よもやの3パット 渋野日向子は3位T

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【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

 勝負は時の運。うまくいかないこともある。首位と並走する18番、渋野日向子は第2打まで完ぺきなストーリーだった。残すは5メートルのバーディーパットを沈め、AIG全英女子オープンのようにガッツポーズをつくることだけだ。もちろん、グリーンを取り囲んだ大ギャラリーもそのシーンを期待した。しかしー。

 下りのフックラインは容易ではなかった。「打った瞬間から、入らないと思いました」という。約2メートルもカップをオーバーする。コースには、大きなため息がこだました。とはいえ、パーセーブが重要だ。プレーオフ進出がかかっていた。が、狂った歯車を修正することは至難の業である。3パットのボギーで、優勝を逸した。

 最終日、当然のごとく大ギャラリーを連れてのラウンド。大声援が送られる。それでも、淡々とプレーを続けた。「いいプレーができていました。バーディーチャンスを逃さなかったから」という。さらには、「スコアボードを見ていたので、試合状況は把握していた」とも。それだけに、悔やまれる18番だった。「決めたい気持ちが強すぎたのかなぁ。手が震えるくらい緊張してした。自分でも、なんで緊張したのか分かりません。ただただ、情けない」と笑顔を見せながら、無念が伝わってきた。

 新たな課題は、「最後の緊張感を残さないように、練習するしかありません」と話した。敗戦をしっかりと受け止めている。今季の獲得賞金は84,794,570円になった。言葉にした目標の1億円が視界へ。「今の調子だったら、1億円は見えています。でも、これで気を抜くとすぐに予選落ちしたりする。早く達成して、その先の目標を設定します」と足元をみつめた。一方、継続中の連続イーブン以上ラウンド数を24へ伸ばし、歴代2位タイに躍進。次週はオープンウィークに充てるが、ニトリレディスゴルフトーナメントは4日間大会だ。28ラウンドで1位のアンソンジュへ並ぶ。

 「家でボーッとしたいし、外出して新鮮な空気を吸いたいし、ソフトボールもやりたい」。1週間のインターバルに笑みがこぼれた。 (中山 亜子)
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