女子オリンピックプレ予選:「インサイドが戦っていない」という指揮官の言葉に後半奮起した渡嘉敷来夢選手が17得点9リバウンド

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【JBA】

 マレーシアの首都クアラルンプールにて開催されている「FIBA 女子オリンピック プレ・クオリファイイング・トーナメント2019 (アジア・オセアニア) 」(以下オリンピックプレ予選)は第2戦が行われ、日本はチャイニーズ・タイペイと対戦しました。

 今年はすでに「FIBA 女子アジアカップ 2019」や日本で開催した「バスケットボール女子日本代表国際試合 三井不動産カップ2019」と、チャイニーズ・タイペイとはここまで3回対戦。今回で4度目となりました。そのため、「相手は日本のバスケットスタイルを分かっているし、日本の選手のことも分かっています」とトム・ホーバスヘッドコーチ。その言葉通り、チャイニーズ・タイペイが日本のスタイルにアジャストしてきたこともあり、試合の出だしは重い展開となりました。

 第1戦で敗れて後のないチャイニーズ・タイペイに3Pシュートで先制を許した日本は、開始約3分で本橋菜子選手の3Pシュート、その1分半後にも本橋選手がジャンプシュートを沈めるも後が続きません。それでも終盤に宮澤夕貴選手の速攻や林咲希選手の3Pシュートで逆転すると第1クォーターを6点リードで終えました。

 リードで終えたとはいえ、本来のオフェンスリズムではなかった日本。その理由をホーバスヘッドコーチは「第1クォーターはフィジカルで負けていました。インサイドでのプレーをあまりやっていなくて、ずっとボールが外にある状態。それでオフェンスバランスが悪かったです」と語りました。

本橋菜子選手 【JBA】

そしてのことに誰よりも責任を感じていたのが渡嘉敷来夢選手でした。

「もっとインサイドで体を張った方がよかったなと思います。それで外ばかりになってしまったというのは流れが悪くなってしまった一つだと思います」と渡嘉敷選手。

 それでも、ハーフタイムでの指揮官からの「インサイドが戦っていない」という言葉に奮起すると、「(第3クォーターの)ファーストプレイが自分だったこともあったし、周りもパスをいれてくれたので」と後半の出だしには渡嘉敷選手が連続でシュートを沈めます。これで日本は一気に流れをつかむと、「第3クォーターからはインサイドでもアウトサイドでも攻めたことで、そこからエンジンがかかったと思います」(ホーバスヘッドコーチ)と、第3クォーターは30‐12とチャイニーズ・タイペイを圧倒。一試合を通して「ディフェンスは良かった」とホーバスヘッドコーチが言うように、ディフェンス面では相手の得点を60点以下に抑えて最後は83―57で勝利しました。

 試合後、「もっと自分発信でボールを要求しても良かったのかなと思います。一度インサイドにボールが入ることによってディフェンスのポジション、角度とかも変えることができるので、そこは体を張らないといけないと感じました」と語ったのは渡嘉敷選手。先に挙げたように第1クォーターでの動きを悔やんではいましたが、それでも第3クォーター以降の戦いに「菜子(本橋選手)も点が取れる選手だから、そこを使えばいいと思っている自分もいました。でも、それは違うというのが今日の試合で良く分かった。それで勝てる試合もあるかもしれないけれど、それだけではない。ヘッドコーチはそういうことも伝えたかったのだと思います」ともコメントしました。

渡嘉敷来夢選手 【JBA】

 その渡嘉敷選手にとって第3戦の相手、オーストラリアは待ちに待った対戦となります。というのも、オーストラリアには203cmのエリザベス・キャンベージ選手がいるからです。キャンベージ選手はWNBAのプレーオフと重なっていたこともあり「FIBA 女子アジアカップ 2019」には出場していませんでした。日本では味わえない高さの選手と対峙することは渡嘉敷選手にとって経験値の上乗せになります。

「楽しみです。チャイニーズ・タイペイ戦のように考え過ぎず、ディフェンス面ではオーストラリアはセンター同士の裏パスが多いのでそこを守りたいです。正直失うものもはないので、当たって砕けろではないですが、何ができるのかを試合を通して知ることができれば良いと思っています。やらなかったことを後悔しないように臨みたいです」と渡嘉敷選手はオーストラリア戦に向けて力強く意気込みを語っていました。

 オーストラリアはここまで日本同様に快勝。キャンベージ選手は第2戦のインド戦では出場しませんでしたが、それも日本戦にコンディションを合わせているということ。オーストラリアは「アジアカップ」を2大会連続で日本に負けているだけにリベンジとなります。元WNBAプレーヤーなど主力をそろえてきた世界ランキング2位のチームに日本がどう戦うのか注目です。

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