「なんで、私が甲子園に!?」創部1年目・四谷学院が描く日本一へのロードマップ
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四谷学院を支える“スーパーキーマン”と1年生15人の成長
内田は球界で実力派として知られるストレングス&コンディショニングコーチだ。帝京大では当時無名の存在だった青柳晃洋(現ヤクルト)を指導し、プロ入り後も自主トレをサポート。その縁からブレイク前の村上頌樹(阪神)と交流する機会もあり、飛躍に一役買っている。
かといって自身の手柄を誇らしげに披瀝(ひれき)することもなく、あくまでも黒子に徹する。内田コーチは「自分は表に出たいタイプじゃないですし、ただ選手に恵まれただけです」と笑う。選手と監督のコミュニケーションの橋渡し役にもなり、双方から絶大な信頼を寄せられている。
そんな内田コーチは、かつて本村監督とタッグを組んだ時期がある。本村監督が光明学園相模原(神奈川)の監督を務めた当時、知人を介して「勉強したい」とやってきたのが内田コーチだった。それから10年間、パートナーとして指導に当たった。内田コーチは本村監督について「自分にとっては兄貴みたいな人」と語る。
強豪大学から、新設高校への転身。相当な覚悟が必要だったのではないかと尋ねると、内田コーチは苦笑交じりにこう答えた。
「覚悟というより、感謝の気持ちが大きかったです。自分が指導者としてやれるのはあと10年くらいと考えると、兄貴に恩返ししないといけないなと。自分の仕事は、選手個々のレベルアップ。監督を日本一にするために、ここに来ました」
本村監督は内田コーチについて「スーパーキーマンです」と絶対的な信頼を口にする。
「ゲームはこちらで作るけど、素材は彼に作ってもらいます」
取材日はあいにくの雨天のため、室内練習場での練習になった。四谷学院にはラックが5台も並ぶウエートトレーニング場がある。てっきりウエートトレーニングに時間を割くのかと思いきや、選手たちはクランチなど地味な体幹トレーニングを中心に取り組んだ。内田コーチは「ウエートに固執するのは好きじゃないんです」と語る。
「インターネットを見ると真新しいトレーニングの情報がたくさん出ますけど、僕はオーソドックスなものをきっちりとやることが大事だと考えています。高校生なので、まずはやれることをしっかりやろうと」
ウォーミングアップの段階で、障害予防や動作作りのため数十種類ものドリルを選手に課している。これは青柳らプロ選手に伝授したメニューでもあるという。大事なのは「野球の動きを理解した上で取り組むこと」と内田コーチは語る。
「たとえば投げる動作は腕だけを使うのではなく、お腹の力で引っ張ってこないといけません。体をどう連動させるか、どのタイミングで力を出すか、選手にきちんと理解してもらった上で、トレーニングをしています」
入学時に体重が113キロもあった魚谷太聖は、現在は99キロまでスリムになった。魚谷は「やせて少しは動けるようになりました」と手応えを語る。守備に難があるため現在は一塁を守っているが、本村監督は「このままいけば、三塁もこなせるようになるかもしれません」と期待を口にする。
投手陣はウエートトレーニングだけでなく、メディシンボールやプライオボックスを使ったトレーニングにも取り組んでいる。中学時代に7番手投手だったという橋口健佑は球速が140キロを超えるようになり、秋は背番号1をつけるまでに成長した。