本田好伸

【アジア王者を目指すキミたちへ】U-20からA代表へ駆け上がった先輩から。「思い切りやれば、間違いなく次につながる」(内田隼太)

SAL

鹿島アントラーズユース出身で、当時から期待値を集めた19歳は2016年12月、立川・府中アスレティックFCサテライト(当時は府中アスレティックFCサテライト)に所しながら、属特別指定選手としてFリーグにデビューした。しかし、その頃はまだ、今のようにピッチで大きな存在感を放つ選手ではなかった。

2017年5月、前回大会で初めて日の丸を背負って戦った経験が、内田隼太を引き上げた。

翌2018年3月、ベトナムのタンロン・ウォリアーズに期限付き移籍するなどキャリアを重ねていくと、9月にはA代表に招集されて、イランで開催された4カ国対抗戦で代表デビュー。その頃にはもう、大舞台であっても堂々と戦う、トップ選手の風格を漂わせるようになっていた。

立川・府中アスレティックFCの未来のエースとして主軸のポジションを手にした内田は、2018/2019シーズンに副キャプテンにも任命され、シーズン最後には新人賞も獲得。今では、名実ともに若手世代のリーダーの一人として、ピッチで並々ならないオーラを放っている。

歯車がかみ合い始めた大会。内田が学び得た、アジアで戦うことの意味と価値とは何か。

U-20の経験が向上心につながった

──2017年大会前の自分を振り返るとどんな状況でしたか?

あの頃はまだ、Fリーグに出始めたところで、一人前ではなくて半人前。選手として未熟なところが多いところで迎えた大会だったと思います。

──立川・府中アスレティックFCでフットサルを始めたばかりでした。

まだ1年ちょっとでしたね。

──代表合宿ももちろん初めて。

そうです。最初は名古屋合宿に呼ばれました。でもそのときは、ここでは自分の力を発揮できるなと感じていましたね。やれるな、と。フットサルを始めたときは立川・府中サテライトだったので、(当時の監督の山田)マルコスや、トップの谷本(俊介)監督など、立川・府中のフットサルしか体験したことがありませんでした。だから、新しい監督、コーチのもとでやるもどかしさ、新鮮さ、いろんな感情がありました。

──U-20アジア選手権自体が第1回大会でしたし、どんな雰囲気なのかもわからないまま迎えた大会初戦。どうでしたか?

やはり初めてという緊張もありました。でもそれ以上に、日の丸を背負っているんだから、思い切りやろうと思いましたね。代表ではよく感じていたのですが、勝つことが大事だなと。もちろん、U-20は成長していくことも大事なのですが、それ以上に日の丸をつけると勝つことが求められる。だから両方を追いながら、その上で勝たなければ意味がない。勝つための執着心を学びましたね。

──日本代表ユニフォームを着て、やはり気持ちの変化があった?

大げさにいうと、日本のすべての人を代表してピッチに立っているわけですから、それこそ日本の人口、1億三千万の代表なので、重みがあります。勝ったらもう、なんというか……。でも逆に、イラクに負けたことがすごく印象に残っていて。相手がものすごい喜び方をしていて、これが代表戦なんだなと思いました。

──初戦のチャイニーズ・タイペイ戦は中村充選手が先制点を挙げて、4?0で勝ちました。

あの試合はなかなか得点が取れない時間が続いていたのですが、充が取ってくれたことで少し気が楽になりました。最初の点がどちらに転がるかによって、大会自体の結果が変わってしまう難しさがあります。逆に先制されていたら、一度も波に乗れずに負けてしまったかもしれませんから。もちろん、それでも取り返す力は全然あると思っていましたけど。試合の入り方が大事だなと思いました。

──内田選手は、サッカー時代に国際大会などの経験がありますか?

鹿島時代にはあったのですが、日本代表では初めて。全く違うものでした。国際大会は、普段やっていないような選手と戦うので、リーチや幅、強さなど、自分の想像を超えてくる場合があります。そのせいで失点してしまうこともありました。そこは気をつけないといけないところですね。

──大会2戦目のタジキスタン、3戦目のベトナムには引き分けました。想像を超えてきた、と。

想像を超えてきたのは、相手のメンタル面ですね。タジキスタンは、残りわずかな時間帯にパワープレーから決められてしまいました。相手の技術どうこうよりも、代表で戦うことのメンタル。最後の勝利のところを締めること、最後の一歩の階段を登ることの難しさを痛感しました。

──でも、そういう大会の経験が、間違いなく自分のプラスになるわけですよね。

それは間違いありません。

──実際にどう変わったと思いますか?

