ち抜いてきただけになおさらだ。19年11月の最終プロテスト合格者は21人。総受験者数は647人で、実に30.8倍の難関だった。

石井理緒(いしい りお)2000年1月3日生まれ 新潟県出身

 最終プロテスト最終日。78の大叩き。前日までの通算5アンダーから1オーバーへと突然奈落の底にー。その後、ラインが下がり、辛うじて合格を果たす。「ほんとうに受かってよかったというのが本音です。第3日までいい感じでプレーできて、この調子だと大丈夫だなと油断してしまいました。ボギーが先行して、よくないことばかりを考えてしまった。緊張が半端なかったです」と胸をなでおろした。

 ホールアウト後にスコアを気にしていた「母の顔を見るのが辛かった」。不合格を確信し、「落ちてごめんね」と涙した。が、「母から1オーバーは、通ってるよと言われ、今度はうれし涙でいっぱいでした。前年は、かすりもしない順位だったので、泣くこともできなかった」と振り返った。

 安堵したのもつかの間、QTに挑んだが、第2日に痛恨の78。巻き返すことができず、ファーストステージ敗退が決定した。「プロテストが無事に終わって、練習ラウンドからボーっとしちゃいました。気が抜けていたかもしれません」と猛省する。

 今年の主戦場はステップ・アップ・ツアーだ。自宅のある新潟は積雪のため、シーズンオフに思い通りの練習ができないと痛感。コーチが住む香川でのトレーニングを決断した。開幕を前に「球筋をコントロールできる技術を習得したい。自分の引き出しを増やすことが第1課題」と説明する。

 一方、目標とする選手に賞金女王・鈴木愛の名を挙げ、「(鈴木さんの)練習量が半端ないです。ご自身で練習しているとおっしゃっているところがすごい。私には言えません。愛さんに近づくために、もっともっと練習をして自分が得意とするところをはっきりさせたい」と意欲を見せた。
(宮崎 善秀)
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