MLBポストシーズン戦力ランキング2026
記事
MLBは2026シーズンが終了し、ポストシーズンへと突入する。ワールドシリーズを制し、世界一の座を射止めるのはどのチームか? 今回は、ポストシーズンに進出した全12球団の戦力を数値化。「打力」(30点満点)、「機動力」(10点満点)、「投手力」(30点満点)、「守備力」(10点満点)、「選手層」(10点満点)、「経験」(10点満点)に加え、ポストシーズンを勝ち抜くうえで重要な「勢い」(10点満点)の7項目に分けて評価した。 ワールドシリーズ3連覇を目指すドジャースを中心に、全12チームの見どころを解説する。(監修:村田洋輔)
※上位と解説はスポーツナビアプリでご覧いただけます。
また、チーム名の後ろにある(ア)(ナ)はリーグ名を表しています
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解説
ドジャースの3連覇を阻むのは? 対抗馬ブリュワーズにも注目
昨年のポストシーズンではドジャースが21世紀初となるワールドシリーズ連覇を成し遂げた。今年、ドジャースが挑む3連覇は1936~39年ヤンキース(4連覇)、1949~53年ヤンキース(5連覇)、1972~74年アスレチックス、1998~2000年ヤンキースしか成し遂げていない偉業。つまり、今年ドジャースが達成するとナ・リーグでは初めての快挙となる。
投打のバランスが良く、選手層も厚く、3連覇に向けて死角はないように思えるが、後半戦に入ってコンテンダー(=ポストシーズン進出を狙える戦力を持つ強豪チーム)との対戦でことごとく負け越しているのが不安材料。後半戦開始直後にヤンキース(2勝1敗)とフィリーズ(2勝1敗)に勝ち越したあと、レッドソックス(3連敗)、カブス(3連敗)、ダイヤモンドバックス(1勝2敗)、ブリュワーズ(1勝3敗)、ブレーブス(3連敗)、パドレス(1勝2敗)との対戦ではすべて負け越した。下位チームとの対戦でも打線が思うようにつながらず苦戦するシーンが目立っており、ここぞという場面での勝負強さを取り戻せるかが3連覇に向けた大きなポイントとなりそうだ。
投手陣は夏のトレードで2年連続サイ・ヤング賞のタリク・スクバルを獲得したのが非常に大きく、スクバル、山本由伸、ブレーク・スネル、タイラー・グラスノーの4人が並ぶ先発陣は球界屈指の陣容。先発陣に比べると、救援陣にはやや不安を残すものの、昨年同様に短期決戦でブルペンに回る佐々木朗希が大きな戦力となるはずだ。打線のキーマンは何と言っても大谷翔平。膝や上腕二頭筋を痛めた影響で夏場以降に失速し、負傷者リストからの復帰後も本領を発揮できていないが、ひと振りで試合のムードを一変させることのできるスーパースターの復調は3連覇を目指す戦いに臨むうえで必要不可欠。大谷のバットがよみがえれば、ナ・リーグ史上初となるワールドシリーズ3連覇の偉業達成がグッと現実味を帯びてくるだろう。
対抗馬は2年連続で両リーグ最高勝率をマークし、球団史上初となるレギュラーシーズン100勝を達成したブリュワーズだろう。昨年はリーグ優勝決定シリーズでドジャースに惨敗したが、今年は2年目のジェーコブ・ミジオロウスキーが絶対的エースに成長し、投打のバランスも非常に良い。気になる点を挙げるとすれば、打線に大砲が不在であることと、ミジオロウスキー、ローガン・ヘンダーソンに次ぐ先発3番手以降のクオリティが少し落ちることか。よって、ミジオロウスキーとヘンダーソンの二枚看板が登板する試合は確実にモノにしたいところだ。打線はデビューから3年連続20本塁打&20盗塁のジャクソン・チューリオ、今年ブレイクしたジェーク・バウアーズ、そして球団史上初の主将に就任したクリスチャン・イエリチらがキーマンとなりそうだ。
カブスは球界トップクラスの野手陣が最大の魅力だ。史上7人目の40本塁打&40盗塁を達成し、ナ・リーグMVPの受賞が確実視されるピート・クローアームストロングに象徴されるように、各ポジションにハイレベルな攻守を兼備した選手が揃い、決して強力とは言えない投手陣をカバーしてきた。安定した打撃成績に加え、今年は守備指標も改善させた鈴木誠也もその一人だ。ポストシーズンを勝ち抜くためのポイントは投手陣がいかに踏ん張れるか、という点に尽きる。2年ぶりの2ケタ勝利を挙げた今永昇太はもちろん、夏のトレードで加入したケビン・ガウスマンやクレイ・ホームズらが最低限試合を作ることができれば、強力野手陣の援護を受けながらポストシーズンを勝ち進んでいくことも不可能ではないだろう。
