【見どころ】人と地域を繋ぎあわせるシンボル “深紅の大優勝旗”

【(C)BOATRACE】

 全国47都道府県の代表選手が集結するG2全国ボートレース甲子園が三国で2回目を迎える。第1回大会の舞台は浜名湖。レースは劇的なまくりで決着した。西陣織、それもつづれ織りでつくられた深紅の大優勝旗を始めて手にしたのはベテラン今垣光太郎だった。

 その今垣が手にした優勝旗に『PER ASPERA AD ASTRA』の文字が金糸で織り込まれている。ペル・アスペラ・アド・アストラと日本語読みする。『困難を克服して栄光を獲得する』という意味のラテン語だ。ちなみに、2018年に60年ぶりに新調された全国高校野球選手権の大優勝旗には『勝者に栄光あれ』という意味の『VICTORBUS PALMAE』が刻まれている。

 大会の最初と最後に登場する大優勝旗。それは戦う者にとっても応援する者にとっても、共通の目標、シンボルにほかならない。この旗を結び目にしてつながっているといってもいい。

■今こそふさわしい言葉『困難を克服して栄光を獲得する』

 全国ボートレース甲子園、という名は都道府県対抗のように思われがちだが、実は違う。選手がいて、選手を育んでくれた地域が存在し、地域に人々が暮らしながら選手を応援する。それがファンである。地域ごとのファンもいれば、特定の選手を想うファンもいる。こうして、選手、ファン、そして地域がつながっていくのだが、そうした47都道府県ごとの成り立ちや盛り上がりに対立は存在しない。ともに『困難を克服しよう』、そして『栄光を獲得しよう』と、同じ志でつながっている。大優勝旗をシンボルとして全国の人々が結び合う大会である。

 今回の大会は、奇しくも第1回大会で優勝した今垣光太郎のホーム、ボートレース三国(福井県坂井市)だ。優勝旗が北陸にとどまるのか、また別の地域に移るのか、まったく予断をゆるさない。参戦メンバーの実力差は否めないが、しかし地域の応援を背にしている。人は、自分のためよりも、他人のために戦うときに強くなる。選手の脳裏には、縁のある地域からの声が届いているに違いない。きっと番狂わせもあるだろう。

『ペル・アスペラ・アド・アストラ』
『困難を克服して栄光を獲得する』

 今こそふさわしい言葉ではないか。困難はそれぞれの人の中にある。克服の道程に、応援や支えというスパイスを加え、真摯に生きるという人生の栄光を獲得する。

 最後の最後に渡される大優勝旗の『PER ASPERA AD ASTRA』。それは、勝者にだけ贈られる言葉ではない。かかわったすべての人々が共有する日本中の価値といってもいいだろう。

関連リンク