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馬術

競技概要

馬術は欧米で人気のあるスポーツで、パラリンピックではアトランタ1996大会から正式競技として採用されている。対象は肢体不自由の選手と視覚障がいの選手。男女の別はなく、障がいの内容や程度に応じてグレードIからVまで5つのクラスに分かれて競う。

オリンピックの馬術とは異なり、パラリンピックでは技の正確さや演技の美しさを競う馬場馬術(ドレッサージュ)種目のみが行われる。

種目として、個人課目と、選手3名で構成される団体課目(音楽付き)がある。また、個人課目の結果が上位の選手のみが出場できる「馬のバレエ」とも呼ばれ、選手が考えたオリジナルな動きのパターンを組み合わせ音楽に合わせて乗りこなす自由演技課目の3つがある。

勝負は5名の審判の採点によって決められ、歩様やステップの正確性、乗り手と馬の一体感などが評価の対象となる。

競技見どころ

練習で培った信頼関係 思うままに馬を操り、見事な演技を引き出す

ロイター/アフロ

人馬一体の華麗な演技を競う馬場馬術。パラリンピックではオリンピックと同様に男女混合での採点競技で行われるが、障がいの内容や程度により、5つのクラスに分かれて競う。クラスごとに求められる技術レベルが異なり、障がいを補うための馬具の使用や改造なども認められている。

リオデジャネイロ2016大会までは、クラスは障がいが重い方から順に、グレードIa、グレードIb、グレードII、グレードIII、グレードIVの5つだったが、2017年からグレードI、II、III、IV、Vに変更され、東京2020大会も新しいクラス分けで実施される。

馬場は、グレードIVとVはオリンピックと同じ20メートル×60メートルのサイズで、グレードIからIIIは少し小さい20メートル×40メートルの馬場を使う。選手はこの馬場内で決められたコースを移動しながら、図形などを描き、馬を操る技術レベルを審査される。最も基本的な技術の「常歩(なみあし)」、対角線上の肢が交互に2拍子のリズムで動く「速歩(はやあし)」、スピードのある「駈歩(かけあし)」、さらに高度な、前肢と後肢が異なる軌跡を描く「二蹄跡運動(にていせきうんどう)」がある。グレードIは常歩、グレードIIは常歩と速歩など、クラスによって求められる技術レベルが異なる。

馬場の周囲にアルファベットなどのマークが記され、例えば「B→E→Kの順に常歩で」といった指示に従って馬をコントロールする。馬場を囲むように5人の審判員が座っており、動きの正確さ、馬の頭の位置など項目ごとに採点シートに点をつけていく。順位は各審判員の採点を満点で割ったパーセンテージで決まる。

視覚障がいの選手はグレードIVやVにクラス分けされるが、「コーラー」がマークの位置を声で知らせ、競技をサポートする。コーラーは最大13人までつけられる。高次脳機能障がいなどで記憶障がいがある選手は、「コマンダー」が馬場外からコースを逐次伝えることができる。こうしたアシスタントとのチーム戦も見どころだ。

選手はヘルメットやジャケットの着用が義務付けられる。まひや切断のため下半身の支えがない状態でも、選手はバランスよく鞍に乗って騎乗するので、障がいは見えにくいが、ブーツの中は義足の場合もある。選手の障がいや症状は一人一人違うので、障がいに応じて改造した特殊な馬具の使用が認められている。例えば、鞍や手綱、鐙など人と馬をつなぐ道具は選手の身体状況に合わせ、安全第一の工夫が認められている。鞍には補助ベルトや背あてを付けたり、手の障がいで手綱を握れない選手は手綱の先に輪(ループ)をつけたり、口でくわえたり、足の指で握ったりする選手もいる。下半身まひの選手は馬の制御のため、1~2本の鞭を使用できる。道具の改造・使用も演技の出来を左右する重要なプロセス。注目すべきポイントの一つだ。

馬術においては、素質が高く美しい馬との出会いが大切だが、さらに乗り手との相性の良さも重要だ。言葉を交わすことはできないが、一緒に同じ時間を過ごしてコミュニケーションをとり、馬の性格や能力を理解し、尊重することで演技を創りあげていく。人と馬との信頼関係を築き、呼吸と気持ちを合わせ、同調性を高めることが欠かせない。

・2020に向けたパラ馬術の展望(外部サイト)

引用:東京2020組織委員会

競技会場(外部サイト)

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