森秋彩の0.2点差、野中生萌の0.0点…勝負を分けた第3課題 アジア大会スポーツクライミング
「今は喜びよりも悔しさの方が強いです」
銀メダルにも、森の表情は晴れなかった。
ボルダーは、制限時間内に複数の課題を攻略する競技。決勝では4課題に挑み、それぞれの課題で途中の「ゾーン」に到達すると10点、最上部の「トップ」まで登れば15点追加で計25点を獲得する。競技前には「オブザベーション」と呼ばれる下見時間があり、選手たちは壁を見ながら攻略法を組み立てる。
この日の結果をたどると、森と張は第1、第2、第4課題で同じ得点だった。2人の最終得点に差がついたのは第3課題だけだ。
そして同じ第3課題、野中の記録は「0.0点」として残った。
森秋彩は得意なセットだった第3課題
「苦手な動きがきてしまったなと、ちょっと不安でした」
それでも両課題を一撃で完登し、25.0点を並べた。一方、第3課題への感触は違った。
「3に関しては得意な感じだったんで、1、2が苦手な分、3で巻き返さないといけないなと」
オブザベーションで想定したムーブから、実際の壁を前に変更も加えた。トップまでたどり着いたが、スリップなどでトライ数が重なり、得点は24.8点。張は一撃で25.0点。ここで生まれた0.2点が、そのまま最終結果の差となった。
森が強く悔やんでいたのは0.2点だけではない。第4課題はオブザベーションでは「あまり難しそうに見えなかった」という。ところが、実際に登ると「一番難しかった」。森はゾーンには到達したものの、トップには届かなかった。
「やはり最後決め切りたかったという思いが強くて。しかも苦手なジャンプだったりとか、そういうものではなくて、単純なボルダリング能力っていうところで、できる可能性はあったんで。今は喜びよりも悔しさの方が強いです」
第3課題ではその場でムーブを変えて対応した。一方で、最後は登り切れなかった。銀メダルを手にしても、森の中には「決め切れなかった」という感覚が強く残った。