<国内男子ゴルフ>丸山親子は決勝進出ならず

日本ゴルフツアー機構 (JGTO)
チーム・協会

【偉大な父を持つ二世にも、厳しいプロの世界】

■国内男子ゴルフ「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ(8月22日〜25日、北海道千歳市 ザ・ノースカントリーゴルフクラブ)」

偉大な父の支えをもってしても、プロの壁は厚かった。
丸山茂樹の長男、奬王さんは昨年に続く2度目の挑戦も、通算3オーバー。悪天候による競技中断に見舞われたこの日2日目は、まだ全選手がホールアウトしていないが、現状での予選通過は厳しくなった。

2打足りずに敗戦した昨年大会の雪辱を期して、自ら息子のキャディをかって出たのがツアー通算10勝、米3勝の父。
丸山の所属先でもあるセガサミーグループが、2年連続で息子に与えてくれた大チャンスだ。
「息子に4日やらしてあげたい。そういう盛り上げ方もある」と、このためにわざわざ電動カートを購入。
かいがいしくバッグを運んでやりながら、綿密な歩測や風、グリーンの読み、大雨の2日目はボールやクラブを丁寧に磨きあげたり、息子に献身を捧げたが、親子の夢は今年もかなわなかった。

初キャディを通して見た息子のゴルフを「あれだけ飛距離が出る分、ショートゲームで打つ機会が増えるので、それで寄らないとフラストレーションがたまる」と、総じた丸山。
「150ヤード以内のショットのクォリティが、まだ圧倒的に低い。それではアメリカでも勿論日本でも、学生の試合でも、どこに行っても通用しない」と、厳しく断じた。

特に今の米ツアーは「ドライバーで行けるところまで行って、ショートアイアンで距離を合わせてバーディを作っていく」(丸山)というゲーム運びがスタンダードになっている。
「たとえばジャスティン・トーマスなんかもあれだけ曲がりまくって11アンダー出してしまうというのはそこからのゲームプランが相当に高いということ」。
かくいう丸山こそショートゲームの名手と呼ばれ、2000年から参戦した米ツアーでは10シーズンの長きにわたり、小技を駆使してパワーゲームに対抗した。

「…代わりに僕がセカンドショットをやってあげたら間違いなく赤いスコア(アンダーパー)で上がれてますよ」。
父親のリップサービスも、神妙に聞いていた奬王さん。
名門カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)のゴルフ部で活躍するが、今春はトレーニング中に腰を痛めて試合日程の半分もこなせなかった。
完治まで「まだ6割」という状況での奮闘だったが、決勝進出は絶望的。
「もったいないミスがあったり、攻めすぎたホールでボギーを打ったりしたが雨の中でプレーできたのは、いい経験になったと思う。自分の足りないところを練習できたらもっとうまくいくんじゃないか」と、父の前で反省と課題を述べた。

厳しさの中にも「パットの距離感は、去年より圧倒的に良かった」との評価も忘れず、「疲れた…。キャディは疲れるね」と、雨でびしょ濡れのキャディポンチョを脱いだ丸パパ。
土日はマイクに持ち替えテレビ解説でホスト試合を盛り上げる。
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