ネバーギブアップ 申ジエの真骨頂

チーム・協会

【<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>】

LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 宮崎カントリークラブ(宮崎県)第2日

 ネバーギブアップ。これがプロフェッショナルという姿を、申ジエが示した。この日は4バーディー、2ボギーの70。ところが、右手に目を移すと痛々しい。黒のサポーター、手首にはテーピングが施されている。「朝から、ちょっと手が…」。うつむき加減に漏らす。

 1、2番で連続ボギーのスタートである。「言い訳をしたくはないけど、ちょっと違和感が出て…。でも、地元宮崎の養護施設からきょうもまた、たくさんの人が声援をおくってくださっている。2番を終わってから、ネバーギブアップと活を入れた」という。

 ゴルフはメンタルのスポーツ。万全とはいえなくても、気迫がクラブとボールへ乗り移る。3番では、5メートルのバーディーパットを決めた。その後も9、16番でバーディー。通算1オーバーで第2日を終えた。「残念なところが多かった。しかし、残りの2日間へ可能性を感じた1日です。後半、再び、右手の痛みが気になったけど、良いプレーをしたいという気持ちが、痛みを上回った。私は、コースと自分を相手に勝負を挑んでいる」と力強く言い切った。

 LPGAツアー史上初の年間平均ストローク60台を達成には、通算1オーバーでホールアウトすることが条件。賞金女王のタイトルとともに、気力は燃え上がる。「記録や、タイトルのことなど、コースへ入れば忘れてしまう。1ストロークへフォーカスするだけです」。執念の炎が全身を包んでいるかのようだ。まだ、わからない。
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