【サーフィン】五十嵐は第3ラウンド敗退、CT第7戦『Tahiti Pro Teahupoo』

チーム・協会

【PHOTO: © WSL/Dunbar】

現地時間8月28日、チャンピオンシップツアー(CT)の第7戦『Tahiti Pro Teahupoo』が終了。

決勝戦に進出したのは、昨年と同じく2度のワールドチャンピオンのガブリエル・メディナ(BRA)とオーウェン・ライト(AUS)。オーウェンがトータル17.07をスコアし、ディフェンディングチャンピオンのガブリエルを破って、2017年ゴールドコースト以来のCT優勝を決めた。五十嵐カノアは第3ラウンドで敗退し、17位。

全11戦用意されているワールドツアーの舞台の中で最も満点の10ポイントが出やすい会場であるタヒチ・チョープー。

今年のCT第7戦『タヒチプロ チョープー』ラスト2日間は最も理想的な西ウネリによって2014年以来の素晴らしいコンディション。オーストラリアレッグからバリのクラマス、南アフリカのJベイのベストデイでさえ霞んでしまうような舞台が用意され、ここまでのシーズンで最も面白いコンテストになった。

最もチョープーらしいアングル PHOTO: © WSL/Cestari 【PHOTO: © WSL/Cestari】

底掘れするレフトのバレル、チョープーのような波は得意とする選手と不得意の選手が明確で、5度の最多優勝記録を持つケリー・スレーターや、2014年にケリーを倒して優勝し、その後も2016年以外全てファイナルに進出しているガブリエル・メディナ。そして、ルーキーイヤーから怪我で欠場したシーズンを除くと全てQF以上をメイクしているオーウェン・ライトが特に強い選手と言えるだろう。
2010年にこの世を去ったアンディ・アイアンズもタヒチで2度優勝経験があり、バックサイドでのバレルの技術はケリーに並ぶものだった。

オーウェン・ライトがタヒチ初優勝!

ヘルメットを着用してチャージを繰り返したオーウェン  PHOTO: © WSL/Cestari 【PHOTO: © WSL/Cestari】

2015年のパイプラインでワイプアウトの際にリーフに頭をヒット、選手生命を脅かす怪我を負った経験があるオーウェンは少しでもリスクを減らすためにヘルメットを着用。
他にもジェレミー・フローレス、ワイルドカードのカウリ・ヴァーストがヘルメットを被ってヒートに参加。いかにタヒチの波が危険かが理解出来るだろう。

そのオーウェンがファイナルデイのオープニングヒートでブラジリアンのジャドソン・アンドレを相手にイベント2つめの10ポイントと9ポイントを揃えて圧勝。
多くの人がこの時点でオーウェンの勝利を予感していたのでは?

昨年のリマッチとなったガブリエルとのファイナルでも、追い込まれながら運を引き寄せ、ラスト5分を切ってからファイナルで最高のバレルを抜け、昨年ガブリエルに奪われた優勝を見事な逆転劇で締めくくった。
「Rip Curl」のチームメイトでもある彼らは勝利後にハグを交わし、お互いを称えあっていた。

「これ以上の喜びはないね。ギャビーとの対戦はいつも厳しい戦いになる。後半、優先権がなかったので、インサイドで波を待ち、出来る限りバレルに深く入り、メイクしようとしたんだ。努力して勝ち取った優勝、本当に嬉しい。最後のホーンが鳴った時は泣いてしまったよ」
オーウェン・ライト

チームメイトでも特に仲の良い二人  PHOTO: © WSL/Cestari 【PHOTO: © WSL/Cestari】

2015年のパイプラインで頭をリーフにヒット、2016年シーズンを棒に振り、選手生命さえ危うかったオーウェンだったが、カムバックを果たした2017年の開幕戦を優勝で飾る感動的なドラマの主役となり、2年連続でランキング6位。
昨年のタヒチではカムバック以来、2度目の優勝のチャンスに恵まれながらもガブリエルに逆転されていた。

「昨年も特別な時間だったし、今年も本気でリマッチを狙っていたよ。こんなパーフェクトな波を素晴らしい仲間とシェア出来るなんて本当に特別さ。今日は最初のヒートで10ポイントを出すことが出来たから、何か良い予感はしていたんだ。怪我から復活してスナッパーで勝った以来、アップダウンが大きく、勝利から遠ざかっていた。でも、この数ヶ月は調子良く感じていたよ。優勝したかった念願のイベントでようやく勝つことが出来て最高の気分さ」
オーウェン・ライト

今年もガブリエルが後半戦に猛チャージを仕掛けている

今年も美しい猛獣を手なづけていたギャビー  PHOTO: © WSL/Dunbar 【PHOTO: © WSL/Dunbar】

昨年、タヒチでの優勝を皮切りにサーフランチで連勝、ヨーロッパレッグの2戦を3位、最終戦のパイプラインで優勝して2度目のワールドタイトルを手に入れたギャビーことガブリエル。
今年も同じ流れのように後半戦で猛チャージを仕掛け、ランキング4位まで浮上してきた。

前日のR4(Round of 16)では僅か2本の波で10ポイントと9.23をスコア。
ファイナルデイ、不安定だったジェレミー・フローレスとのQF、セス・モニーツとのSFでも勝負強さを見せて3年連続でファイナル進出。
すでにアンディ、ボビー・マルティネスの優勝記録に並んでいるギャビーがケリーの5勝に並ぶのも遠くない話だろう。

「オーウェンは本当に優勝に値するよ。オーウェンは10ポイントライドで一日をスタートさせた。そんなことをするサーファーは有利だといつも思うんだ。彼と再びファイナルを戦えて嬉しかったし、勝利を称えたい。昨年は自分だったけど、今年は彼が優勝した。彼との対戦は大好きさ。最高のサーファーである彼の次の順位で良かったよ」
ガブリエル・メディナ

五十嵐カノアは17位

五十嵐カノア  PHOTO: © WSL/Dunbar 【PHOTO: © WSL/Dunbar】

ブラジル、南アフリカと2戦連続でQF進出を決めていた五十嵐カノアは、不安定なヒートに重なり、R3(Round of 32)で敗退。

今シーズン最低の17位でフィニッシュ。
ランキングは5位から7位にダウンしている。
なお、CTは全11戦の内、上位9戦の結果でランキングが決まるため、今回の17位がノーカウントになる可能性もある。
残り4戦、ここからが正念場だ。

なお、今回の結果によってコロへ・アンディーノがトップから3位に転落。
フィリッペ・トレドがイエロージャージを手に入れ、2位にはジョーディ・スミス。
いつになく僅差のタイトルレースに今後も注目したい。

次のCTは9月19日〜21日にサーフランチで開催される『フレッシュウォータープロ』

CT第7戦タヒチ『タヒチプロ チョープー』結果

1位 オーウェン・ライト(AUS)
2位 ガブリエル・メディナ(BRA)
2位 イタロ・フェレイラ(BRA)
3位 ジョーディ・スミス(ZAF)、セス・モニーツ(HAW)
5位 ジャドソン・アンドレ(BRA)、エイドリアーノ・デ・ソウザ(BRA)、ジェレミー・フローレス(FRA)、カイオ・イベリ(BRA)

2019 Men’s Championship Tour 『タヒチプロ チョープー』終了後のランキング
1位 フィリッペ・トレド(BRA) 36,600pt
2位 ジョーディ・スミス(ZAF) 35,450pt
3位 コロへ・アンディーノ(USA) 35,175pt
4位 ガブリエル・メディナ(BRA) 34,695pt
5位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 32,690pt

WSL公式サイト:http://www.worldsurfleague.com/
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

国内外のサーフィン関連ニュースを発信する「THE SURF NEWS(サーフニュース)」の公式アカウントです。2020年東京五輪のサーフィン関連情報や、人工サーフィン施設、業界最新動向、話題のサーフギア、コンテスト、初心者から経験者まで役に立つHowToなど様々なニュースをお届けします。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント