ファンが選ぶ!ウインターカップ歴代最強選手ランキング<2000年~>

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 スポーツナビでアンケートを実施した「ウインターカップ歴代最強選手ランキング」。2000年以降のウインターカップに出場した選手の中で、最も活躍したと思う歴代最強選手を男女それぞれ最大5人選んで投票してもらいました。果たして、1位に輝いた選手は!?

※1人5票まで投票可能
※ランキング上位と総評コラムはスポーツナビアプリでご覧いただけます

順位 選手名 学校名 得票率
1 八村塁 明成 75.74%
2 河村勇輝 福岡第一 57.68%
3 富永啓生 桜丘 39.08%
4 渡邊雄太 尽誠学園 33.96%
5 比江島慎 洛南 21.83%
6 藤井祐眞 藤枝明誠 14.82%
7 岩下准平 福岡大附属大濠 11.32%
8 米須玲音 東山 10.78%
9 大倉颯太 北陸学院 9.43%
10 並里成 福岡第一 7.55%
11 クベマ ジョセフ・スティーブ 福岡第一 7.01%
11 山﨑一渉 仙台大附属明成 7.01%
13 ジョフ・チェイカ・アハマド・バンバ 延岡学園 6.47%
14 辻直人 洛南 5.93%
15 志村雄彦 仙台 4.85%
15 湊谷安玲久司朱 洛南 4.85%
15 岡田侑大 東山 4.85%
18 竹内譲次 洛南 4.58%
18 金丸晃輔 福岡大附属大濠 4.58%
18 ベンドラメ礼生 延岡学園 4.58%

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NBAプレーヤー、日本代表選手らが上位に

八村は明成高校でウインターカップ3連覇、3度のベスト5に選出された【写真は共同】

 アンケートの結果、上位には日本代表として活躍している選手たちのほか、現役大学生もランクイン。上位10名を紹介していきたい。

1位:八村塁(明成)
日本人として初めてNBAドラフト1巡目に指名され、現在はワシントン・ウィザーズで活躍する八村塁は、まさにウインターカップの申し子と言えるだろう。富山市立奥田中学校でバスケを始めた八村は3年次に全国中学校大会で準優勝を果たすと、高校は親元を離れて明成高校(現:仙台大学附属明成高校)に進学。そこで名伯楽、佐藤久夫コーチの薫陶を受け、世界に通用する選手に成長していった。ウインターカップには1年次から先発で出場。3年連続で主力としてコートに立ち3連覇に貢献、さらに3年ともベスト5に選出された。
その中で今でも名勝負として語り継がれているのが2年次、福岡大学附属大濠高校との決勝戦だろう。2年連続で顔を合わせた両チーム。1年前のウインターカップでは明成が勝利、しかし、この夏のインターハイでは福大大濠が決勝で雪辱を果たし、単独チームとしては3回連続決勝戦で顔を合わせることとなった。一進一退の展開の中、試合時間は残り1分を切って同点。ここから八村が勝敗のタクトを強くする。福大大濠のシュートをブロックすると、そのボールを拾って味方にパス。放たれたシュートがリングをたたくも、八村がタップで決め、決勝点となり、明成が2年連続3度目の優勝を呼び込んだ。
八村は高校卒業後、NCAAの強豪、ゴンザカ大学に進学。そして、NBAプレーヤーへの階段を一気に駆け上がっていく。その礎を築いたのがウインターカップであることは改めて言うまでもないだろう。

2位:河村勇輝(福岡第一)
東海大学を中退して、プロの世界へ本格的に足を踏み入れた河村勇輝。その後の進化はめまぐるしく、横浜ビー・コルセアーズの司令塔として活躍するだけでなく、日本代表でも試合を重ねるごとに存在感を増し、来年のワールドカップに向けて、欠かせない戦力になっている。
そんな河村のウインターカップデビューは1年次。高校バスケ界の強豪、福岡第一高校に進学したものの、夏のインターハイまでは同校の井手口孝コーチの方針で高校のバスケに耐えられる体作りに専念。満を持してのプレーとなったが、スピードに乗ったオフェンスを引き出すゲームメイクを見せ、またたく間に注目の的となった。しかし、迎えた準決勝、福岡大学附属大濠高校との一戦、チームは3点差で敗退する。河村は3ポイントシュートを1本も決めることができず、敗因の一つとして自分を責めた。
「もう大濠には負けない」。こう誓った河村は練習に励み、課題となったシュートも克服していった。2年次次は初戦から中部大学第一高校との決勝戦まで全てで20点差以上をつけ、2年ぶり3度目の優勝を果たした。チームメートの小川麻斗(現:日本体育大)とのダブルキャプテンで臨んだ3年次はインターハイ優勝、そして、迎えた高校最後のウインターカップでは決勝まで勝ち上がる。対戦相手は1年次に辛酸をなめた福大大濠。試合は序盤から福岡第一がリードを奪い主導権を握る展開に。河村は10得点11アシスト13リバウンドのトリプルダブルの活躍を見せ、チームを2年連続4度目の優勝に導くとともに、有終の美を飾った。

3位:富永啓生(桜丘)
富永啓生がウインターカップで特に注目を集めたのが桜丘高校3年次、2018年大会。サウスポーから繰り出されるシュートは正確無比。タフショットとなる苦しい態勢や3ポイントラインから離れた位置から打つロングスリーを次々と決めて得点を量産した。桜丘高校は富永の活躍により、準決勝に進出。福岡の強豪、福岡第一高校と対戦した。富永は徹底マークの中、前半だけで31得点をマーク。チームも48-46とリードを奪った。しかし、第3クォーターに入ると地力に勝る福岡第一高校が本領を発揮し始める。福岡第一高校の武器である持ち前の激しいディフェンスからの速攻で主導権を奪われると、後半だけで24-57と30点以上のリードを奪われ、最終スコア72-103で敗れた。
3位決定戦に回った富永だが、最終日も得点ラッシュは終わらなかった。この試合でも、6本の3ポイントシュートを含む46得点を記録。76-56で帝京長岡を破り、ウインターカップではチーム史上初の3位に輝いた。富永はこの大会で1試合平均39.8得点を挙げて得点王に輝くとともに、大会ベスト5に選出。全日程を終えた富永は将来の夢として、「オリンピック出場とNBA選手になること」と語ったが、2021年の東京オリンピックで3x3ながらその夢の1つは達成している。残るのはNBAプレーヤーになること。今はそれを追い求めてNCAAディビジョン1のネブラスカ大学でプレーしている。

4位:渡邊雄太(尽誠学園)
中学時代、香川県の選抜メンバーに選ばれた渡邊雄太だが、決して目立つ存在ではなかった。さらに1年に10センチ以上も身長が伸びたことによる成長痛に苦しめられていることもあり、満足できる実績を残したわけではない。高校は地元の尽誠学園高校に進学。ただ、この選択がその後のバスケ人生に大きな影響を与えたと言える。尽誠学園を指導する色摩拓也コーチは2年次には190センチを超える身長になっていた渡邊の高さを生かしつつ、3年次にはゲームコントロールを任せるなど、オールラウンダーへ育てていった。また、尽誠学園はもともとディフェンスの厳しさで知られたチーム。ステイローの姿勢やルーズボールへの執着心など、尽誠学園で育まれたとも言えるだろう。
そんな尽誠学園と渡邊が全国のバスケファンを驚かせたのが、渡邊が2年次のウインターカップ。2011年の42回大会だ。1回戦を勝ち上がった尽誠学園は次戦でその年のインターハイで準優勝した福岡第一高校と対戦。渡邊はこの試合、29得点10リバウンドと攻防に活躍し、前評判を覆して勝利を飾る。尽誠学園はこの後、勢いに乗り準優勝に輝いた。
渡邊の3年次にも尽誠学園は準優勝を果たすが、2年次の活躍があったからだと言えるだろう。渡邊は卒業後、渡米してプレップスクールに入学。1年後、ジョージ・ワシントン大学へ進み、NBAプレーヤーへの階段を上っていくことになる。