カブスとワイルドカードシリーズで激突するパドレスは球界トップクラスの救援陣が最大の武器だ。絶対的守護神のメーソン・ミラーを筆頭に、アドリアン・モレホン、ブラッドグリー・ロドリゲス、ジェーソン・アダム、そして松井裕樹と強力なリリーバーを5人も揃えており、やや不安を残す先発陣が「4回2失点」くらいで試合を作ってくれれば勝機が見えてくる。後半戦に入ってフェルナンド・タティスJr.やジャクソン・メリルといった主力打者が調子を上げているのも明るい材料。レギュラーシーズンではドジャースに5勝8敗と負け越してしまったが、そのリベンジを果たすためにも、まずはワイルドカードシリーズでカブスを撃破し、次のラウンドへ駒を進めていきたい。
ブレーブスは開幕から安定した戦いぶりで3年ぶりの地区優勝を果たしたが、投打とも戦力は決して盤石とは言えない。先発陣は序盤から故障者が続出し、規定投球回をクリアしたのは絶対的エースのクリス・セールだけ。夏のトレードで加入したタイラー・マーリーが移籍後に好投を続け、先発陣の救世主となったが、この2人を除くメンバーには不安を残す。救援陣も好投手が揃っているものの、クローザーのライセル・イグレシアスやセットアッパーのディラン・リーに疲れが見えるのが気になるところ。打線は豪華なメンバーが並んでいるが、ロナルド・アクーニャやオースティン・ライリーに全盛期のような勢いがなく、ネームバリューのわりには破壊力はイマイチ。今回の戦力ランキングでもナ・リーグの中で5番手の評価にとどまった。
フィリーズはレギュラーシーズン終盤に大きく失速したものの、なんとかワイルドカードの最後の1枠を勝ち取った。クリストフェル・サンチェス、ザック・ウィーラー、ヘスス・ルサルドの先発三本柱、絶対的守護神のジョアン・デュラン、そしてカイル・シュワバーとブライス・ハーパーの両主砲とタレントは揃っており、各選手がコンディションを整えて本来の力を発揮できるかどうかがポイントとなる。
ヤンキースとレイズが「2強」
ア・リーグは充実の戦力を誇るヤンキースと試合巧者でリーグ最高勝率をマークしたレイズの「2強」をほかのチームが追う展開となりそうだ。主砲アーロン・ジャッジを長期にわたって故障で欠いたヤンキースは投手力を軸としたチームに変貌。サイ・ヤング賞候補のキャメロン・シュリトラーを軸に安定した投手力を誇っており、コンディションに不安を残すジャッジの打棒さえ爆発すれば、ワイルドカードから勝ち進んでいく可能性も十分にある。
3年ぶりのポストシーズン返り咲きとなったレイズは先発陣をドルー・ラスムセンとニック・マルティネスの両右腕が牽引し、救援陣ではブライアン・ベーカーが頼れるクローザーに成長。打線ではフニオール・カミネロが2年連続で40本塁打&100打点をクリアし、ヤンディ・ディアスやヨナタン・アランダが若き主砲を支えた。経験豊富なケビン・キャッシュ監督の采配にも定評があり、球団史上3度目のリーグ優勝、そして初のワールドシリーズ制覇を狙う。
この「2強」を追うレッドソックスも東地区に所属するチーム。今年のア・リーグは勝率トップ3を東地区が独占し、ポストシーズンのトーナメント表で1つの山に3チームが集まるという歪(いびつ)な構成になっている。今年のレッドソックスは最大で借金14を抱えながらも7月に15連勝するなど一気に浮上し、ワイルドカードを獲得。その頃の勢いはもはや残っていないが、ギャレット・ウィットロックからアロルディス・チャップマンにつなぐ「勝利の方程式」は球界トップクラスの安定感を誇っており、打線や先発陣の頑張りで「2強」に食らいついていきたい。
ガーディアンズは今年もレギュラーシーズン終盤に驚異的な勝負強さを見せ、8月中旬の6ゲーム差から逆転で地区優勝を果たした。支配的な投球を見せるギャビン・ウィリアムスと新人左腕のパーカー・メシックが先発陣を牽引し、ブルペンには絶対的守護神のケード・スミスが君臨。20本塁打以上の強打者は不在だが、トラビス・バザナ、チェース・デローター、ブラヤン・ロッキオといった若手がラッキーボーイのような活躍を見せれば、面白い存在となるかもしれない。
そのガーディアンズに地区優勝をさらわれたホワイトソックスだが、連続100敗からのポストシーズン進出は史上初の快挙。今年最大のシンデレラストーリーだったと言っても過言ではないだろう。村上宗隆、ミゲル・バルガス、コルソン・モンゴメリーの30本塁打トリオが牽引する打線は粗削りではあるものの、非常に魅力的な陣容。ただし、投手陣は大きな不安を抱えており、複数のイニングを投げることができるグラント・テーラー、ヘーゲン・スミスといった若手がキーマンとなりそうだ。
レギュラーシーズン最終日に地区優勝を決め、ア・リーグの最後の1枠に滑り込んだのはアストロズだった。マリナーズの不振に助けられた感は否めず、81勝81敗(勝率.500)での地区優勝は史上最低成績。三冠王に迫ったヨルダン・アルバレスの活躍がなければ、到底ポストシーズンには辿り着けなかっただろう。投手陣は2ケタ勝利も規定投球回到達者もおらず、とてもポストシーズンを勝ち抜けるような陣容ではない。
関連リンク
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