フェブラリーSの前哨戦! 根岸Sを分析する

JRA-VAN
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【2019/12/8 中山11R カペラステークス (G3) 1着 7番 コパノキッキング】

今週から東の開催は中山から東京へと舞台を移す。開幕週のメインは、最終日に行われるフェブラリーSの前哨戦・根岸S。ダート1400mで、東京の長い直線での追い比べが見どころとなる一戦だ。昨年はコパノキッキングが勝利している。今回は2010年以降・過去10年のデータからレース傾向ならびに馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

根岸S近10年の人気別成績

■表1 【根岸S近10年の人気別成績】

まず表1は過去10年の人気別成績。1番人気馬は17年カフジテイクら最多の3勝をあげ、連対率・複勝率は60%でトップだ。2番人気馬は昨年のコパノキッキングら2勝で、複勝率40%。以下、4番人気馬が2勝、5・6番人気馬が1勝ずつ。10番人気以下では10年グロリアスノアが11番人気で勝利している。

11年以降の近9年は上位1〜6番人気の馬が勝利しており、連対馬は1〜9番人気でおさまっている。ただし、3着には10番人気以下が4頭入っており、人気薄の激走に注意しておきたい。近5年はいずれも3連単5万円以下と、配当的には堅めの決着が続いている。

根岸S近10年の脚質別成績

■表2 【根岸S近10年の脚質別成績】

表2は脚質別成績。黄色で強調したように中団からの差し、後方からの追い込みで好走した馬が多い。差し馬は昨年のコパノキッキングら4勝をあげ、連対率・複勝率トップ。昨年は1・3着が該当しており、13年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。追い込み馬は一昨年のノンコノユメら最多の5勝をあげ、勝率トップだ。

これら中団・後方の馬で過去10年の3着以内馬30頭中23頭を占めている。逆に逃げた馬はすべて4着以下に敗れており、直線で末脚を使える馬が好走しやすいレースとなっている。

根岸S近10年出走馬の所属別成績

■表3 【根岸S近10年出走馬の所属別成績】

表3は出走馬の所属別成績。出走数が多い栗東所属の関西馬が昨年のコパノキッキングら大半の9勝をあげ、好走馬30頭中28頭までを占めている。一方、美浦所属の関東馬は一昨年のノンコノユメの1勝のみで、連対率・複勝率で関西馬に大きく差をつけられている。

根岸S近10年の前走距離別成績

■表4 【根岸S近10年の前走距離別成績】

表4は前走距離別成績。出走数が最も多い前走1200m組は11年セイクリムズン、昨年のコパノキッキングと2勝をあげているが、連対率・複勝率は低い。1200m組の約半数はカペラS組だが、前走カペラS1着だった馬は【2.1.0.1】と好成績を残している

前走1400m組は13年メイショウマシュウら3勝をあげているが、14年以降は勝ち馬が出ていない。前走1600m組は16年モーニンら3勝。この3勝はいずれも前走武蔵野Sを使われた馬によるものだった。ただし、今年は前走武蔵野Sからの出走馬はいない。

複勝率が44.4%と一際高いのが前走1800m組。一昨年のノンコノユメら2勝で、15年以降の近5年で毎年1頭は3着以内に入っている。なかでも前走チャンピオンズC組は【2.1.2.5】で連対率30%・複勝率50%と優秀だ

根岸S近10年の前走脚質別成績

■表5 【根岸S近10年の前走脚質別成績】

表5は前走脚質別成績。前走後方からの追い込みだった馬が近3年を含む5勝と勝ち切る傾向が強い。複勝率も23.7%と高く、3着以内馬9頭はいずれも前走一ケタ着順には入っていた。逆に前走逃げた馬はすべて馬券圏外に敗れている。

根岸S近10年の前走着順別成績

■表6 【根岸S近10年の前走着順別成績】

表6は前走着順別成績。黄色で強調した前走3着以内だった馬が好走馬30頭中21頭を占めている。連対率では前走1着馬の25.0%がトップだが、勝率・複勝率では前走3着馬が上回っている。勝ち馬10頭中9頭は前走4着以内に入っていた。唯一前走6着以下で勝利したのは18年ノンコノユメで、前走チャンピオンズC9着から巻き返している。

なお、前走10着以下と大敗した馬からは連対馬が出ていない。

<結論>

■表7 【根岸Sの出走予定馬(1/29現在)※フルゲート16頭。ドリュウ以下は除外対象。現時点でテーオーヘリオスとブルベアイリーデは1/2で出走。】

今年の出走予定馬は表7のとおり。

1番人気に推されそうなのが前走カペラSを勝利したコパノキッキング。昨年もカペラSからの臨戦で根岸Sを制している。今回は昨年の根岸Sでもコンビを組んだマーフィー騎手が騎乗予定。早めに抜け出した場合になにかに差される可能性はなくもないが、連対圏は外さないと見る。

相手筆頭として前走チャンピオンズCで11着と大敗したワンダーリーデルを挙げておきたい。昨年のチャンピオンズCは時計的にレベルが高く、先行馬がバテない展開で後方からでは厳しかった。前走二ケタ着順だが、勝ったクリソベリルから0秒9差とそれほど負けていない。2走前の武蔵野Sは今回も出走予定のドリームキラリが逃げる展開で、中団から差し切って好時計で快勝。チャンピオンズC組で、かつ前走後方馬ということで巻き返しに期待したい。

前走同コースの霜月Sを勝利したミッキーワイルドも実力上位だが、より追い込みが決まる馬場・展開ならばテーオージーニアスを有力馬として挙げておきたい。近走は末脚の鋭さが増しており、侮れない一頭だ。
文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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著者プロフィール

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