2020ルーキー特集 第5回 宮田成華

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【<Photo:Ken Ishii/Getty images>】

 2020年シーズンが、もうすぐスタートする。特に今年、1月1日からJLPGA会員となった92期生は、期待に胸をふくらませていることだろう。記録の残るツアー制度施行後の1988年以降、もっとも厳しい戦いを勝ち抜いてきただけになおさらだ。19年11月の最終プロテスト合格者は21人。総受験者数は647人で、実に30.8倍の難関だった。

宮田成華 1997年11月7日生まれ 東京都町田市出身

 4度目の挑戦で合格。それほど、最終プロテストが難しい証だ。「受かったときには、うれしくて泣いてしまった」。その気持ちが痛いほどわかる。一方、過去4年間を振り返り、もっとも気合が入ったのは、3度目の受験。2018年だった。

 「あの時は絶対、合格ーという気持ちでした。準備万端整え、最後は合格祈願で母と神社へ。けっこうな額を奉納してにもかかわらず、それでも、だめでした。ということで、神様はいないねって、母と話して…。神頼みをすることをやめました」と笑っている。

 自然体で臨んだ昨年。それでも、必死の4日間はこれからに生きる。19年はTP登録でLPGAツアーへ参戦。抜群の飛距離はひと際、目を引いた。中でも、大東建託・いい部屋ネットレディス15番では、何と280.50ヤードをマーク。「私が一番でした」といまだに感触が残る、両手を見ながら話した。

 「1Wが好き。恋人といってもいいぐらいです。ゴルフを始めたときから、ずっとそうだった。どれほど、ボールを曲げてしまっても嫌いになれない。クラブを振って気持ちがいい。すごく難しいとは思うけど、もっとも簡単です。だって、ターゲットが広いでしょう」と口調に熱が帯びる。そして、「これから、もっともっと飛ばしたい。クラブ、ボールがさらに進化するでしょう。300ヤードだって、夢ではありません」と将来を見据えた。

 10歳でクラブを握る。「小学校5年生。学校で配布された、無料のゴルフ体験がきっかけです」と話す。「新鮮でした。小さなボールを打つ。初めての経験です。クラブを振って、ボールが飛ぶことが純粋で、とても楽しかった。まっすぐ飛んだ時は、大はしゃぎです」と笑顔が弾けた。同時期には、クラシックバレエ、水泳、バスケットボールなどを行い、「高校生でゴルフ1本に絞った。うまく説明できないけど、自然の流れだったと思う」。要はプロゴルファーになる決意を固めたということだろう。

 今季は、「稼げるだけ稼ぎたい。あとは、勝てればいいですね。それだけかなぁ」とシンプルに考える。すべては結果が、プロフェッショナルだ。夢の300ヤードへ、インタビュー、立ち振る舞いもハキハキとしていた。好感度200%! (中山 亜子)
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