黄アルム 気配り、心配りの今季初V

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 台風19号の影響で27ホールへ競技が短縮された、LPGAツアー第32戦『スタンレーレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が10月13日、静岡県裾野市・東名カントリークラブ(6,572ヤード/パー72)で行われ、通算8アンダーで黄アルムが今季初優勝。2位タイは通算6アンダーのアマチュア、星川ひなの、武尾咲希、篠原まりあ、菊地絵理香が入った。渋野日向子は通算5アンダー、6位タイ。(天候:晴れ 気温:31.6℃ 風速:3.7m/s)

 台風19号が過ぎ去り、コースは何ごともなかったような静寂を取り戻した。ただ、黄アルムにとって、9ホールの短期決戦は決して楽な勝負ではない。スタート時、2打のアドバンテージを脳裏から払しょく。「1打のミスも許されない。朝から手が震えて、緊張していたけど、本当に頑張って決めた」と振り返ったのは10番、2.5メートルのパーセーブである。

 その後も、必死のパーセーブが続く。だが、一度も首位に並ばれることはなかった。そして、15番でチャンスが到来。残り108ヤードの第2打を、48度で2メートルにつける。冷静にバーディーパットをカップインさせた。「ピンのすぐ後ろに、ボールが落ちたのが見えた。いい感じのショット。あの時、気持ちに余裕ができました」という。結果だけみれば、危なげがなかったと感じるが、やはり優勝を勝ち取ることは苦難の連続である。

 表彰式で、「朝早くから、大変な復旧作業だったと思います。コース管理の皆様のご尽力に感謝したい。スタッフの皆様、本当にありがとうございました」と流暢な日本語で感謝のメッセージを伝えた。ギャラリーの姿はなかったものの、盛大な拍手で祝福され、素晴らしいセレモニー。

 「まさか、優勝できるとは思っていなかった。緊張すると、いつもダダっと崩れてしまうから…。おかげで、ようやくいいイメージを取り戻すことができました。また、晴れのLPGAアワードへ出席したかったし、すごくうれしい」と、深々と頭を下げた。

 次週17日、富士通レディースの会場で、32歳の誕生日を迎える。「優勝した翌週、結果を残すことがプロとして大事なことです。決して楽ではないけど、耐えていい結果を出す。父も観戦してくれるらしい。いいプレーを見せたいです」と言葉が弾む。

 ちなみに、1歳下のイボミの結婚について、「ものすごくおめでたい。私も、今年中にどこかで。頑張りますよ」。ゴルフだけではなく、生涯のパートナーを探すことも忘れてはいなかった。 (森谷 清)
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