首位の黄アルム ショットが一変

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 LPGAツアー第32戦『スタンレーレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が10月11日、静岡県裾野市・東名カントリークラブ(6,572ヤード/パー72)で開幕した。

 台風19号の影響で第2日は中止が決定した。短期決戦。黄アルムが気迫あふれるプレーで65をマークし、7アンダーで首位に立った。5アンダー、2位タイは菊地絵理香、篠原まりあ。渋野日向子は1アンダー、25位タイから、最終日の大逆転を狙う。

 先手必勝。第1組スタートの黄アルムは、前半から飛ばした。穏やかな天候を味方につけ、4バーディーを奪取。一気に波に乗った。勢いは、後半もキープ。「運が良かっただけです」と控えめだが、プレー内容は圧巻だった。10番、アプローチでチップインバーディー。11番では15メートルのロングパットをねじ込んだ。さらに、12番もショットで魅せた。第2打を2メートルにつけ、楽々とバーディー。ヤマハレディースオープン葛城第1日以来、単独首位でホールアウトした。

 「きょうは、スコアを伸ばせるだけ、伸ばす作戦でした」という。ただし、ここまで決して調子が良くはなかった。「シーズンの序盤から、ショットの調子が悪い。そんな感じが続いた。さらに、3週前ぐらいはどん底状態。パニックに陥ってしまった」とため息をつく。というわけで、1週間の休養をとった。

 しかし、単なる気分転換ではなかった。「イメージトレーニングを毎日。好調時のスイング映像をみて、体重移動、リズムなどをチェックした。悪いイメージを払拭するため、かなりの時間を充てましたよ」と明かしている。一方、本人のインスタグラムでは、実りの秋を実感させる写真がアップされていた。さつまいもの収穫である。「芋掘り、楽しかった。新鮮なものは本当においしい。育てたのは、父ですけどね」。

 あすは、競技中止が決定した。それだけに、2打のアドバンテージは大きいが、「とにかく、台風19号の被害がないことを祈るだけです。試合も大切だけど、そちらの方が心配です」と、天を見つめながら口にした。やさしい人である。
(中山 亜子)
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