ファンが選ぶ!日本シリーズ名勝負ランキング
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スポーツナビで投票を実施した「ファンが選ぶ!日本シリーズ名勝負ランキング」企画。
みなさんの印象に残っている名勝負を1人最大3つを選んで投票してもらいました。
1位に輝いたのはどの年の日本シリーズなのか!?
※投票期間:2022年10月14日〜18日
順位 | シリーズ | 得票率 |
---|---|---|
1 | 【2021年】ヤクルト(4勝2敗)オリックス | 23.63% |
2 | 【2013年】楽天(4勝3敗)巨人 | 22.11% |
3 | 【2010年】ロッテ(4勝2敗1分)中日 | 15.64% |
4 | 【2016年】日本ハム(4勝2敗)広島 | 11.63% |
5 | 【1989年】巨人(4勝3敗)近鉄 | 11.10% |
6 | 【2005年】ロッテ(4勝)阪神 | 11.04% |
7 | 【2017年】ソフトバンク(4勝2敗)DeNA | 10.54% |
8 | 【1992年】西武(4勝3敗)ヤクルト | 9.12% |
9 | 【1993年】ヤクルト(4勝3敗)西武 | 8.88% |
10 | 【2007年】中日(4勝1敗)日本ハム | 7.89% |
11 | 【1979年】広島(4勝3敗)近鉄 | 7.23% |
12 | 【2003年】ダイエー(4勝3敗)阪神 | 6.36% |
13 | 【1985年】阪神(4勝2敗)西武 | 6.13% |
14 | 【1983年】西武(4勝3敗)巨人 | 5.40% |
15 | 【1986年】西武(4勝3敗1分)広島 | 4.77% |
16 | 【2020年】ソフトバンク(4勝)巨人 | 4.44% |
17 | 【2011年】ソフトバンク(4勝3敗)中日 | 4.14% |
18 | 【2006年】日本ハム(4勝1敗)中日 | 3.84% |
19 | 【2008年】西武(4勝3敗)巨人 | 3.58% |
20 | 【1998年】横浜(4勝2敗)西武 | 3.51% |
21 | 【2000年】巨人(4勝2敗)ダイエー | 3.28% |
22 | 【2019年】ソフトバンク(4勝)巨人 | 3.05% |
23 | 【1980年】広島(4勝3敗)近鉄 | 2.92% |
24 | 【1978年】ヤクルト(4勝3敗)阪急 | 2.62% |
25 | 【1995年】ヤクルト(4勝1敗)オリックス | 2.25% |
26 | 【1958年】西鉄(4勝3敗)巨人 | 2.12% |
27 | 【2018年】ソフトバンク(4勝1敗1分)広島 | 2.02% |
28 | 【1996年】オリックス(4勝1敗)巨人 | 1.96% |
29 | 【1990年】西武(4勝)巨人 | 1.69% |
29 | 【2002年】巨人(4勝)西武 | 1.69% |
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解説
10月15日のパ・リーグCSファイナルステージで、オリックスがソフトバンクを下し、日本シリーズ進出が決定。前日、一足先にシリーズ出場権を得たヤクルトと、2年連続同じカードで日本一を争うことになった。14日から18日にかけてスポーツナビが行った「ファンが選ぶ! 日本シリーズ名勝負ランキング」では、ファンの記憶に鮮明に残っているのか、2021年のヤクルト対オリックスが得票率23.6%で1位となった。
日本シリーズでは史上初の、前年最下位チーム同士の対戦。第1戦、ヤクルトが8回表に村上宗隆の2ランで3対1と勝ち越したとき、燕党は「勝負あった」と思ったに違いない。ところが9回裏、オリックスが無死満塁から劇的な逆転サヨナラ勝利。そんな初戦から第6戦まで、すべて2点差以内の接戦が続いた。
最終戦(第6戦)は1対1のまま、延長12回へ。12回表に代打・川端慎吾が放ったレフト前へのタイムリーヒットが決勝打となり、4勝2敗でヤクルトが20年振りの日本一に輝いた。両チームのファンだけではない、野球ファン皆を楽しませてくれた名勝負6試合だった。
