策はない 鈴木愛ー最終日を前に『運しだい』

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)第3日

 シーズン最終日を前に、鈴木愛は吹っ切れた表情で静かに語り始めた。賞金女王のタイトルを目指し、毎週末に喜怒哀楽が次々と到来する。「プレッシャーですか。私も多少は感じています。故障をして休んでいて正直な話、ここまで来られるとは思っていなかった。申ジエさんと、(獲得賞金額の差が)だいぶ開いていましたからね。ジエさん、渋野さんが勝って、タイトルをとると思っていた人がほとんどだったでしょう」と前置きし、「いい意味で、ここまで裏切ってこられた。今、そんな気分を味わえることが幸せ。復帰して、頑張ってきたことをホメてあげたい」。

 少し沈黙があった後、「そういったことをすべて理解し、あとは精いっぱいのプレーをして結果を待つだけかなぁ。相手がどうこうというよりも、自分でしっかりとスコアを伸ばしたい。きょうも、スコアボードを何度か見た。でも、全体をみるとあまり伸びてはいない。だから、あと1つ、2つ伸ばしたかったけど、それができなかった。とにかくハイスコアを出す。それに賭けている」。

 この日は、1番でバーディースタート。計4バーディーを奪ったが、やはり悔やまれるのは11、12番の連続ボギーだ。「パッティングのフィーリングは、それほど悪くはない。きのうもホールアウト後、エースパターを引っ張り出し、体でクラブフェースを押す練習をした。今大会は、いろいろなことを試しています。ただ、グリーンとの相性がほんの少し…。確かに、11と12番はもったいなかったとは思うけど、とにかくカップへ入らない。もったいないより、残念です。そんな感じでした」と苦悩を打ち明ける。

 ところで、ハイスコアを出す起爆剤は、いったいー。「ない」と大笑いした後に、「ショット、パッティングともに悪くはありません。だから、もうやりようがない。あす、(パッティングが)決まるか、決まらないかは運しだい」と達観した様子だ。それにしても、きょうの会見で「運」と何度、口にしたのか。苦しい時の神頼みは人一倍、努力を続けたからこそ、言えるものだ。4試合で3勝。今年最後の18ホールは笑顔で終わりたい。 (鈴木 孝之)
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