【サーフィン】CT第7戦タヒチ・プロで“蛍光珊瑚”色のジャージー登場。その意味とは?
【Photo: WSL / Dunbar】
選手のジャージーの他に、大会のマーケティング・キャンペーン全体で「蛍光珊瑚」の新色を採用しているのは世界の珊瑚の危機に焦点を当てるためだと言う。
タヒチのチョープー。美しく、恐ろしい波の下には貴重なサンゴ礁が広がる。 Photo: WSL / Kirstin 【Photo: WSL / Kirstin】
世界中のサンゴ礁が、地球温暖化や海水の酸性化など世界規模の現象や、環境汚染、不適切な開発行為、さらに日焼け止めなどに含まれる化学物質などにも脅かされている。
海面下に潜むサンゴ礁は海の生態系を支える重要な役割を果たす。 Photo: WSL / Poullenot 【Photo: WSL / Poullenot】
タヒチ・プロでの取り組み。蛍光珊瑚とは?
高水温による珊瑚の白化現象は良く知られているが、ここで話題となっている蛍光発色は今までにほとんど記録されたことがないため、いまだ謎が多い現象だ。珊瑚が水温の上昇により蛍光で発色する現象が2016年ニューカレドニアでオーシャン・エージェンシーによって記録され、この蛍光タンパクは自分の身を守るための「日焼け止め」のような役割があると考えられている。
地球温暖化を顕著に表している現象で、世界のサンゴ礁の危機を予告しているため、WSLはタヒチ・プロではこの珊瑚の「蛍光発色」を再現して、ジャージーやポスターなどに使用することで、珊瑚が直面している危機を世界に広く伝えたいと言う。
「世界中のサンゴ礁が直面している危機についての意識を広め、仏領ポリネシアでは実際に現場で意義ある活動を支援することができ、とてもワクワクする。」
WSL CEO ソフィー・ゴールドシュミット
タヒチ・プロで新色のジャージーが登場 Photo: WSL / Cestari 【Photo: WSL / Cestari】
保護活動にプロサーファーも参加
「WSL Pureを通して、地元で珊瑚を移植する活動に参加できて非常にうれしい。時には単純な活動程問題の解決につながり、大きなインパクトがある。」
タヒチ出身プロサーファー、ミシェル・ボウレズ
珊瑚の養殖を手掛けるプロサーファーたち 【Photo: WSL / Dunbar】
珊瑚の危機について
サンゴは生態系の基盤となる生物であり、サンゴが死滅すればそれらを取り巻く生態系も破壊される。サンゴは、100万種の生物、海洋生物の4分の1、そして10億人もの生活を支えているといわれている。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、すでに地球に溜まっている熱量の影響で今後さらに珊瑚の死滅が続き、これからの対策で守れるのは現在生息しているサンゴ礁の約1割〜3割程度。地球温暖化対策以外にも、汚染や魚の乱獲など幅広い対策が必要だ。
執筆:ケン・ロウズ
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