第44回全日本クラブ野球選手権大会で首位打者賞を手にしたマツゲン箕島硬式野球部の夏見宏季(写真=真崎貴夫)。

【週刊グランドスラム】マツゲン箕島硬式野球部のヒットメーカー・夏見宏季が有言実行の首位打者賞

公益財団法人 日本野球連盟

「今年は、獲ります。一昨年はあと1本だったので……」
 マツゲン箕島硬式野球部の夏見宏季がそう教えてくれたのは、横浜金港クラブとの準々決勝を制し、チームが3年連続の決勝進出にあと1勝としたあとだ。獲ります、とは首位打者賞のこと。チームが優勝した2017年、16打数8安打で打率トップだったのは、大和高田クラブの岩永幸大。16打数7安打の夏見は、あと1本に泣いた。準優勝に終わった昨年は、14打数2安打と絶不調。大会前から好調だった今年は「ぜひとも」の思いが強く、それゆえの首位打者賞獲得宣言になったのだ。
 第44回全日本クラブ野球選手権大会。マツゲン箕島は、矢場とんブースターズとの一回戦に6?1と快勝した。夏見はチーム8安打のうち3安打で、2四球と合わせて出塁率10割。関西国際大で1学年下の池島主悦との二、三番コンビは、10打席中アウト2回、2人で4得点という活躍ぶりだった。5?1で勝利の準々決勝も夏見は、4打数2安打1四球。2試合で7打数5安打、アウトになったのが僅か2回だから、首位打者賞に色気が出るのも当然だ。
 そこまでは、スタメンはセカンドで、試合後半にライトへまわるパターン。セカンドは、大学でもともと守っていたポジションだが、マツゲン箕島は内野の層が厚く、出場機会を得るために1年目から外野にまわっていた。だが、今季は、同期の二塁手・冨樫和秀が西近畿二次予選で左手を負傷。そこで、夏見がかつて守っていたポジションにまわったわけだ。古巣だけに安定はしていたが、「セカンドは忙しい(笑)。今はライトのほうが楽です」と笑う。

今大会では、関西国際大時代に守っていたセカンドでの出場が多かった。 今大会では、関西国際大時代に守っていたセカンドでの出場が多かった。 (写真=真崎貴夫)

センターから左に打てるのが、いい時の証

 持ち味は、左打席から逆方向へ弾き返すバットコントロールだ。一回戦の3本、準々決勝の2本ともにセンターから左へ。「センターから逆へ打てるのが、いい時の証」とは夏見本人だから、ずっと好調なのだろう。さらに、準決勝以後は夏見に首位打者賞獲得への風が吹いてくる。ビッグ開発ベースボールクラブとの準決勝では、1回表に持ち前の三遊間に弾き返した先制打のあと、3回表は先頭打者。セオリーとして長打警戒、深めの守備だったセンターの前に、2安打目がポトリと落ちる。第3、第4打席は凡退したが、5打席目はおあつらえ向きに犠打をきっちり成功させ、打率はキープした。
 そうして、OBC高島との決勝では、冨樫がセカンドでスタメンに復帰。社会人になっての本職・ライトの守備でストレスもなくなった夏見は、まず四球(ここでも打率はキープ!)のあと、珍しく引っ張って右中間に三塁打し、3打席目はダメ押しの5点目となる中前適時打だ。かくして、マツゲン箕島は2年ぶり5回目の優勝を果たし、4試合14打数9安打の.643という高打率で、夏見は宣言通りに首位打者賞を獲得することになる。打率とともに四球4の出塁率も驚異的で、出色は三振がひとつもないこと。それだけ、ボールがよく見えていたのだろう。4試合すべてで挙げた打点は6で、チャンスメーカーとしても得点源としても、欠かせない存在だった。
「ね? 獲ったでしょう!」
 7?0で優勝を決めた閉会式後。視線が合った夏見の目が、そう告げていた。
(文/楊 順行)

宣言通りに.643の高打率で首位打者賞を手にし、表彰式では笑顔を見せる。 宣言通りに.643の高打率で首位打者賞を手にし、表彰式では笑顔を見せる。 (写真=真崎貴夫)

第44回全日本クラブ野球選手権大会表彰選手
最高殊勲選手賞=和田拓也投手(マツゲン箕島硬式野球部)※2017年に続く2回目の受賞
敢闘賞=山下聖也投手(OBC高島)
首位打者賞=夏見宏季外野手(マツゲン箕島硬式野球部)/打率.643

関連リンク

クラブ名
公益財団法人 日本野球連盟
クラブ説明文

1949年に設立した社会人野球を統轄する(公財)日本野球連盟の公式アカウントです。全国の企業、クラブチームが所属し、中学硬式や女子野球の団体も加盟しています。1993年から刊行している社会人野球オフィシャル・ガイド『グランドスラム』の編集部と連携し、都市対抗野球大会をはじめ、社会人野球の魅力や様々な情報を、毎週金曜日に更新する『週刊グランドスラム』などでお届けします。

スポナビDo

イベント・大会一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント