17番で一変 渋野が渋野を叱る

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

第38回大王製紙エリエールレディスオープン エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)第1日

 ワイルドに行こう。渋野日向子が原点を見つめ直した。そして、自身のスタイルを貫き、2位タイスタートを切る。根底にあるのは、怒り、ふがいなさーだった。「やっとですよね。後半、盛り返してというのは久しぶりな気がします。バウンスバックもとれた」と、晴れやかな表情だ。

 きっかけは、パー5・17番のダブルボギー。「素ダボです。本当にダブルボギーの悪霊ですよね」と、独自の表現をしている。「ティーショットが右のラフへ行ったこともあるけど、第3打をショートして、アプローチを4メートルもオーバー。もう、よくわからなかったです」という。腹の底からふがいなさに怒りがわき起こってくるのも当然か。苦笑しながら、「くそやろうでしたね。イーグルチャンスもあるところで、やらかしてしまった」と説明した。

 さらに、続ける。「全英女子オープンでやっていたような、今までのプレーがずっとできていなかった。(前週の予選落ちで)予選を通過することが当たり前ではない。よく、平常心ばかりを気にするけど、私の場合、それだけではいけないのかもしれない」。その上で、「よく攻めの気持ちで頑張るとはいってみたものの、内心では守っていたのかもしれませんね。最近、連続ボギーの時など、感情を抑えて…や、スコアを落とさないようになど、すごく多かったかもしれない。賞金女王のことばかり考えすぎていた」と、一気に本音を吐露した。

 さて、ダブルボギーの次のホールは、どうなったのか。「もう、やけくそです。だけど、バーディーがとれた。ここ何試合かとは違うなぁ。実感できた」という。その効果が、後半の5バーディーを生みだした。強気のパッティングなど、まるでつき物が落ちたかのようだ。

 「残り2試合、応援してくださる皆さんと、ギャラリーの皆さんへ良いプレーをお見せしたい。それだけです。とにかく素直な気持ちで」。これからが真骨頂を披露する時だ。顔で笑って、怒りもエネルギーへ変換することも、シンデレラの離れ業である。
(鈴木 孝之)
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