マイル侍の金を後押しした“走力以上”の力 ジョセフが描く「すごく強いチーム」へ

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アジア記録を持つ日本、強敵カタールを破る

雨中の決戦を制した日本。14年仁川大会以来12年ぶりの金メダルに輝いた 【写真:ロイター/アフロ】

 愛知・パロマ瑞穂スタジアムで9月29日に行われたアジア競技大会・陸上競技の男子4×400mリレー決勝は、日本が3分00秒75で金メダルを獲得した。銀メダルはカタールで3分00秒93、銅メダルはインドで3分01秒61。

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「カタールに勝てたのは、すごく収穫だなと思っています」

 そう語るのは、決勝のリレーメンバー最年長・30歳の佐藤風雅(ミズノ)。日本は2024年パリ五輪でマークした2分58秒33のアジア記録を持ってはいるものの、直近の国際大会ではカタールに後れを取る場面もあった。カタールは今年5月の世界リレーで決勝に進み、前年の世界選手権でも決勝進出を果たしている(日本はともに予選敗退)。佐藤も「メンバーをそろえて、世界の決勝で通用しているチーム」とその強さを認めていた。

 だからこそ、この日の勝利には意味があった。

4人がそれぞれの仕事を果たした

林(右)からバトンを受け取った今泉(中央)。本人も「びっくり」な快走を見せた 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 大粒の雨が降るスタジアム。最初にトラックへ出た佐藤は「ラスト、動きが止まってしまった」と振り返ったものの、ほぼトップと同着で第2走者の林申雅(筑波大)にバトンを渡す。

 林は「前半からいい感じにスピードに乗れて」、オープンレーンとなる地点から仕掛け、一気に先頭に躍り出た。さらにスタジアムの声援にも背中を押された。昨年の世界選手権では代表に選ばれながら走ることができず、悔しい思いを抱えて冬季に取り組みを変えた22歳が、この大舞台でしっかりと自分の役割を果たした。

 第3走者の今泉堅貴(内田洋行)は、自分が一人で前を走る展開の中で「腹をくくって」走った。自身のこれまでのラップタイムで最速となる走りを見せたという。「びっくりです」と本人も驚くほどのタイムだった。

 そしてアンカーの中島佑気ジョセフ(富士通)。3日前の男子400m決勝では銅メダルに終わった。

「個人で悔しい分、最後しっかり絶対金取るという強い思いで走った」

 バトンを受け取ると、「自分の走りをしようと。後ろは気にせずに走りました」と先頭を維持。終盤にはカタールの選手が詰めてきたものの、最後まで譲らずフィニッシュした。もっとも本人は「ラスト50mバラバラになった」と振り返り、「今回の単体の走りはあまり良くなかった」と自己評価している。

 だからこそ、中島の言葉が印象的だった。

「前の3人がしっかりリードできたから、余裕持って走れた」

 アジア大会陸上競技の最終日最終種目で有終の美。陸上日本に今大会10個目の金メダルをもたらした。

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