【サーフィン】五十嵐カノアが3位、イタロが優勝!タイトルレースは最終戦へ『MEO リップカールプロポルトガル』

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【© WSL/Poullenot】

ガブリエル・メディナとカイオ・イベリのインターフェア問題で嫌な空気が流れ、SNSでの炎上もあった今年のポルトガル戦だったが、ガブリエルはカリフォルニア・ハンティントンビーチで10月26日から開催される『2019 VISSLA ISA World Junior Surfing Championship』のブラジル代表のサポーターを務めるために早々と会場を去り、インターフェア問題から6日間レイデイが続いたことも「熱しやすく冷めやすい」SNSの良い冷却期間になった。
更にWSLが異例の解説動画を公表、再開されてファイナルデイとなった現地時間10月26日のパフォーマンスが強烈だったこともあり、この問題について再度議論されることはなかった。

イタロが爆発!カレントリーダーの座をガブリエルから奪う!

PHOTO: © WSL/Poullenot 【THE SURF NEWS】

CTのトップ34のメンバーで一度勢いに乗ると誰にも止められない選手の一人、ブラジリアンのイタロ・フェレイラ。

宮崎県木崎浜での『ISAワールドサーフィンゲームス』で奇跡の金メダル獲得劇を披露した彼がフランスでジェレミー・フローレスに大敗したリベンジを果たすべく、ファイナルデイはスイッチが入り、まずはジャック・フリーストーンとのQF、エアー合戦を制してSF進出。

カイオ・イベリとのブラジリアン対決は危なかったが、僅差で勝ち上がり、タイトルコンテンダーの一人、ジョーディ・スミスとのファイナルでは一本目で信じられないようなバックハンドのフルローテーションを着地まで完璧に決めてパーフェクト10。

こうなるとイタロ劇場をジョーディに止めることは出来ず、最後まで主役らしい演技で満員のペニシェ「Supertubos」を熱狂させて閉幕。
イタロはシーズン2勝目で4位から一気にカレントリーダーの座をガブリエルから奪い、最終戦のハワイではイエロージャージを着用することになる。

「2連勝出来て本当に嬉しい!最高の気持ちさ。ここにいる全員におめでとうと言いたい。素晴らしいイベントだったよね。この数ヶ月は特別だった。自分にとってもチームにとっても最高にね。あのエアーは凄かっただろ。着地出来て良かったよ。ジョーディは最高のコンペティター。そんな彼とのヒートも特別だった。ハワイが楽しみだね。まだ少し学ぶことがあるけど、これでタイトルレースはオープンになった。挑戦してみるよ!」
イタロ・フェレイラ

イタロの10ポイントライド PHOTO: © WSL/Masurel 【THE SURF NEWS】

タイトルレースは最終戦に持ち越し

ガブリエル・メディナ、フィリッペ・トレド、ジョーディ・スミス、イタロ・フェレイラ、コロへ・アンディーノの5名によるタイトルレースは早ければポルトガルで勝負がつく可能性があったが、R4(Round of 16)でガブリエルが敗退した時点でタイトルレースは最終戦に持ち越しが決定。

フランス戦を終了した時点で5,000ポイント以上あったトップから4位までの差がポルトガル戦終了後は2,000ポイント以内に縮まった。

最終戦でもタイトルコンテンダーのメンバーは変わらず、シナリオは以下の通り。

トップのイタロは優勝すれば他の選手の結果に関わらずタイトルを獲得。

もし、イタロが2位の場合、ガブリエルとフィリッペが阻止するには優勝が必要。

もし、イタロが3位の場合、ガブリエルは2位、フィリッペとジョーディは優勝で阻止することが出来る。

もし、イタロが5位の場合、ガブリエルは3位、フィリッペは2位、ジョーディは優勝で阻止することが出来る。

もし、イタロが9位の場合、ガブリエルは5位、フィリッペは3位、ジョーディは2位、コロへは優勝で阻止することが出来る。

もし、イタロが17位か33位の場合、ガブリエルとフィリッペは9位、ジョーディは5位、コロへは2位で阻止することが出来る。

五十嵐カノアは3位でランキング6位をキープ

フランスでは今シーズン2度目の17位と残念な結果に終わった五十嵐カノアだったが、ポルトガルでは親友のレオナルド・フィオラヴァンティ、尊敬するケリー・スレーター、宿敵のフィリッペ・トレドを倒して今シーズン初の3位。
キャリア最高のランキング6位をキープして得意のパイプラインへ向かう。

