九州大会優勝で日本選手権への出場権を得た西部ガスは、じっくりと練習に取り組んでいる(写真=古江美奈子)。

【週刊グランドスラム】全国初勝利を目指す西部ガスが日本選手権への準備を進める

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 例年なら、8月下旬から日本選手権九州最終予選に向けて追い込み、9月に入れば予選を戦っている。だが、今季の西部ガスは5月のJABA九州大会で初優勝し、すでに5大会ぶり2回目の出場権を得ている。残暑と言うには、まだ厳しく照りつけている陽射しの下で、選手たちは充実した表情で汗を流していた。
 九州大会は、リーグ戦の第2戦でJR東日本に完封負けを喫したが、2連勝のJR東日本が第3戦で宮崎梅田学園に7回コールド負け。西部ガス、宮崎梅田学園、JR東日本が2勝1敗で並び、ポイント数でJR東日本、総失点で宮崎梅田学園が脱落し、西部ガスは幸運にも準決勝に進出した。
 すると、準決勝では日本生命に5対4と競り勝ち、決勝では三菱日立パワーシステムズをエースの山田義貴がシャットアウト。2対0の勝利で頂点へと登り詰める。勢いそのままに都市対抗への切符も手にしたいところだったが、投打の歯車が噛み合わずに九州二次予選で敗退。2015年からの連続出場が途絶えた。
 公式戦のない6月は社業に専念し、7月から再始動する。都市対抗に出場しない夏、さらに日本選手権の予選もない。公式戦から遠ざかっている中で、どうモチベーションを保ち、日本選手権へ向かうのか。主将の松薗史敏はこう話す。
「オープン戦でも公式戦のつもりで戦おうとはしていましたが、やはり緊張感が違います。今のところ、9月はオープン戦の予定もない。試合勘をどう取り戻すのか、難しさは感じています。ただ、技術面で色々と修正したり、新しいことを試したり、プラスに使える時間でもあります。思い切って打撃フォームを変えることだってできる。この時期に課題を潰していきたいですね。まぁ、あいつが頑張ってくれると思いますよ」

全国初勝利に向けて着々と準備を進める

 その視線の先には、グラウンドに残ってランニングをする山田がいた。社会人日本代表に選ばれてフランスに遠征し、8月28日から5日間にわたって開催されたYoshida Challengeに出場。2試合に先発して11回1/3を無失点に抑え、大会ベストピッチャーに選出された。
 9月3日の帰国後は別メニューで調整し、時差ボケも抜けつつあるエースを眺めながら、「海外では強いんですけどね」と苦笑いする松薗。日の丸を背負って結果を残した右腕は、今シーズンの戦いに納得していない。

投手陣は夏場の好調を維持しており、練習に取り組む表情も明るい。 投手陣は夏場の好調を維持しており、練習に取り組む表情も明るい。 (写真=古江美奈子)

「悔しかったのは、都市対抗九州二次予選です。初戦(二回戦)でJR九州を相手に、先発する立場にあるのは自分だったはず。それができなかった。調子がいい選手を起用するのは、勝利を目指すためには当然のこと。情けないですが、その時期は田中(和正)のほうがよかったということです」
 その試合に7対8で敗れ、敗者復活戦にまわると、山田が先発した一回戦は、苅田ビクトリーズに2対0で勝利。だが、二回戦で日本製鉄大分に4対5で敗れた。この悔しさは、マウンドでしか晴らせない。「自分が先頭に立って投げていく」とリベンジを誓った。結果を示さなければ、本当のエースとは呼ばれない。ブルペンを見渡しながら、大木康智コーチは言う。
「投手陣は山田のほかにも、村田 健、立石悠汰、田中、高椋俊平……みんな状態はいい。主戦で投げていても、調子を落とせば代えられることはわかっているはず。ここからは競争です」
 こうした競争が相乗効果を生み、8月のオープン戦は6勝2引き分けと負けなし。ガス五社交歓野球大会でも東京ガスに3対0、大阪ガスにも2対0で勝利している。
「都市対抗予選で敗退した悔しさの表れじゃないでしょうか。今まで通りではいけないと、スタッフも厳しさを持って接してくれている。選手もそれに触発されて、やらなければならないと自覚が芽生えてきました」と松薗。全国初勝利へ向けた準備は、着々と進んでいるようだ。(文/古江美奈子)

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