5位:比江島慎(洛南)
宇都宮ブレックスの比江島慎は、その世代を代表する選手として、小学校のころから注目を集める存在だった。全国ミニバスケットボール大会で優勝、中学では都道府県選抜のジュニアウインターで優勝、全国中学校バスケットボール大会では比江島の所属する福岡市立百道中学校は優勝候補の一角と目されながら大会中のケガで本来の力を発揮できず、残念ながら3位で終わったが、大会優秀選手に選ばれている。
それだけに進学先が注目されたが、比江島が選んだのが洛南高校。入学早々ベンチ入りするものの、1年次はベンチスタート。それでも貴重な6番手としてチームを支えた。迎えたウインターカップでは福岡大学附属大濠高校、北陸高校を破って優勝を果たした。そのメンバーから主力が残った2年次はエースとして活躍。決勝では福岡第一高校と対戦。比江島はゲームハイの28得点をマークし、78-73で勝利。大会2連覇を達成した。
迎えた3年次、夏のインターハイでは準決勝で敗れた洛南は、ウインターカップではインターハイ優勝の延岡学園高校を準決勝で破ると、決勝ではインターハイで敗れた福岡第一高校に73-71の僅差で振り切り優勝を果たした。洛南は1998年に田臥雄太らを擁した能代工業高校(現能代科学技術高校)が達成した大会3連覇を達成。ウインターカップを無敗で終えた比江島は青山学院大学に進むことになる。

6位:藤井祐眞(藤枝明誠)
ウインターカップにおいて今でも破られていない記録がある。川崎ブレイブサンダースの藤井祐眞が藤枝明誠高校2年次に達成した1試合79得点だ。藤井はウインターカップの舞台で、それまでの58得点を大幅に上回る1試合最高得点記録を更新。日本のバスケファンに大きな衝撃を与えた。
松江市立湖東中学で全国中学校バスケットボール大会に出場した藤井が選んだ進学先がバスケの強化を始めて3年目の新興チームだった。1年次から主力を務めた藤井は、次第に持ち前の得点能力を発揮していくことになる。
迎えた2年次のウインターカップ、1回戦で正智深谷高校を106-91で破ると、2回戦では海部高校と対戦。実は1回戦での出来が悪かったことから会場に向かうバスの中で西塚建雄コーチに「今日は80点取れ」と指示されたという。試合中も「これでは80点に届かないぞ」と発破をかけられ、藤井はゴールを目指した。79点の内訳は3ポイントシュートが2本、2ポイントシュートが30本、フリースローが13本。チームは162-79で勝利して、初の3回戦進出を果たす。しかし、注目を集める中、藤枝明誠は次戦、福岡第一高校戦で敗れ、大会を去ることになった。
Bリーグではベストディフェンダー賞の常連として、守備のイメージを強く持つファンも多いかもしれない。しかし、高校時代までの藤井は類まれな得点能力を遺憾なく発揮する選手だった。今後、1試合79得点の記録は、破られることがあるのだろうか。

福岡大大濠を28年ぶりの優勝に導いた岩下准平【写真は共同】

7位:岩下准平(福岡大学附属大濠)
福岡市立西福岡中学では全国中学校バスケットボール大会で2年次に優勝に貢献、3年次には惜しくもベスト4に終わったが、大会優秀選手に選ばれた岩下准平(現筑波大学)。そんな岩下は地元の福岡大学附属大濠高校に進学し、新たなステージで日本一を目指すことになる。
しかし、順風満帆の高校生活を送ったわけではない。2年次の夏、左ヒザの前十字じん帯を断絶。治療、リハビリに10カ月を要した。つまり、2年次には公式戦に出場することはできなかったわけだ。3年になり、岩下は福大大濠伝統のエースナンバー、背番号13をつけてコートに戻ってきた。初めて主力として臨んだインターハイでは準決勝で優勝した中部大学第一高校に敗れベスト4。迎えたウインターカップ、福大大濠は3回戦、インターハイで敗れた中部大第一を65-57で破ると、準決勝では前年優勝の仙台大学附属明成高校を退け決勝にコマを進め、帝京長岡高校と顔を合わせることになる。
クールなイメージの選手が多い福大大濠にあって、岩下は周りを鼓舞する姿だけでなく、勝利への執念をむき出しにした表情を見せる。湧川颯斗や川島悠翔といった下級生をリードした闘将は決勝戦でもパフォーマンスを十分に発揮。特に第4クォーターで見せた勝負強いシュートは多くのファンの記憶に残っていることだろう。福大大濠は終盤、帝京長岡を振り切り59-56で勝利。岩下は実に28年ぶりのウインターカップを母校にもたらした。

