<国内男子ゴルフ>ジャンボ尾崎は今季のラストゲームも完走できず。「電撃」も匂わせ去る

日本ゴルフツアー機構 (JGTO)
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【よぎる二文字…】

■国内男子ゴルフ/「ダンロップフェニックス」(11月21日〜24日、宮崎県・フェニックスカントリークラブ)」21日・初日

生涯現役に、あれほどこだわり続けてきた72歳の意志が、揺らいでいる。
ジャンボ尾崎が今季のラストゲームで、前回の「マイナビABCチャンピオンシップ」に次ぐ、今季5度目の途中棄権。

インスタートの初日は、10番、12番でさっそくボギーが先行。14番ではトリプルボギーを叩いた。
15番からは、3つ続けてダブルボギーを打つと、直後の18番もボギーとして後半のアウトコースに入ったが、連続ボギーを打った3番ホールで腰痛を訴え、クラブハウスに引き返した。

今季は7試合に出場。だが、完走できたのは中日クラウンズとANAオープンの2試合だけだった。
66歳の13年につるやオープンで初日に62のエージシュートを達成して2位と3差の単独首位に立って決勝ラウンドに進んだ時が、最後の予選通過。

それでも「今までのモチベーションは、自分はゴルフしかないって思いと、ゴルフが大好きだという思い。その二点をもって、長い間やってこられた」。

今季最後の試合と決めてやってきた今週は、96年に大会唯一の3連覇を達成したフェニックスCC。
74年の初出場から、今年で46年連続出場を数える我が庭。
まして96年は、自身の通算100勝目に到達するなど思い出の詰まったコースでジャンボから、弱音しか出てこない。

「スポーツ選手としての体力を10としたら、今1くらいしかない。何とも言えない不甲斐なさ。ちょっと、これは難しいぞ」。

オフには強化と準備を怠らず、あれほどゴルフに全精力を注いできた選手が、「今はそれもまったく出来ない。出来ないというか、自分がこれをしなきゃいけないという気力すら薄らいできている。準備ができない限りは、どんだけしたって無理だ。ゴルフに対する情熱が、今までと大分違う」とこぼして「はぁ〜〜〜っ」と、長いため息…。

この日も多くのギャラリーを連れたが「こんなゴルフを見せたって…。今日、俺について歩いてくれた人に、入場料をお返ししたい」と、そんなことまでこぼした。

来季以降についても思案顔だ。
「相当に、出る試合をしぼって厳選して、その試合のための準備を1カ月くらいかけて…。もう最後の覚悟だが、その気力もあるかどうか。体・心・技の体がない。体がなければバラバラだもん」。

満身創痍の体と心に、ついよぎる二文字。
「電撃発表して終わりっていうことも、ありえるよ。もしかしたら、あなたたちに会うのも最後かもしれないね。長い間、ありがとうございました」。
わざと冗談めかした言葉に、岐路に立つレジェンドの逡巡が見えた。
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