Josh Hedges/Zuffa LLC/UFC

【UFC】NFLからUFCに転向、グレッグ・ハーディにキャリア最大の試練

UFC

日本時間11月10日(日)に開催されるUFCファイトナイト・モスクワのセミメインイベントで注目のヘビー級マッチ、アレクサンドル・ボルコフ(ロシア)対グレッグ・ハーディ(アメリカ)戦が行われる。

ハーディ第2章は幕を開けるのか

メインイベントでは当初、ジュニオール・ドス・サントス対ボルコフのヘビー級5回戦が予定されていたが、ドス・サントスが体調不良により急きょ欠場することとなったことを受け、試合までわずか18日と迫った中で、ハーディが志願の代打出場を果たすこととなった。

今年1月のUFCデビュー以来、NFLからUFCに転向したハーディの本当の実力を見たいというファンの声は高まっていた。これまでは、ハーディの戦歴に見合ったノンランカーとの試合が続いていたが、今回はいきなり戦績30勝7敗、ヘビー級ランキング7位のボルコフとの対戦となる。ハーディにとってキャリア最大の試練となりそうだ。

前戦は22日前に開催されたUFCファイトナイト・ボストン(10月18日)のベン・ソソリ戦だ。ハーディにとって自身初のフルラウンド判定決着にもつれ込んだ試合は、これまでの爆発的な打撃による早期決着とは違い、じっくりと攻める新たな一面を見せ、いったんはハーディのユナニマス判定勝ちが宣告された。しかし、後にマサチューセッツ州のアスレティック・コミッションが試合結果をノーコンテストに覆す。第2ラウンド終了後のラウンドインターバルに、ハーディが吸入器を使用したことが違反行為であると判断されたものだ。

ハーディはこの吸入について、コミッション係員に許可を得てから使用した持病のぜんそくの薬で、試合のパフォーマンスを改善するものではなく、事前に書面で届け出もしており、しかも吸引量は規定の許容範囲内であったと、かなり説得力のある反論をしている。しかし、ハーディが吸入器を使っている場面が中継に映し出されると、英語放送席もソーシャルメディアもハーディ非難一色になるなど、どこかNFL時代のダーティイメージが払拭(ふっしょく)されていない現状もあらわになった。

確かにハーディはUFCデビュー戦から全米テレビ中継のあるイベントのセミメインイベントに抜擢(ばってき)されるなど、一般的な新人選手に比べて優遇されている印象があり、そのことがファンの反感を呼んでいる面がある――しかもその試合ではグラウンド状態にあったアレン・クラウダーに反則のヒザ蹴りを入れて反則負けを喫しているからバツが悪い。他方で、デビューからこれほど猛威を振るい、秒殺を積み重ねる新人ヘビー級選手はハーディでなければ、もっとまっすぐなファンからの期待を集めていても不思議はない。

UFC史上で初めて、暦年で5試合目に臨むヘビー級ファイターとなるハーディは、今回の試合について次のように語っている。

「とてもエキサイトしている。いろんな要素が今回の決断に結びついた。こういうレベルの高い戦いこそ、自分が待ち望んでいたものだ。そろそろ目にものをいわせてやろうじゃないか。おしゃべりは止めて、ファイティングポーズをとって、トップランカーの殺し屋と戦ってやる」

「ハーディ第2章の始まりだ。自分がこの場所にふさわしい存在であることを、みんなに理解させることがテーマなんだ」

タイトル戦線に躍り出るか、ボルコフ再始動

2016年のUFC参戦以来、ロイ・ネルソンにユナニマス判定勝ち、ステファン・ストルーフェには第3ラウンドKO勝ち、ファブリシオ・ヴェウドゥムには第4ラウンドKO勝ちと、格上のベテランファイターを続々と踏み台にしてヘビー級戦線で急台頭してきたボルコフ。UFC 226(2018年7月)では、ダニエル・コーミエ対スティペ・ミオシッチのヘビー級タイトルマッチでいずれかの選手が負傷欠場した場合に備えて待機するほど、タイトル挑戦に肉薄していたが、前回のUFC 229(2018年10月)では試合全般を押し気味に進めながらも、ラスト11秒でデリック・ルイスに大逆転の一発をもらってKO負けを喫してしまった。

今年4月のサンクトペテルグブルグに組まれていたアリスター・オーフレイム戦を体調不良により欠場したボルコフにとって、今回が13カ月ぶりの復帰戦となる。ここでがっちり白星を取り戻し、2020年には快進撃を再開したいところだ。

フェザー級新世代の旗手は誰だ?

UFCファイトナイト・モスクワのメインイベントでは、ザビット・マゴメドシャリポフ(ロシア、ランキング5位)対カルヴィン・ケーター(アメリカ、ランキング11位)のフェザー級戦が行われる。

この試合はもともと、10月開催のUFCファイトナイト・ボストンで組まれていたが、マゴメドシャリポフの負傷によりモスクワのイベントに延期されたものだ。ボストンならケーターの地元だったところ、試合の延期によりホームアドバンテージはマゴメドシャリポフに移ったと見てよさそうだ。

マゴメドシャリポフはUFC参戦以来、未来のタイトルコンテンダーとして嘱望されてきた存在だ。期待通りに5連勝(うち3勝が一本勝ち、ポストファイトボーナス3度受賞)を飾り、特に前回は3月に難敵ジェレミー・スティーブンスに勝利、ランキングを一気に5位まで上げてきた。現在はアメリカ・ニュージャージー州を拠点に、フランキー・エドガーやマルロン・モラエスと同じジムで練習を積んでいる。

対するケーターはUFC戦績4勝1敗(MMA戦績20勝3敗)。アンドレ・フィリ、シェーン・ブルゴス、リカルド・ラマスら格上から白星を奪い、こちらもランキング11位にまで上昇してきている。派手な動きや必殺技があるわけではないが、基本に忠実な戦いで勝ちきることができる実力者だ。試合延期によりアウェーでの戦いを強いられるものの、「入場時にはブーイングをもらうのだろうが、退場時には声援を浴びるような試合を見せてやる」と強い気持ちで敵地に臨む。

フェザー級ではラマス、エドガー、スティーブンスといったベテラン勢がまだまだ元気だが、これに対抗して、ケーター、マゴメドシャリポフ、ヘナト・モイカノ、ブルゴスといった新世代の選手の台頭が著しい。今回の試合はさしずめ、新世代の旗手を決める戦いになりそうだ。

なお試合直前の試合順変更となったため、マゴメドシャリポフ対ケーター戦はメインイベントにもかかわらず3ラウンド戦として行われる。

【文 高橋テツヤ】

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