稲見萌寧 63は完全Vへの布石

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 LPGAツアー第33戦『富士通レディース 2019』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)が10月18日、千葉県千葉市・東急セブンハンドレッドクラブ(6,675ヤード/パー72)で開幕した。首位は9アンダーの稲見萌寧。7アンダーで三ヶ島かなが、2位につけた。5アンダー、3位はささきしょうこ、高橋彩華など6人。(天候:曇り時々雨 気温:19.6℃ 風速:3.0m/s)

 よみがえる闘争心。稲見萌寧がアッと驚く63をマークした。「自己ベストタイ。2度目です。一昨年に出しました。試合ではベストスコアです」という。9バーディー、ノーボギーの内容は、「数字ではすごく良いものです。でも、100%ではない。80%ぐらいかなぁと思います」と分析。圧巻は、5番で11メートルのバーディーパットを見事、決めたことだろう。

 一方、チャンスばかりではなかった。長い1日、良い流れを途切れさせなかったのは、やはりピンチをしのいだからだ。印象に残るのは8番。左バンカーから、ピン1メートルへ寄せるリカバリーは、気迫にあふれる。後半も11、14、16番を1パットで切り抜けた。

 今季、プロ2年目。第90期生といえば、渋野日向子が代表だが、QTランキング103位の稲見は第1回リランキングで、はい上がった努力の選手だ。そして、若さに、勢いが加わり、7月のセンチュリー21レディスゴルフトーナメントで、念願のLPGAツアー初優勝を飾った。

 「優勝した後、数週間は調子も良かったけど、シード権など来年のことが決まったら、少しだけ安心したのかもしれない。ティーショットの精度が悪くなり、うまくスコアがつくれなくなった。それだけに、自信もなくなってきて…」と振り返る。加えて、日本女子オープンでは、胃腸炎のために途中棄権した。

 「食あたりだと思う。熱が出て、自宅で安静にしていた」と苦笑する。ただし、前週から、大きく変えたことがあった。「自分で最近、安心しているなぁと感じて、コーチへ質問したら、甘いよ−といわれ、目標は2勝目とも…」と明かす。というわけで、前週から、「闘争心をむき出しでプレーしようと誓った。休みなしで最終戦まですべて出場します」と原点回帰である。

 2位には2打差のアドバンテージ。「1勝目は最後まで、勝負の行方がわからなかった。ということで、次は最初から最後までストレートで行きたい」と気迫がこもる。パーフェクトVを予告した。  (宮崎 善秀)
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