森秋彩の0.2点差、野中生萌の0.0点…勝負を分けた第3課題 アジア大会スポーツクライミング

スポーツナビ

女子ボルダー決勝を終え、健闘をたたえ合う森秋彩(右)と野中生萌 【写真は共同】

 愛知・名古屋市国際展示場で10月1日に行われたアジア競技大会・スポーツクライミング女子ボルダー決勝は、森秋彩(茨城県山岳連盟)が84.8点で銀メダルを獲得。金メダルは張悦彤(中国)で85.0点、野中生萌(フリー)は60.0点で6位だった。

「今は喜びよりも悔しさの方が強いです」

 銀メダルにも、森の表情は晴れなかった。

 ボルダーは、制限時間内に複数の課題を攻略する競技。決勝では4課題に挑み、それぞれの課題で途中の「ゾーン」に到達すると10点、最上部の「トップ」まで登れば15点追加で計25点を獲得する。競技前には「オブザベーション」と呼ばれる下見時間があり、選手たちは壁を見ながら攻略法を組み立てる。

 この日の結果をたどると、森と張は第1、第2、第4課題で同じ得点だった。2人の最終得点に差がついたのは第3課題だけだ。

 そして同じ第3課題、野中の記録は「0.0点」として残った。

森秋彩は得意なセットだった第3課題

第3課題は完登も一撃ならず。細かい差がメダルの色を分けた 【Photo by Zhe Ji/Getty Images】

 森はリードジャパンカップを7連覇し、2023年世界選手権ではリードで優勝。リードを得意としている。一方で、本人はボルダーには苦手意識があると話す。決勝のオブザベーションで第1、第2課題を見たときも不安があった。

「苦手な動きがきてしまったなと、ちょっと不安でした」

 それでも両課題を一撃で完登し、25.0点を並べた。一方、第3課題への感触は違った。

「3に関しては得意な感じだったんで、1、2が苦手な分、3で巻き返さないといけないなと」

 オブザベーションで想定したムーブから、実際の壁を前に変更も加えた。トップまでたどり着いたが、スリップなどでトライ数が重なり、得点は24.8点。張は一撃で25.0点。ここで生まれた0.2点が、そのまま最終結果の差となった。

 森が強く悔やんでいたのは0.2点だけではない。第4課題はオブザベーションでは「あまり難しそうに見えなかった」という。ところが、実際に登ると「一番難しかった」。森はゾーンには到達したものの、トップには届かなかった。

「やはり最後決め切りたかったという思いが強くて。しかも苦手なジャンプだったりとか、そういうものではなくて、単純なボルダリング能力っていうところで、できる可能性はあったんで。今は喜びよりも悔しさの方が強いです」

 第3課題ではその場でムーブを変えて対応した。一方で、最後は登り切れなかった。銀メダルを手にしても、森の中には「決め切れなかった」という感覚が強く残った。

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