五十嵐カノア PHOTO: © WSL/Poullenot 【THE SURF NEWS】

ウィメンズは17歳のキャロラインがキャリア2勝目

PHOTO: © WSL/Poullenot 【THE SURF NEWS】

昨年までウィメンズのポルトガル戦は首都リスボン近郊のカスカイスで開催されていたが、今年からペニシェ「Supertubos」でメンズとの併催に。
フィジー、J-Bayと次々に会場が平等化され、賞金さえも同額となった世界トップのサーフィンコンテストの流れ。
ここに来年から日本の都筑有夢路が加わる可能性があることを考えるとワクワクしてしまう。

ウィメンズのタイトルコンテンダーはカリッサ・ムーア、レイキー・ピーターソン、サリー・フィッツギボンズ、キャロライン・マークスの4名。
カリッサのみポルトガルでのタイトル確定のチャンスがあったが、ランキング2位のレイキーがR3(Round of 16)を勝ち上がった時点でタイトルレースは最終戦のホノルアベイに持ち越されることになった。

SFではカリッサ、レイキーの直接対決があり、レイキーが勝利。
ファイナルでは同じマイク・パーソンズがコーチのキャロラインとレイキーが始めてファイナルで顔を合わせ、キャロラインがトレードマークのバックハンドハックでスコアを重ねて勝利。

「マイク(パーソン)と仕事を始めてからレイキーとファイナルで対戦出来たら夢のようねと話していたの。それが実現して最高だったわ。レイキーのおかげで今の私がいるようなものなの。だからすごい感謝しているわ。とても面白いファイナルだった。本当に信じられないような人生最高の一年よ」
キャロライン・マークス

今回の結果により、サリーはタイトルレースから脱落。
最終戦のホノルアベイでのタイトルのシナリオは以下。

タイトルの可能性があるのは、カリッサ、レイキー、キャロラインの3名。

トップのカリッッサは優勝すれば他の選手の結果に関わらずタイトルを獲得。

もし、カリッサが2位の場合、レイキーは優勝すれば阻止出来る。

もし、カリッサが3位の場合、レイキーは2位、キャロラインは優勝で阻止出来る。

もし、カリッサが5位以下の場合、レイキーは3位、キャロラインは2位で阻止出来る。

レイキー・ピーターソン PHOTO: © WSL/Masurel 【THE SURF NEWS】

2020年東京オリンピックの枠が更に埋まる

PHOTO: © WSL 【THE SURF NEWS】

東京2020オリンピックの選手選考の優先順位で一番目となる2019年CTランキング。

フランス戦ではジョーディ・スミス、サリー・フィッツギボンズ、ステファニー・ギルモアの3名がCT枠から選出。

今回のポルトガル戦では新たに日本代表の五十嵐カノアを始め、ジェレミー・フローレスがフランス代表、コロへ・アンディーノがアメリカ代表に決定。
ウィメンズではタティアナ・ウェストン・ウェブがブラジル代表、ジョアン・ディファイがフランス代表に選ばれた。

これでメンズ、ウィメンズ共に4枠、合計8枠が埋まった。
残りはメンズが6枠、ウィメンズが4枠。

メンズではブラジル代表、アメリカ代表。ウィメンズではアメリカ代表が僅差の争いになっている。

ワールドタイトル、2020年東京オリンピックのCTでの枠が全て決まる最終戦はハワイが舞台。
メンズはオアフ島のパイプラインで12月8日〜20日に開催される『Billabong Pipe Masters』
ウィメンズはマウイ島のホノルアベイで11月25日〜12月6日に開催される『Hawaii Pro』

CT第10戦『MEO リップカールプロポルトガル』結果

メンズ
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 ジョーディ・スミス(ZAF)
3位 五十嵐カノア(JPN)、カイオ・イベリ(BRA)
5位 コロへ・アンディーノ(USA)、フィリッペ・トレド(BRA)、ピーターソン・クリサント(BRA)、ジャック・フリーストーン(AUS)

ウィメンズ
1位 キャロライン・マークス(USA)
2位 レイキー・ピーターソン(USA)
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、カリッサ・ムーア(HAW)
5位 ステファニー・ギルモア(AUS)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)、ニッキ・ヴァン・ダイク(AUS)

2019 Men’s Championship Tour 『MEO リップカールプロポルトガル』終了後のランキング
1位 イタロ・フェレイラ(BRA) 51,070pt
2位 ガブリエル・メディナ(BRA) 50,005pt
3位 ジョーディ・スミス(ZAF) 49,985pt
4位 フィリッペ・トレド(BRA) 49,145pt
5位 コロへ・アンディーノ(USA) 44,665pt

2019 Women’s Championship Tour 『MEO リップカールプロポルトガル』終了後のランキング
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 58,600pt
2位 レイキー・ピーターソン(USA) 55,125pt
3位 キャロライン・マークス(USA) 53,410pt
4位 サリー・フィッツギボンズ(AUS) 48,950pt
5位 ステファニー・ギルモア(AUS) 44,555pt
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