8位:米須玲音(東山)
広い視野を武器にキラーパスを次々と通す攻撃型ポイントガードとして頭角を現したのが米須玲音だ。現在は日本大学2年生、新しいステージでも司令塔としてゲームをコントールする。
米須といえば、河村勇輝(現横浜ビー・コルセアーズ)とのマッチアップで大会を盛り上げたことでも知られている。2年次の準決勝、東山は河村擁する福岡第一と対戦する。同じポジションの目標として、そしてライバルに見据える1学年上の河村に対し、それぞれのパフォーマンスがチームの勝利に直結する。前半を38-28とリードした東山だが、後半、河村のシュートやアシストで力を発揮した福岡第一に逆転を許し、東山は59-71で敗れた。この試合、河村は25得点10アシストのダブルダブルを達成したのに対し、米須は10得点7アシストに終わる。試合後、「来年、絶対優勝しろよ」と河村に声をかけられた米須は、最終学年での優勝を誓った。
迎えた1年後のウインターカップ、東山は順調に勝ち上がり明成(現仙台大学附属明成)高校と決勝で対戦。ティップオフ直後から主導権を握った東山だったが、第4クォーターに明成の逆転を許す展開に。試合終了間際、3点を追う場面で米須は3ショットのフリースローを獲得する。この緊張の場面で米須は顔色を全く変えずに3本を決めて勝利への執念を見せた。その後、明成に決勝シュートを決められ優勝することはできなかったが、2020年のウインターカップの主役は米須だったと言えるだろう。

9位:大倉颯太(北陸学院)
東海大学を卒業し、千葉ジェッツでプロ1年目のシーズンを送る大倉颯太。2014年の全国中学校バスケットボール大会で野々市市立布水中学を優勝に導いたエースが大倉とも言えるが、ミニバス時代からのチームメートたちとのコンビネーションプレーも見逃せなかった。そして、大倉は地元の北陸学院高校に進み、高校のステージでも全国制覇を目指した。ウインターカップには1年次から3年連続出場を果たし、1年次には3回戦でベスト8に入った帝京長岡高校に60-69で敗れた。続く2年次には1学年上でセンターの小室悠太郎とともにチームをけん引。サイズでは劣るメンバー構成だったが、長年培ったコンビネーションと3ポイントシュートでライバル校を次々と破り、準決勝に進出。しかし、そこでは東山高校に70-89で敗れるも、3位決定戦では前年に敗れた帝京長岡に59-49でリベンジに成功。チーム史上初の3位入賞を果たし、大倉はベスト5に選出された。
2メートルを超える留学生を擁するチームが上位を占めるようになる中、大倉は得点源とだけでなく、プレーメーカーとして高校バスケ界に独特の存在となった。特に高校生とは思えないほどの落ち着き、試合を俯瞰(ふかん)で振り返れる戦術眼でも報道陣をうならせたほど。しかし、そんなクールな大倉が、ミニバスからのチームメートとともに頂点を目指す熱い一面を持っていたことも覚えておきたい。

10位:並里成(福岡第一)
Bリーグのファンタジスタと称される並里成は沖縄市立コザ中学校出身。緩急を使った独特なリズムのドライブからのノールックパスなどで、アシストを量産する。その並里が進んだのが福岡第一高校。並里は1年次からスターターの座をつかみ、ポイントガードとしてチームをコントロールする存在となった。インターハイでは同じ福岡県の福岡大学附属大濠高校に準決勝で敗れるも、ウインターカップでは準決勝で能代工業高校(現能代科学技術高校)、準決勝で洛南高校という名門校を破り、決勝では延岡学園高校と対戦した。ともに初優勝を目指しての戦いは、第4クォーターにスパートした福岡第一に76-64で勝利。並里は初優勝に花を添えるベスト5に選ばれた。
2年次は福岡県予選で敗れるも、3年次はライバルの福大大濠を破り、ウインターカップへ出場。最上級生になった並里は、1年次以上のスピードと研ぎ澄まされたパスセンスで、東京体育館に詰めかけたファンの注目を集める。決勝に勝ち進んだ福岡第一は洛南高校と対戦。前年の大会に優勝した洛南に対して福岡第一は第3クォーターまでリードを奪う。しかし、第4クォーターに洛南の猛追を受け、残念ながら73-78で敗れ、2度目の優勝はならなかった。それでも並里はベスト5に選ばれ、世代を代表する選手として存在感を示したと言えるだろう。

(文=バスケットボールキング編集部)

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