<国内男子ゴルフ>谷口徹が涙の賞金シード落ち

日本ゴルフツアー機構 (JGTO)
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【サングラスの奥も、涙なしには…】

■国内男子ゴルフ/賞金レースとシード権争い「カシオワールドオープン」(11月28日〜12月1日、高知県安芸郡芸西村・kochi黒潮カントリークラブ)」29日・予選ラウンド最終日

昨年、ツアー通算20勝目を数えた「日本プロ」は5年シードが得られる公式戦。2022年まで権利はある。シニア入り2年目の今年は、日本シニアオープンも制した。

たとえ来年以降も出場権があろうと、ほかに活躍の場を持とうと、レギュラーツアーでの賞金シードは、プロのプライド。

だが先週までの賞金ランキングは、それにも程遠い99位。今週は、ついに自身の今季最終戦で、93位タイに終わった谷口徹。
上昇の機も得られず予選落ちを喫した。
継続中の選手の中では、片山と藤田に並ぶ最長タイの22年連続の賞金シードがついに途絶えた。
報道陣に囲まれ51歳が絶句した。
「なんか、う〜ん……」と、答えて後が続かない。
両手で顔を覆い隠してうつむくこと1分近く。
やっと上げた顔から大粒の涙が幾筋も流れた。
スタッフからタオルを受け取り、目に強く押し当て、絞り出した。

「自分でなんか…こう、もっと上を目指すために、オフにやったけど、今までにないくらい、練習したけど、思った球が打てなかった。ドローだけでは戦えない。フェードも取り入れてみたけどコントロールが出来ない。一番大事なところで打てない。1年やってこれか、と…」。

飛距離を補ってもあまりあるベテランの小技の妙。
「でも今年は、グリーンに上がるまでの過程が悪すぎた。努力をしても、あまりに上手くいかなさ過ぎて。どんな選手も通ってきた道。いつかは…と思っていたけど。今年始まるまでは、そんなふうにも思ってなかった」。

若手に対抗できない歯がゆさ。
年齢からくるジレンマ。
次々誕生する台頭についていかれない。
その瞬間は、思いがけずにやってきた。
「悔しい…」。その一言に尽きる。

泣きながら、前を向いた。
「年齢がいくほど、努力をしないといけない。これで終わりじゃない」と自分に言い聞かせた。
「1年、悪かった部分をまた今年のオフに直して、来年は、誰でもみな一から始まる。自分もまた頑張りたい」。
号泣するほどに悔しい賞金シード落ちも、51歳の底知れぬ負けん気と、向上心がプロ27年のベテランを支え続ける。
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