ラグビーワールドカップ2019日本大会から見えた、トップリーグや新リーグへの期待

笹川スポーツ財団
チーム・協会

【写真提供:フォート・キシモト】

大いに盛り上がったラグビーワールドカップ2019日本大会(以下、RWC2019日本大会)。笹川スポーツ財団が全国の18歳以上を対象とした調査では、試合会場、テレビ・インターネットなど、何らかの方法で試合を観た割合が約6割 (59.0%)であった。この結果からも、改めて多くの人が熱狂したことがわかる。

試合を観た人たちは、1月11日に開幕したジャパンラグビートップリーグや、日本ラグビー協会・清宮克幸副会長が目指す新リーグに、どの程度期待を持っているのか。メガスポーツイベントが国内のスポーツ活性化にもたらす影響を紹介したい。

RWC2019日本大会の観戦率

「あなたは、テレビ中継やスタジアムでの観戦など、何らかの方法で【RWC2019日本大会】の試合を観ましたか。」(複数選択可)という問いの結果は、

・「テレビやインターネットのメディアでの中継で観た」58.3%
・「試合会場で直接観た」2.2%
となっており、「(直接・間接を問わず、何らかの方法で)試合を観た」人たちは約6割 (59.0%)にのぼる。

【図表1】RWC2019日本大会の観戦状況 ※【試合会場・パブリックビューイング・スポーツバーいずれかで観た計】試合会場・パブリックビューイング・スポーツバーいずれかで観たスコア 【作成:笹川スポーツ財団】

RWC2019日本大会観戦者における、今後のラグビー試合の観戦希望率

「あなたは今後、テレビ中継やスタジアムでの観戦など、何らかの方法で国内で行われているラグビーの試合を観たいと思いますか。」(複数選択可)という問いの結果は下記となる。

・ラグビー日本代表試合を
「スタジアムや競技場で直接観戦したい」29.7%、
「テレビやインターネットのメディアでの中継で観戦したい」57.4%
・ラグビートップリーグを
「スタジアムや競技場で直接観戦したい」14.5%、
「テレビやインターネットのメディアでの中継で観戦したい」23.3%

【図表2】RWC2019日本大会観戦者における、今後のラグビー観戦希望 【作成:笹川スポーツ財団】

参考だが、RWC2019日本大会観戦者における、RWC2019開幕(2019年9月20日)以前の過去1年間のラグビー観戦状況は、

・ラグビー日本代表試合を
「競技場やグラウンドなどでの直接観戦した」1.7%
「テレビやスマートフォンで観戦した」14.0%
・ラグビートップリーグを
「競技場やグラウンドなどでの直接観戦した」1.6%
「テレビやスマートフォンで観戦した」5.6%

である。

【参考】RWC2019日本大会観戦者における、RWC2019開幕(2019年9月20日)以前の過去1年間のラグビー観戦状況 【作成:笹川スポーツ財団】

RWC2019日本大会観戦者の新リーグへの期待度

日本ラグビー協会は、代表チームの強化など今後の日本ラグビーの発展のため、現在のトップリーグ(TL)に代わる新たなリーグを2021年秋に発足する方針を決定した。それに対して、「あなたは、この新リーグについてどのようにお考えですか。」(1つ選択)という質問を設けた。RWC2019日本大会観戦者の回答は、

・「大いに期待する」が25.7%
・「ある程度期待する」が48.8%
と、「期待する」の合計は74.5%である。

【図表3】RWC2019日本大会観戦者の新リーグへの期待 【作成:笹川スポーツ財団】

トップリーグや新リーグを盛り上げるには?

【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 シニア政策オフィサー  武長 理栄 】
本調査結果より、RWC2019日本大会を試合会場やテレビなど、何らかの方法で観戦した者は6割であり、また、観戦した人の8割が今後もラグビーの試合を観戦したいと回答し、新リーグへの期待も高いことが明らかとなった。

メガイベントの国内開催が人々に与えるインパクトは大きく、加えて日本代表の快進撃により、ラグビーに対する人々の関心は確実に高まっていると言える。今後、ラグビーを気軽に観戦できる環境整備や情報発信、メディアでの試合配信の増加などが求められる。


調査概要
【調査名】
ラグビーワールドカップ2019の観戦行動と意識に関する調査
【調査目的】
ラグビーワールドカップ2019日本大会における人々の観戦行動の実態やラグビーへの意識の変化、ニーズなどを把握し、メガイベントを契機とした国内スポーツの活性化を図るための基礎資料とする。類似するメガイベントの影響を比較検討する基盤となるとともに、今後、国内外で開催される同種のメガイベントの継続的な調査が必須となる。
【調査方法】
インターネット調査
【調査対象】
全国の市区町村に在住する18〜79歳までの男女4000人(4,000サンプルが地区・都市規模別の性別・年代別人口構成比率に近似するよう割当)
【調査時期】
2019年12月28日(土)〜2020年1月5日(日)
【主な調査項目】
ラグビーワールドカップ2019日本大会の直接観戦、テレビ等での観戦、観戦した理由・きっかけ、スポーツ観戦経験、今後のトップリーグの観戦希望、過去1年間のスポーツ実施状況、印象に残った選手 他
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著者プロフィール

笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ専門のシンクタンクです。スポーツに関する研究調査、データの収集・分析・発信や、国・自治体のスポーツ政策に対する提言策定を行い、「誰でも・どこでも・いつまでも」スポーツに親しむことができる社会づくりを目指しています。

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