2位(22.1%)は、楽天が球団創設9年目にして初の日本一に輝いた、13年の日本シリーズ。東日本大震災から2年8カ月、「がんばろう東北」を旗印に戦ってきた楽天は、闘将・星野仙一監督が就任3年目でパ・リーグ初優勝を成し遂げ、“球界の盟主”巨人とのシリーズに臨んだ。
勝負は第7戦までもつれ込む。この試合、先発の美馬学(現ロッテ)が自ら「出来すぎ」と言う6回1安打無失点の好投。則本昂大が気迫のピッチングでつなぎ、3対0とリードして迎えた9回。「ピッチャー・田中(将大)」のアナウンスが流れると、球場のボルテージは最高潮に。前日160球完投で負け投手になった田中が最後を締め、ほえた。「感動」の言葉ひとつでは表しきれないものが、生まれた瞬間だった。
3位は、ロッテがリーグ3位から日本一に駆け上がった10年(15.6%)。落合博満監督率いる中日との対戦である。ロッテの3勝2敗で迎えた第6戦は、なんと延長15回、2対2の引き分け。第7戦は7対7で、2試合連続で延長戦に。試合を決めたのは、育成出身の伏兵・岡田幸文だった。12回表、この日4イニング目に突入していた浅尾拓也が投じた64球目を岡田が振り抜き、ライトの頭上を越える決勝タイムリーに。「史上最大の下剋上」達成の瞬間だった。
ちなみにこのシリーズでMVPに輝いたのは、「お祭り男」の異名を持つ今江敏晃。その今江が初めて日本シリーズMVPを獲得した05年のロッテ対阪神も、6位(11%)に入っている。バレンタイン監督の「ボビー・マジック」でロッテが31年振りのリーグ優勝。そして阪神に4タテしての日本一とくれば、忘れられないのも当然だろう。
さて順位を4位(11.6%)に戻すと、日本ハムと広島の対戦となった16年がランクイン。日本ハムは最大11.5ゲーム差を大逆転したレギュラーシーズンの勢いに乗って、10年振りの日本一を勝ち取った。4勝すべてが逆転勝利だったため、勝ち星が付いたのは皆リリーフ投手。うち3試合、バースが勝利投手になっている。「プロ野球カルトクイズ」のネタになりそうなシリーズだった。
5位(11.1%)はオールドファンにはたまらない、1989年の巨人対近鉄。巨人が史上3度目となる、3連敗からの4連勝を成し遂げたシリーズだ。巨人ナイン逆襲の原動力となったのが、近鉄が王手をかけた第3戦で好投した加藤哲の名セリフ「巨人はロッテより弱い」。後に、この言葉は報道陣による“超意訳”(⁉)だったと判明したが、時すでに遅かった。
ソフトバンク(ダイエー含む)は数あるシリーズ出場歴の中から、17年が最上位(7位、10.5%)に。19年振りに日本シリーズに進出したDeNAに3連勝して王手をかけるが、4戦、5戦を落としてしまう。延長戦となった6戦目は、9回表からマウンドに上がった守護神・サファテが、来日初の3イニングの力投。迎えた11回裏、川島慶三がライト前タイムリーを放ち、史上4度目のサヨナラ日本一を決めた。
8位(9.1%)の1992年、9位(8.9%)の93年はともに西武とヤクルトの対戦だ。西武は森祇晶監督、ヤクルトは野村克也監督。捕手出身の智将対決であると同時に、西武・伊東勤、ヤクルト・古田敦也という、両リーグを代表する捕手の頭脳対決が話題を呼んだ。
野村ヤクルトにとって初の日本シリーズとなった92年。全7戦中4試合が延長戦になる熱戦を西武が制し、3年連続日本一に輝いた。翌93年も第7戦までもつれた。しかし、最後は現監督の高津臣吾がパーフェクトリリーフで、ヤクルトは球団史上2度目の日本一に輝いた。一方、西武・森監督は初のシリーズ敗退となった。野村は監督勇退後、「森との日本シリーズは1勝1敗のまま終わってしまった。あの世で決着をつけるわ」とニヤリ。そのときはどちらが勝つのだろうか。
10位(7.9%)の07年、中日対日本ハムのハイライトは、なんといっても第5戦だろう。中日の先発・山井大介が8回までパーフェクト。日本シリーズでの完全試合は誰も成し遂げておらず、MLBのワールドシリーズでも過去一度、という偉業が目前に迫っていた。しかし9回、落合監督は守護神・岩瀬仁紀をマウンドへ。岩瀬は日本ハム打線を3人で切ってとり、中日は53年振りの日本一になった。
賛否両論沸き起こった、この落合采配。「山井はマメを潰していた」ことが分かってもなお、「それでも山井に投げさせるべきだった」「日本一のためには岩瀬で正解」と意見は分かれている。
(文:前田恵、企画構成:スリーライト)