そのあとA代表にも選ばれましたが、U-20に選ばれたことが土台になっています。U-20の経験があったからこそ、より一層「上に行きたい」、「成長したい」という向上心につながりました。それにA代表でもおどおどしないというか、経験があったからこそ、堂々とやれるようになりました。

山の登り方は違っても、最終的な目標は一緒

──昨シーズンのFリーグ開幕前、すごく自信に満ちた表情をしていました。世代を引っ張っていくというような決意があったように思います。

チームの変革期というか、それこそ、僕が輝いていく時代になっていくというか。そういう位置付けで考えていたので、その前のシーズンよりも、自分の力を証明しないといけませんでした。その意味では、大きな意味を持つシーズンだったと思います。

──前回大会を戦ったメンバーはその後、Fリーグ選抜に5人がいきましたし、他のメンバーも各クラブで存在感を増していきました。

人それぞれ選ぶ道がありますし、Fリーグ選抜にいくことも素晴らしいと思っています。(準々決勝で)イラクに負けたときに、「成長して、みんなでまた代表に入って集まろう」と約束しました。それぞれの山の登り方は違いますけど、最終的な目標は一緒だと思います。そこに向かって刺激し合い、切磋琢磨して、ゴールを目指していけたらいいなと思っています。

──自分にとって、仲間がすごく大切な存在になったんですね。

日頃から連絡を取ったりもしますし、同じ世代ですしやはり気になりますね。

──特に仲が良い選手はいますか?

みんな仲が良いですけど、(清水)和也とか圭汰とか。圭汰とはベトナムにも一緒に行っていたので(同時期に、内田と伊藤は、ベトナムの別のクラブにレンタル移籍)、特に仲が良いかもしれないですね。

──代表活動中の部屋割りは決まっているんですか?

合宿ごとに違いましたね。2人部屋です。タイでは(鬼塚)祥慶と一緒でした。

──活動にもオンとオフがあると思いますが、若い世代なりの楽しみもあったのでは?

そうですね(笑)。オフの時間もありました。国内合宿では、コーチ陣も含めてみんなで温泉に行ったり。タイの前日の夜は、みんなで部屋に集まって、ワーワー騒いで、これから頑張ろうってやりましたね。

──練習以外の時間はどうしているんですか?

午前、午後の2部練習であれば、午前練が終わって、間は昼寝や休息に当てます。午前練、午後練だけのときには、みんなで集まって練習や試合のビデオを見たり、そういうことはよくありました。

──内田隼太さんなりのリラックスする方法とかは?

今、持ち込むとしたらiPadとかで動画を見ますけど、当時はみんなとコミュニケーションを図ることを先に考えていました。国内合宿の期間も長くはなかったので、価値観やプレーのことなど、ちょっとでも合わせていこうと。よく話をしていたなというイメージがありますね。

──面白いキャラクターの選手はいますか?

坂(桂輔)じゃないですかね。

──やはり(笑)。

おちゃらけている感じです。ムードメーカーでした(笑)。

──内田選手は?

僕は特に、どこに行っても変わらないです。淡々としていて、落ち着いている感じです(笑)。

──たしかに、波が少ない印象があります。

波が少ないことはプレーでも心掛けています。いいときも悪いときもありますが、その差をなるべく縮められるようにして、悪いときを少なくできるように。

──一方で、試合中にスイッチが入ることもありますか? 高ぶるというか、いつもと違う感じになること。

ありますね、スイッチ。それこそ大舞台で。Fリーグではプレーオフとか。それと僕は、失点するとスイッチが入ります。先制点を取られたりすると特にそうですね。

──今、2017年大会を振り返って、一番に思い出されるシーンは何ですか?

うーん……最初に浮かぶのは、負けたときの光景ですね。

──イラクは強かったですか?

負けたのでなんとも言えないですが、勝てた試合ではあったなと。前半にもったいない失点をして、そこから追いつくチャンスが何度もありました。たらればですけどね。

──でも、あそこで負けたからこそ今があるという感覚もある?

そうですね。負けたことで一層、成長意欲や、代表にまた返り咲いてやるという気持ちにつながりました。

──第2回大会を戦う選手たちに何か伝えたいことはありますか?

失うものはないと思うので、日の丸を背負えることを本当に光栄に感じて思い切りやってくれれば、間違いなく次につながると思います。もちろん優勝が一番いいと思いますし、代表に負けていい試合は一つもないので、最終的には勝ちを目指して頑張ってほしいと思います。

──山田慈英選手は唯一、2大会連続出場ですね。

やはり経験していることは、大きなアドバンテージ。彼も、穏やかな性格ですけど、みんなのことを引っ張ってほしいですね。でも、あまりプレッシャーを感じすぎないで(笑)。

──他にも交流がある選手はいますか?

山田凱斗ですね。彼は(契約しているシューズメーカーの)デスポルチのつながりがあります。そういう意味でも彼には頑張ってほしいですね。

──今度はA代表で会おうと。

そうですね(笑)。そのために、僕も頑張ります。

関連リンク

クラブ名
SAL
クラブ説明文

フットサルを見る・蹴る・着るという3つの視点から多角的に発信していくメディアです。見る人には、試合情報や技術・戦術などの競技の魅力、選手のキャラクターや物語を。蹴る人には、ボールを扱う喜びや仲間と蹴る爽快感を。着る人には、注目アイテムや、着こなしのアドバイスを。それぞれのニーズに合ったフットサル情報をお届けします。

スポナビDo

イベント・大会一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント